公開日 2017/07/07 14:05

【製品批評】PS Audio「DirectStream Memory Player」 ー 独自の“デジタルレンズ”技術採用のSACDトラポ

ディスク情報をメモリーにバッファーして再生
製品批評


マルチch対応SACD/CDトランスポート
PS Audio
DirectStream Memory Player
¥750,000(税抜)



デジタルオーディオの先端を突っ走るPS Audioの新型ディスクトランスポート「DirectStream Memory Player」(以下DMP)。前モデルの「PerfectWaveTransport」がCDのみの対応だったのに対して、DMPはSACD、FLACファイルなどを記録したデータディスク、USBメモリーからの再生にも対応する。

本機は、ディスクのデジタル信号をいったん読み取って内蔵のメモリーへバッファーしてから出力するため、ディスクトレーに高剛性や精密なメカニズムを求められることがない。故に舶来機ながら、百万円を大幅に切るプライスタグがつけられていると見ていいだろう。

DMPの内部

ジッターを低減させる同社独自のDigital Lens(デジタルレンズ)技術を採用。これはデジタル回路に組み込まれたFPGAで処理されるもので、リクロック処理を行ってデジタルデータの精度を上げるほか、光学ドライブがレーザーを照射して読み取った信号のジッターを抑制した上で伝送するなどの機能をあわせ持つ。

SACD再生には同社のDAコンバーター「DirectStreamDAC」(以下DS DAC)を使用するのが原則。このDS DACにもFPGAが搭載されていて、これが入力信号を全て28MHzにアップコンバートして処理する。

DS DACには音量調整機能があるのでパワーアンプに直結。シンプルな接続で聴いた。まずはCDを聴いたのだが、基本的には高精細で透明度の高い音である。しかしながらエネルギーバランスがピラミッド型であるからか、実体感というか重量感というか、ともかくデジタル的な儚さを感じさせないサムシングがあるのだ。音楽的には楽曲・演奏に不介入だが、アナログ的なサムシングが何らかの影響を与える可能性は否定できない。

DMPのリアパネル

メディアをSACDにチェンジ。古いジャズの名盤をシングルレイヤーSACD化したものを聴いたのだが、CDとは明らかに異なる音である。CDでは一種の古めかしさが感じられたのに対して、SACDは国産の最高級フォノカートリッジにも似た清明で滑らかな聴き味が支配的だ。これほどCDとSACDの音が異なるシステムも珍しい。クラシックのSACDも聴いてみたのだが、国産のSACD対応機にはほとんどみられない堂々たる表現を楽しむことができた。

本機のフロントパネルにはUSB(A端子)が用意されており、USBメモリを装着すると音楽ファイルを再生することができる。持参のメモリーを挿してみたのだが、ディスクとはひと味違った簡潔な表現を聴くことができた。

DMPは、コアなファンにお薦めしたい、時代の最先端を行くユニークなSACD対応トランスポートである。

(石原 俊)

Specifications
●デジタル音声出力:I2S(HDMI端子)×3(Front、Rear、Center/Sub)、S/PDIF(RCA同軸端子)×3(Front、Rear、Center/Sub)、AES/EBU(XLR端子)×1(Front) ●対応ディスク:CD、CD-R/RW、HDCD、SACD、DVD-R/RW(データディスク) ●USB端子:USBメモリ用 ●再生対応フォーマット:AAC、FLAC、OGG、ALAC、M4A、OGM、AVI、M4V、WAV、DFF、MP3、MWA、DSF、MP4 ●出力:<I2S>44.kHz〜192kHz(PCM)、2.8MHz(DSD)<RCA同軸>44.1kHz〜192kHz(PCM)、2.8MHz(DSD over PCM)、<AES/EBU>44.1kHz〜192kHz(PCM)、2.8MHz(DSD over PCM) ●電源電圧:100V(±10%) ●外形寸法:435W×95H×335Dmm ●質量:11.5kg ●取り扱い:完実電気(株)

※本記事は「季刊オーディオアクセサリー」164号所収記事の一部を抜粋したものです。くわしいレビューは雑誌でご覧頂けます。購入はこちらから

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