INORANが新AL『Between The World And Me』をオーディオ目線で語る。Acoustuneイヤホンで聴き比べも

●HS1677SS
ステンレスは、チタンほどではないがやはり金属の中でも頑強な素材のひとつ。チタンと比べると比重が重いためか、ややドライな音色になりがちなチタンに対して、「滑らかで密度も感じさせるソリッド感」のような個性も備えている。

さて『Libertine Dreams』『Between The World And Me』との相性は……さすがINORANセレクト！ たしかにこの組み合わせは見事にハマる！

他のモデルと並べて比べてみると特に印象的なのは音のキレ、あるいは収まりの良さ。例えばベースやドラムスのキレや収まりが悪い様子を擬音で表すなら「ドォンゥ」という感じ。小文字部分で表現しているような、膨らみや余韻が目立ってしまう。対してこのモデルは「ドンッ！」と来てほしい音がちゃんと「ドンッ！」と来てビシッと決まってくれる。これが気持ちいい！

音がビシッと明確であるという点は低音側だけではなく中高域、ギターやシンセサイザーなどすべての音に共通。おかげでそれらの音の空間配置の見え方も綺麗だ。「Leap of Faith」のピアノのリバーブ、様々な音やコーラスワークの移動や揺らぎ、それらの美しさが際立つ。

LUNA SEA作品では「MOTHER」「STYLE」といった、徹底的に作り込まれた構築美サウンドとの相性が特によいと思える。バスドラムやベースからギターやシンバルまで、低域から高域までの存在感や音色感が見事にフラットなこのイヤホンは、ギリギリのせめぎ合いで成立しているそのサウンドを、そのギリギリのバランスを崩すことなく届けてくれる。INOペジオの硬質な煌めきも秀逸だ。

●HS1657CU
金管楽器等の素材としてもおなじみのブラス＝真鍮は、チタンが硬く軽い、ステンレスが硬く重いのに対して、軟かく重い部類の金属素材。それに由来するのか、音楽的に好ましく感じられやすい響きを持っている。

まず『Libertine Dreams』『Between The World And Me』を聴くと、それらの音作りのポイントである超低域よりも少し上の低音がドンと広く響き、曲の光景が大柄に描き出される印象。ソリッドでスピード感のあるHS1677SSに対して、こちらの持ち味は厚みや広がりだ。

また高域から超高域にかけてそれこそ金管楽器のように柔らかくほぐれた輝きを備えていることもポイント。終盤「You' re Not Alone」「Leap of Faith」の2曲の女性ボーカルを、このモデルならではの繊細で優しいタッチで描き出してくれる。

LUNA SEA作品では、どの時期の曲を聴いてもJさんのベースのうねり具合が素晴らしく際立つ。REBOOT以降の楽曲でのJさん、真矢さんの低重心ドライブもド迫力。「バンドサウンドの低音」のボリューム感の出し方が巧く、そして旨い。高域側は粒子が柔らかく煌めくような印象で、SUGIZOさんの例えば「gravity」あたりのギターソロの音色との相性が抜群！

●HS1300SS
HS1677SSと同じくステンレス製の音響チャンバーを採用しているが、その音はHS1677SSと同じではない。当然だがイヤホンの音は材質だけで決まるわけではないのだ。

まず『Libertine Dreams』『Between The World And Me』を聴いた印象としては、ここまでに紹介した価格帯が上のモデルと比べると超低域の存在感は薄め。とはいってもそれは比較対象が優秀すぎるからで、一般的なイヤホンとの比較でなら、このモデルの超低域再生能力も十分すぎるほどに高い。高域側の響きや空間表現についても同じくで、価格帯性能比で考えたときの優秀さは突出している。

音の傾向としては、同じくステンレスチャンバーのHS1677SSに近いかと思いきや、そこにHS1697TI的な遊びも加えられているように感じられる。なのでストイックすぎず、どの曲に合う合わないという得手不得手も感じさせない、オールマイティーなイヤホンに仕上がっている。

LUNA SEA作品を聴いてもやはり、どの作品を聴いてもそれぞれの聴きどころを引き出してくれる万能っぷり。どの時期のLUNA SEAも大好き！ どのスタイルのINORANも最高！ 他のメンバーのソロもぜんぶ聴きまくってる！ という素晴らしきDDスレイヴに推したいモデルだ。

（協力：アユート）

（Photo by 君嶋寛慶）

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》Information

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『Between The World And Me』

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【通常盤】
仕様：CD
品番 : KICS-3962 定価：￥3,300（税込）

■ストリーミングライブ
「INORAN - VISION 3 – “Los Cowboys”」Online Ticket

〈配信日時〉
2021年3月20日（土）20:00〜
アーカイブ配信：3月20日(土)配信終了後 〜 3月27日(土)23:59
〈TICKET〉
ONLINE TICKET：￥4,500
ONLINE TICKET with SAVE THE STAGE CREW 1 (サポート1000)：￥5,500
ONLINE TICKET with SAVE THE STAGE CREW 2 (サポート2000)：￥6,500
〈チケット販売期間〉
3月5日（金）18:00 - 3月27日（土）21:00

〈受付URL〉
一般発売：https://eplus.jp/inoran-s/
FC受付：https://eplus.jp/inoran0320-s-fc/

■LIVE INFORMATION
「INORAN 2021 PREMIUM ACOUSTIC LIVE in OSAKA」
4月7日（水）Billboard Live OSAKA
4月8日（木）Billboard Live OSAKA
[1st] 開場15:30 開演16:30
[2nd] 開場18:30 開演19:30
[予約・お問い合わせ] ビルボードライブ大阪 06-6342-7722

[チケット料金]
自由席￥8,500
カジュアル￥8,500（1DRINK付）
※一部1,100円の指定料が発生する席がございます。

「INORAN 2021 PREMIUM ACOUSTIC LIVE in YOKOHAMA」
5月4日（火・祝）Billboard Live YOKOHAMA
5月5日（水・祝）Billboard Live YOKOHAMA

詳細・チケット受付方法は、決定次第お知らせいたします。
http://www.billboard-live.com/