新世代のハード/ソフトを搭載

DEVIALET新製品発表会レポート − 仏本社幹部が「DEVIALET 240」など3機種を紹介

2013/06/17 ファイル・ウェブ編集部
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(株)ステラは15日、同社が取り扱う仏DEVIALET(デビアレ)の発表会を東京国際フォーラムで開催。新製品の「DEVIALET 240/170/110」を7月から販売開始すると発表した。価格は240が2,079,000円、170が1,029,000円、110が819,000円(いずれも税込)。

発表会にはプレスだけでなく多くの一般ユーザーも参加。DEVIALET本社から来日したマーケティングマネージャーのマニュエル・デラフレンテ氏らが出席し、新製品のプレゼンテーションを行った。

発表会の合間にはDEVIALETのシステムで音楽を再生した

仏DEVIALET社 マーケティングマネージャーのマニュエル・デラフレンテ氏。日本の食べ物が好きで、特に寿司が好物だという

新進気鋭のブランド「DEVIALET」とは

DEVIALETは、2007年、フランス・パリに設立されたブランド。その名を一躍有名にしたのは、2010年に発売した「D-Premier」だ。アナログアンプの音質とデジタルアンプの省電力性能を両立させた「ADHテクノロジー」(Analog Digital Hybrid テクノロジー)を搭載した本機は、40カ国で販売され、世界各国で21もの賞を受賞した。今回3機種の新モデルを発表したのは、プライスレンジを広げることで幅広いユーザーニーズに応えることがねらいだ、とデラフレンテ氏は説明する。

DEVIALET社の紹介。2007年設立の新進ブランドだ

パリ中心部にあるDEVIALETの本社兼ショールーム「La Maison」

デラフレンテ氏はまた、DEVIALETについて「多くのオーディオメーカーとは異なり、ワンマン経営の会社ではない。同じ信念や理念を持ったエンジニアや設計者、マネージャーなどが集まっている」と述べるなど、企業としての健全性についても言及した。

また同氏は、技術開発力の高さもアピール。「優秀な研究開発スタッフを擁しており、20名の技術者チームを持っている。来年にはさらに10名増員予定だ」と語った。これを支えるのが豊富な資金で、昨年1年間で1,500万ユーロの資金を調達したという。4名の世界的に有名な投資家が同社に投資を行っており、そのうち1名はLVMHのグループオーナーであることもアピールした。

今回の新製品3機種は、アナログ/デジタル入力を備え、プリ/パワーアンプも一体化したオールインワンオーディオシステム。ソフトウェアで機能を拡張できることが大きな特徴で、新ソフトを適用することで音質や機能をバージョンアップすることが可能だ。

新製品のラインナップ

新モデルの型番の数字は、1チャンネルあたりの出力を示している。「DEIVIALET 240」はD-Premierの後継機で、1チャンネルあたりの出力は240W、DEVIALET 170は同170W、DEVIALET 110は110Wとなる。このほか、DEVIALET 240を2台使ってデュアルモノ構成とした「DEVIALET 500」もラインナップとして用意される。

D-Premierの後継機「DEVIALET 240」

DEVIALET 240は、新ハードウェアプラットフォーム「V5」を採用。一から設計し直した新基板回路を搭載し、入力端子には新たにUSBとイーサネット端子を加えた。またDSPの信号処理能力をさらに高めたほか、電源部もブラッシュアップして内部温度をより低く保つように変更。さらにデジタル入力の最適化を行うなどジッター低減も図った。アナログステージもフォノ入力などを中心に細かな改善を施した。その一方、DEVIALETの核となるADHテクノロジーは、D-Premierに搭載された定評あるものを継承した。

DEVIALET 240を2台使用したデュアルモノシステム「DEVIALET 500」

DEVIALET 240はD-Premierの後継機だ

なお、本機はDSDの入力には対応していないが、デラフレンテ氏は「お約束はできないが、将来的にはソフトでDSDに対応することも考えたい」と説明。「来週エンジニアと会って、240のアップグレードプランを話し合う予定だが、そのときの議題としてDSDも取り上げたい」とした。

DEVIALET製品に付属のコントローラー

新ハードウェアプラットフォーム「V5」を採用

ソフトウェアも進化し、バージョンは「6.0」となった。Wi-Fiを経由し、スマホやPC内の音楽をストリーミング再生できる機能「ユニバーサル・ストリーマー」は、DEVIALET AIR 2をベースにした最新のものに進化。最高192kHz/24ビットのハイレゾ音声から、iTunesやSpotify、YouTubeなどカジュアルなものまで、様々なオーディオストリームに対応した。

ソフトウェアやアプリも進化した

また様々な設定が行える「コンフィグレーター」も、7月から新バージョンに移行。設定画面がさらにシンプルになり、さらに多くの設定を行う事が可能になった。DEVIALET製品は、1台で使うだけでなく、複数台を組み合わせることができる点も特徴で、このコンフィグレーターを用いて、DEVIALETを4台使ってホームシアター向けマルチチャンネルシステムを構築したり、それぞれをモノパワーとして使ってバイアンプ出力したり、またクロスオーバーポイントをコントロールしたりなど、様々な設定を行うことができる。

様々な設定が行える「コンフィグレーター」も7月から新バージョンに移行する

さらにスマホ用アプリは、これまでiOS版のみだったものを、新たにAndroid版も用意し、「Android Remote App」として提供開始する。

仕上げは、新たにダーククローム仕上げを用意。独自の製造技術を用いたもので、ヨーロッパではDEVIALETだけが使用しているという。なお、オリジナルのミラー仕上げを選択することもできる。

ダーククローム仕上げの美しさも繰り返し強調した

導入しやすい価格帯のDEVIALET 170/110

DEVIALET 170は、チャンネルあたりの出力を170Wに抑え、またWi-Fiオーディオストリーミング機能「オーディオストリーマー」をオプション提供とすることで、手頃な価格を実現したモデル。入出力端子はDEVIALET 240と同様で、ADHテクノロジーも搭載している。新シャーシやダーククローム仕上げといったDEVIALET 240の特徴も継承している。なお、オーディオストリーマーは168,000円(税込)で販売される見込みだ。

DEVIALET 170の概要

DEVIALET 170

DEVIALET 110はさらに出力を抑え、1チャンネルあたりの出力は110Wとした。ADHコアの採用は上位機と同様ながら、入力端子は一部省略された。シャーシは上位機と同じものを採用している。

DEVIALET 110の概要

DEVIALET 110

D-Premierからのアップグレードも可能

なお発表会では、D-Premierユーザーに対する様々なサービスもアナウンスされた。まず強調されたのは、「D-Premierは将来にわたり、すべてのソフトウェアアップデートを受けられる」という点。今後提供される新機能は旧モデルでもしっかりと使えることをアピールした。

またD-Premierは、DEVIALET 240と組み合わせることで、デュアルモノやマルチアンプシステムとして使用できることも紹介。すでにD-Premierを持っているユーザーは、買い足しによって音質や機能をグレードアップできる。

D-Premierの入力端子部のみをDEVIALET 240相当にアップグレードしたり、内部基板の変更などを含め、完全なDEVIALET 240にアップグレードすることも可能だ。アップグレード価格は発表されていないが、デラフレンテ氏は「最大限努力した価格」で行うことを約束した。

アップグレードの対応時期については、「現在は製造ラインが、新モデルの生産でいっぱいになっており、すぐにはアップグレードを始められない。また物流など様々な準備が必要なので、早ければ今年の10月頃から対応したい」とした。

【問い合わせ先】
(株)ステラ
TEL/03-3958-9333

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