公開日 2012/01/16 19:03

<CES>日韓メーカーが提案する「スマート」を検証する

折原一也のCESレポート(3)
2012年のCESの大きなテーマの一つに「スマート」があった。昨年までは「スマートTV」としてテレビを中心としたトレンドとして語られてきたが、今年は対象となるハードウェアの比重が、薄型テレビからタブレットに移った感がある。CES2012で見た「スマート」全体の動向を語っていきたい。


「Smart」の文字が会場中で見られた今年のCES

■「スマートTV」プラットフォームが出揃い、普及の時代へ

今年のCESの展示では、「スマートTV」はブース面積で見ると最もホットな話題の一つではあるものの、昨年ほど大きな話題を集めてはいなかった。パナソニックの「VIERA Connect」やサムスンの「Smart Hub」など主要なサービスは昨年ローンチ済みであり、アプリ、VOD対応、タブレット連携といったスマートTVを構成する各要素は、各社ともに揃い始めているためだ。

日本でもお馴染みの「VIERA Connect」。北米でも大きなスペースを割いて展示していた

ネットワーク機能の操作に適した「スマートタッチパッド」というVIERAの新リモコン

CES会場で見て興味深かったのは、パナソニック、ソニー、東芝、サムスン、LGなどの他にハイセンス、COBYといった中堅メーカーも「スマートTV」機能をアピールしていたことだ。

LGはマウスポインタ風に操作できる「Magic Stick」をアピール

中国のテレビ最大手「ハイセンス」によるスマートTVのデモ

これは映像配信事業者であるVUDUが、「VUDU Apps」という、薄型TVのスマート化を実現する共通プラットフォームを提供しているため。日本メーカーではシャープが同プラットフォームを採用している。パナソニック、ソニー、サムスン、LGといった大手は自社開発のプラットフォーム、中小はVUDUを採用したことで、ほとんどすべてのメーカーでスマートTVが実現されたわけだ。

提供されているVODサービスは大手と遜色ないラインナップ

タブレットからのコントロールにも対応する

プラットフォームがひと通りできたので、あとは開発者への支援をしながらアプリを拡充させるという、スマートフォンのような環境ができつつある。こうしたスマートTVへの流れはサムスン、LGが大々的に推進しているほか、前述したVUDU Appsによるプラットフォーム化もある。メーカー提供によるサービス中心でアプリ数も増えない日本メーカーは、流れに取り残されている感が拭えない。

ちなみに、今年のCESでもGoogle TVがソニー、LGのブースに出展されており、今年も新製品が登場するとのことだが、アピールする内容は、ネット検索などスタンダードな機能にとどまっていた。

ソニーよるGoogle TVのデモ

ソニーGoogle TVの新型キーボード

スマートフォン/タブレット向けのAndroidをベースにし、Googleアカウントでひもづけることでスマホ/タブレットとの高度な連携が可能なGoogle TVが、今後テレビでも有力なプレーヤーになる可能性はあるが、現状では、足掛かりとなる自社ハードウェアが無いことで後塵を拝している感が強い。

LGによるGoogleTVのデモ

次ページタブレット連携は東芝の取り組みに注目

1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX