公開日 2021/02/24 06:40

ソニー究極のAVスマホ「Xperia PRO」はデジタル一眼“α”との連携で何ができる?

<山本敦のAV進化論 第199回>
山本敦
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Xperia PROをデジタルカメラの外付けモニターとして使う

Xperia PROをα7S IIIに接続してみる。今回はSmallRigが発売するα7S III対応のケージとカメラシューに装着可能なアーム、Xperiaをカメラに取り付けて固定するためのManfrottoのクランプを揃えてリグを組んでみた。HDMIケーブルはエレコムの4K/60p映像信号の伝送にも対応する「TB-HD14EU20BK」を使った。コネクタは片側が標準サイズ、もう片側がマイクロHDMIだ。

α7S IIIにケージを装着し、アームとクランプを使ってXperia PROを固定する

それぞれの機器を4K/60p信号の伝送に対応するHDMIケーブルで接続した

スマホとカメラをつないだら、ソニーモバイル純正の「外部モニター」アプリを起動すると、カメラのリアモニターと同じ映像がXperia PROのディスプレイにも表示される。α7S IIIの場合、カメラのセットアップに入って「外部出力」から「HDMI情報表示」を「なし」にするとXperia PROの側が全画面表示になる。

外部モニターアプリを起動して、αで撮影した画像をXperia PROに表示

カメラのHDMI情報表示の設定を変えるとXperia PROが全画面表示になる

プレビュー画面のピンチイン・アウトズーム機能はカメラのフォーカス合わせの精度向上にもつながる便利な機能だ。プレビュー画面の左上にはXperia PROに入力されている映像信号のステータスが表示される。初期状態では解像度が4K、フレームレートは60pに選択されていながら、色空間の表示はBT.709になっていた。このままではカメラとXperia PROのディスプレイの実力がフルに発揮できていない状態だ。

Xperia PROのモニターアプリ側の色空間設定は「オート」になっているので問題はないはず。そこでα7S IIIの設定を確かめたところ、HLG方式によるHDR撮影の設定例がプリセットされているピクチャープロファイル「PP10」を選択すると、外部モニターアプリの色域表示もBT.2020 HLGに切り替わり、明るく精細感のあるプレビューが映った。

デジタルカメラの設定からピクチャープロファイル「PP10」を選ぶと外部モニターの表示もBT.2020 HLGに切り替わった

HDMIケーブルで接続されているカメラとXperiaが互いにつながっている機器の制御信号を自動的にやり取りするHDMI CEC的な使い方には対応していないようだ。主にデジタルカメラ側の設定を熟知したうえでXperia PROの機能を使いこなす必要がある。さすが名前にプロを冠するだけのことはある、映像クリエイター向けのスマホだ。

画面のピンチインズーム表示に対応する

約6.5インチの4K/HDR対応有機ELモニターとしてのパフォーマンスは秀逸だ。Xperia PROのディスプレイは出荷時の画質設定がソニーの業務用リファレンスモニターの映像をベンチマークにして画質を追い込んだ「クリエイターモード」(クリエイターモードの開発者インタビュー)になっている。

カラーバランスはとても素直でばらつきがなく、被写体の金属部分のキラリと瞬くような明部のピークも伸びやかさが再現できている。まさしく目で見た実際の被写体に近い映像がXperia PROのモニター上に再現されている。

Xperiaのモニターアプリには、画面上にグリッドラインやフレームアスペクトのガイドラインを表示する機能がある。撮影の前後に渡って重宝しそうだ

なお、「外部モニター」アプリはHDMI経由による音声入力には対応していない。Xperia PROは映像信号のみを受ける外部モニターとして機能する。撮影中、または撮影後カメラに記録される動画の音声モニタリングはカメラにヘッドホンやイヤホンをつないで聞く形になる。

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