A&Vフェスタ2009レポート

<イベント>音でしか撮れない体験を録って残す −「体験!! ライブレコーディング」

2009/02/21 Phile-web編集部
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アフリカンパーカッション・グループと、ジャズサクソフォンアンサンブルのライブが、無料で楽しめ(録音は有料)、しかも、いま流行りのポータブルデジタルレコーダーで、その迫力サウンドを録音できる「体験!! ライブレコーディング」が、5階 小ホールにて22、22日の2日間開催されている。

「体験!! ライブレコーディング」会場のようす。皆熱心に機材をセッティングしていた。女性が意外に多いのも印象的

こちらは、通常のライブ試聴のほか、最近人気を集めているPCM/DSDといったポータブルデジタルレコーダーで2日間4公演、各2時間のセッションを録音できるのが特徴。司会進行を務めるのは音楽プロデューサーであり、自然音録音家であるジョー・奥田氏だ。本日はゲストとして石田善之氏も登場し、おふたりが生録に目覚めたきっかけや、録音のコツなどを語ってくれた。

ジョー・奥田氏

石田善之氏

「オープンリールやテープといったこれまでの録音機材で録った音は、市販のソフトよりも音質が良くなかった。しかしリニアPCMレコーダーは、CDよりも遙かに良い音を録音することができる」と語る奥田氏。氏が生録に目覚めたきっかけは、小学校低学年のとき、近所のお兄さんが持っていた機材を使わせてもらったこと。その機材で録った音を聴いて、衝撃を受けたのだという。石田氏は、オープンリールで「母親が料理をする音」を録ったのがきっかけ。「まな板の上の音を録ったのですが、それまで意識していなかったいろいろな音があることに気づき『こんな発見があるんだ!』と思ったんです」(石田氏)

「写真や映像のように、音でしか撮れないものがあると思うんです」と奥田氏は言う。石田氏も「撮った音を通じて、普段耳で聴いている音を細かいところまで覗くような体験ができるはず」と、生録の魅力をアピールした。

「録音するときは必ずヘッドホンでモニタリングをすること。耳で聴いている音と録れている音は違うことがある」「モニターヘッドホンはつける前にボリュームがゼロになっているか確かめること。いきなりの大音量で耳を傷めないように」「パーカッションは予想以上の音量が出る場合があるので、余裕を持ったレベル設定をすること」といった録音のコツを奥田氏が解説してくれたところで、「アフリカスヌヘルコム」が入場。参加者たちはPCMレコーダーをチェックしながら、リズムが躍動する打楽器とボイスの競演に真剣に向き合っていた。

アフリカスヌヘルコム

世界的パーカッショニスト、ラティール・シー氏

イベントに出席した日本プロフェッショナルオーディオ協議会 理事長の八幡泰彦氏は「起こったできごとを捕らえた報道写真は、人の心を打つものがある。PCMレコーダーも、そのとき自分が居た場所、聴いていたものの違いを残せるもの。このイベントで録ったものを、自分の感じたものを周りの人に伝える手段として欲しい」と語っていた。

日本プロフェッショナルオーディオ協議会 八幡泰彦氏

なお本イベントは、あすも下記のように開催される予定。是非足を運んでみてはいかがだろうか。

●2月22日(日)「サキソフォビア」12時開演(11時開場)/15時開演(14時開場)
サキソフォンカルテットの「サキソフォビア」。緑川英徳(as、ss)、竹内直(bs、bcl、fl)、岡淳(ts、fl)、井上 JUJU博之(bs、ss、fl)の人気プレーヤー4人が繰り出す、迫力のジャズブラス・アンサンブルは滅多に聴くことのできないセッションとなるだろう。これも貴重なオーディオコレクションになるはずだ。

>>詳細はこちら

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