4K UHD BD『ウィキッド ふたりの魔女』、全編色彩の洪水! ファミリーで楽しめる必備のソフト
4K Ultra HD Blu-rayの注目タイトルをプロの評論家が画質と音質の評価チャート付きで紹介する連載企画。今回は、現在発売中の『ウィキッド ふたりの魔女』。画質と音質の見どころを、大橋伸太郎氏が自宅のホームシアターで徹底的にチェックした。
『ウィキッド ふたりの魔女』
STORY
シズ大学の新入生エルファバは生まれつき緑色の肌にコンプレックスを抱えるネクラな娘だが、魔法学部長マダム・モリブルは彼女の才能を見逃さなかった。ルームメイトが人気者のガリンダ。対照的な2人は反発し合うが、次第に互いを認め合い親友になる。モリブルの推薦でエメラルドシティへの招待状がエルファバに届く。彼女はガリンダ改めグリンダを伴い、魔法の国の首都へ旅立つが…。
ヒットミュージカルの豪華な映画版。映像は色彩と立体感に優れる
テクニカラー最初期の名作『オズの魔法使』にリスペクトを込め、全編色彩の洪水。精細感も秀逸で、俳優が画面から浮き上がる立体感がある。全編スタジオセットの『オズ〜』に見劣りしないように、CG依存を避け大掛かりなオープンセットを組み、900万株のチューリップを植え、CH9図書館の群舞シーンのトルネードホイールやCH13エメラルドシティ行列車の実物大セットが迫力を生む。
ヒットミュージカルの満を持しての映画化である。リリックなソプラノヴォイスの美しいアリアナ・グランデとドラマティックな歌唱力のシンシア・エリヴォのデュエットCH6/18はスピーカーシステムの帯域レスポンスとフラットバランスの試金石。CH17/18/19追跡を逃れ飛立つアクションシーンでDolby Atmosの空間オーディオが全開に。
2部構成の前編(後編は2026年3月公開)。マイノリティ差別やルッキズムへの問題定義の社会性もにじませる。ファミリーで楽しめる全てのホームシアター必備のソフトだが、難点は子どもには長すぎる(160分!)ことだ
SPEC
●製作:2024年/米 ●ジャンル:洋画ミュージカル ●監督:ジョン・M・チュウ ●出演:シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ ●本編ディスク:約160分、スコープ、Dolby Vision ●本編音声:英語Dolby Atmos、日本語Dolby Digital 5.1ch ●字幕:日本語、バリアフリー英語 ●特典:未公開シーン&ロング・バージョン、「ウィキッド ふたりの魔女」メイキング、シズへようこそ、受け継がれる「ウィキッド」ほか































