アカペラの多重録音が話題の意欲作

2月20日・21日、松平敬『モノ=ポリ』完成記念座談会をUSTREAMで中継

公開日 2010/02/19 14:08 季刊・オーディオアクセサリー編集部
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バリトン歌手、松平敬氏の多重録音による、ワンマン・アカペラCD『モノ=ポリ』(関連ニュース)(ENZOレコーディングスより2月20日より発売)の、完成記念座談会が2月20日と21日に行われ、その様子がUSTREAMで生中継される。

松平氏本人、プロデューサー&エンジニアである嶋田亮氏のふたりが今回の座談会のパネラー。ゲストパネラーとして20日は若手音楽ライターの長井新之助氏、21日は音楽ライター鈴木淳史氏を迎えて今回のアルバム制作の話題が展開される。


2月20日にCDが発売となるMONO=POLI(発売元:ENZOレコーディングス/販売元:キングインターナショナル EZCD-100006)
本作品は、ソプラノからバスまで最大16声部をひとりでこなし、多重録音をして作成されたもの。同じ人の声の重なりによる倍音の響きが特徴となっている。

松平氏は、シュトックハウゼンに師事し、現代音楽のフィールドで精力的な活動を繰り広げる声楽家、松平敬の気鋭のデビューアルバム。同氏自らがDAW(デスクトップ・オーディオ・ワークステーション)システムを使用してポストプロダクション作業まで手がけた。

楽曲は、800年にわたる歌曲から「カノン」という形式を軸に選曲されており、音楽史上最古のカノンから古典派、ロマン派、近代、そしてリゲティの難曲「ルクス・エテルナ」(映画『2001年宇宙の旅』モノリスの登場する場面で用いられている曲)などの現代音楽までを網羅している。とくに松平氏の歌う「ルクス・エテルナ」の美しさは高い完成度だ。

松平敬氏

プロデューサー兼エンジニアである嶋田亮氏は、故長岡鉄男の記事をきっかけに輸入盤の世界に入り、現在はオフィスENZOを運営している録音家。「長岡先生へのオマージュ的な意味合いを持つ作品であり、山城組、チベットの仏教、太陽風、ブルンジの伝統音楽といった、かつて長岡先生が紹介なさっていたA級ソフトに負けない生々しさを今日的な手法で実現させたものです」と語っている。

嶋田氏は一昨年、金丸葉子『シャコンヌの風景』でヴィオラの四重奏曲を多重録音で仕上げ、オーディオアクセサリー誌の「優秀盤オーディオグレード」にて多くの評論家から絶賛された実績がある。その作品の録音の際に、同じ人間の同じ楽器による演奏を多重録音した際に生じる緊張感や迫力、完成度の高さに気付き、今回の松平氏のアカペラ多重録音の構想をあたためていたという。

20日と21日にUSTREAMで中継される完成記念座談会のURLは以下の通り。
http://www.ustream.tv/channel/mono-poli
両日とも20時から2時間の予定。

生放送が始まるまではここで試聴ファイルが流れている。時間になると生放送に切り替わる。ツイッターユーザーなら、その場でパネラーにツッコミを入れることも可能だ。

モノ=ポリをまだ聴いていない人はネット上ならiTunesで購入できるので、ぜひご一聴いただきたい。

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