アップル、「iTunes Music Store」を日本でスタート 100万曲を用意し1曲150円から

2005/08/04
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
アップルは本日、音楽配信サービス「iTunes Music Store」を日本でオープンした。

「iTunes Music Store」は、これまでアメリカをはじめとする19カ国でサービスを行っている。iPodの音楽管理ソフトである「iTunes」とシームレスに統合されたユーザーインターフェース、低価格かつ一律の楽曲価格、iPodとのスムーズな連携などが特徴で、全世界で人気を博している。2003年4月のサービス開始以来、すでに5億曲が販売され、1日あたり150万曲が新たにダウンロードされている。

国内の「iTunes Music Store」で提供される楽曲数は約100万曲。楽曲を提供するソフトメーカーはエイベックスなど15社。ソニーミュージックなどは今のところ参加していないが、それでも楽曲数は日本最大級となっている。すべての楽曲が試聴できるのも特徴で、試聴の長さは30秒、品質は販売するものと同じ。

1曲あたりの販売価格は150円と200円の2種類。200円のものは全体の1割程度で、残りは150円で販売される。もちろんアルバム単位での購入も可能。

「iTunes Music Store」のトップページ

ウルフルズはiTunes専用楽曲を用意

ウルフルズやglobeによる「iTunes Music Store」専用の楽曲や、すでに発売されているアルバムのiTunes専用バージョンなども用意される。また、MAROON5のカバーなど未発表曲も網羅したB'zのコンプリートボックスセットも販売している。このボックスセットは18,800円で販売しており、総曲数は341曲なので、1曲あたり55円で購入できる計算になる。そのほかにも、浜崎あゆみの旧アルバムが3〜400円で販売されているなど、かなり安価な商品も目に付く。


ユーザーの権利はかなり先進的な内容だ
購入した楽曲は、5台までのコンピューターにコピーできる。また、無制限にCDやiPodに転送が可能。他の音楽配信サービスに比べ、ユーザーの権限はかなり大きくなっている。

そのほか、RSSを利用した新しいかたちのオンラインラジオ配信「ポッドキャスト」や、落語や小説などの朗読が楽しめる「オーディオブック」、ユーザーが自らのプレイリストを紹介する「iMix」などの機能も用意される。

楽曲購入の決済はクレジットカードで行うが、プリペイドカード「iTunes Music Card」も用意される。2,500円、5,000円、10,000円の3種類があり、アマゾン ジャパン、コジマ、ソフマップ、ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、アップルストアで購入できる。

発表会にはアップルCEOのスティーブ・ジョブズ氏が登場、自らサービスのプレゼンテーションを行った。

アップルCEOのスティーブ・ジョブズ氏

PCとMACの成長スピード

ジョブズ氏はまず、アップルの直販ストアであるアップルストアが全世界で112店舗に達し、国内でも、8月6日にオープンする渋谷店を含めて4店舗が稼働していることを説明。これらの店舗はいずれも好調で、4月に発売したMac OS X Tigerの人気も手伝い、直近ではWindows陣営の2倍のスピードで成長していると語った。

iPodも全世界で高い人気を維持しており、05年度はすでに600万台を出荷。ジョブズ氏は「ほかの人気ハードと比べてみると、PSPが約200万台なので、iPodはPSPの3倍売れたことになる」と好調ぶりをアピールした。

国内のDAPシェア

ジョブズ氏によれば、アメリカでのiPodのシェアは74%と非常に高い水準にあるが、国内では36%で、2位には22%のソニーが猛追している。ジョブズ氏は「日本国内でDAPを現在所有しているユーザーは27%だが、74%のユーザーがこれから欲しいポータブルミュージックプレーヤーにDAPを挙げている。まだ成長の余地がある」とし、今回の「iTunes Music Store」のオープンによりさらなるシェア拡大を狙う。

ポータブル音楽プレーヤーに関する調査結果

「iTunes Music Store」の特徴

「iTunes Music Store」について同氏は「Made For Japanであると同時にMade In Japanでもある」とし、前述したB'zのボックスセットなど、国内向けに用意した特別企画をアピール。自らパワーブックを使ってデモを行い、その使い勝手の良さを強調した。オーディオブックの説明で志ん生の落語や「隠し剣 鬼の爪」を再生したり、楽曲を検索する際には「ストーンズ」とカタカナで入力したりと、プレゼンの各所に用意された小ネタが披露されるたび、会場から歓声が上がった。

プレゼンテーションの最後は、先日のフジロックフェスティバルにも出演したグラミー賞受賞アーティスト、ベックが登場。アコースティックギターを抱えて2曲を披露した。

ベックも熱唱

ベックの登場を事前に知らされていなかった会場は一時騒然となった

さらにジョブズ氏は、サム・クックやアニマルズ、ローリング・ストーンズなど初期のAbkcoカタログタイトルを全世界の「iTunes Music Store」で提供すると発表。これにより、ローリング・ストーンズのほぼすべての楽曲が購入できることになる。また、9月6日に発売予定のストーンズの新アルバム「A Bigger Bang」に、iTunes限定のボーナスビデオを特典として用意したスペシャルバージョンの予約販売も行われる。

(Phile-web編集部)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック