Bestec Audio(ベステックオーディオ)
東京都世田谷区給田3-33-9
TEL:03-3305-5111
受付時間:10時00分 – 17時00分
定休日:土曜日、日曜日、祝日
メディア&エンターテインメントの展示会「Inter BEE」で展示されるオーディオ機器は、主に放送やスタジオ、コンサートなどの設備向け。大音量が出るものや使い勝手がよく性能が安定しているもの、コストパフォーマンスに優れたものが並ぶ。
そんな中に、ホームシアターのカスタムインストールにも打ってつけな、音がいいのに設置しやすく意匠に優れた製品もあるのだ。今回はこうした視点から、Bestec Audio(ベステックオーディオ)、ならびにBeetech(ビーテック)が扱うブランドの注目製品をチョイスして紹介する。
ベステックオーディオは、PAや放送局向けの音響機器の輸入商社。コンサート業界のトップブランドであるフランスのL-Acousticsや、ミキシングコンソールのMIDAS、KLARKTEKNIK、Whirlwind、RAT Standsの各ブランドを取り扱うほか、マイクでおなじみのSENNHEISERやNEUMANN、Luminexの販売代理店でもあり、音の入り口から出口までサポートする。
関連会社には設備向けのBeetech(ビーテック)があり、ブランドとしてはLAB.GRUPPEN、lake、TANNOY(設備向け)、TC Electronic、Turbosound、LaON Technology、CORNERD AUDIO、Renkus-Heinz、RTWを取り扱う。
これら2つの会社はどちらも海外製品を輸入/販売し、導入から運用、保守まで一貫してサポートするのが特長。音場シミュレーションまでまとめて面倒見てくれる。
ブースでもっとも存在感を放っていたのはL-Acoustics。1984年に素粒子物理学の博士号を取得したCristian Heilが設立したフランスのブランド。ライン ソース アレイ(ARCS)により前方から後方までの観客が同じ体験ができる仕組みを開発。やがて3Dモデリングでサウンドパフォーマンスを予測できるソフト「Soundvision」を発表する。
いまはネットワークとDSPを駆使したイマーシブオーディオに発展、あらゆる環境向けにカスタマイズされた空間オーディオを提供しており、クルーザーや豪華客船の「飛鳥クルーズ」にも入っているという。
ホームシアターのカスタムインストールでは、近年スピーカーエンクロージャーをビルトインしてしまうものや、コンパクトなものがトレンドになりつつある。スッキリした建築を好むオーナーが増え、ただ置いただけではなくカスタムインストーラーの腕の見せ所でもあるからだ。
L-Acousticsはこうしたニーズに応えるラインナップを揃えるほか、部屋のサイズや音響特性に合ったスピーカーの配置がシミュレーションできるのもポイント。大規模な屋外コンサートから小さな会議室まで、事前に3Dシミュレーションを行ううえ、基準に適合しないかぎりスピーカーやアンプを含めセットとして販売しないほど、品質に徹底してこだわる。
ビーテックの取り扱いブランドでまず注目は、デンマークの家庭向けスピーカーブランド、CORNERED AUDIOだ。北欧家具の伝統を受け継いだシンプルなデザインが粋で、その名の通り、部屋のコーナーや壁、天井に取り付けても主張しない佇まい。横にも縦にも壁付けできる柔軟性もウリだ。
イマーシブオーディオのためにスピーカーを配置する場合、天井に穴を空けたり、ブラケットアームで壁付け設置したりする手法が取られることが多い。それに対しコーナードオーディオなら、金具に引っ掛けて固定することで、簡単かつ美しく壁掛けできる。
サウンドも、特許取得の独自の三角形のエンクロージャーにハイエンドオーディオ同様のドームトゥイーターを採用するなど、70年にわたる音響工学の成果が遺憾なく盛り込まれている。
また、同様のエンクロージャーを持つスピーカーと設備向けアンプを擁するBLAZE BY SONANCEも扱う。こちらもデンマークのブランドで、DSP搭載アンプを使ってEQなどの細かい設定がスマートフォンなどから行える。こちらもCORNERED AUDIO同様、部屋のコーナーに縦付けできるので、イマーシブオーディオにももってこいだ。
カスタムインストーラーは、一般家庭の居室の大画面&イマーシブ音響で構成されるホームシアターのみならず、いい音を求める店舗や施設のサウンドデザインを担うことも多い。逆にこうしたアイテムは、もちろん一般家庭にも応用できるため、イマーシブオーディオや家庭内BGMの最先端アイテムとして注視していくべきだろう。