公開日 2017/04/18 12:00

ボーズの新たな提案 − 360度サウンドのBluetoothスピーカー「SoundLink Revolve」速攻レビュー

【特別企画】部屋の中からアウトドアまで


使いこなしと音質を検証、様々なシーンで活用できる

機器のペアリングはBose Connectアプリを使うと簡単だ。Bluetoothをオンにしたまま待機すると、アプリの画面にSoundLink Revolveのイメージが表示される。画面の指示にしたがってイメージを下に向かって引っ張るようにドラッグして、少し待つとペアリングが自動的に完了する。NFCによるワンタッチペアリングも使える。もちろん設定からSoundLink Revolveを選択する一般的な方法でも難なくペアリングできる。

Bose Connectアプリに対応しており、ペアリングも簡単

自動オフタイマーなど各種設定をアプリから行える

筆者自宅の12畳前後のリビングにスピーカーを置いて実力を確かめた。はじめはテレビラックの上、立ち上がった時に腰よりも低い位置にスピーカーを置いて鳴らしてみたが、キッチンのカウンターや出窓のスペースなど胸元近い高さに置き場所を変えてみたところ、サウンドの重心が下がってさらに安定感が増した。

ある程度の高さにスピーカーの位置を持ってくることができればベターだが、適度な高さの家具がない場合はスピーカースタンドを導入してもいいと思う。本機の底面にはスクリュー穴もあるので、ボーズのプロフェッショナル向けスピーカーの銘機「101MM」のようにコンパクトな三脚に立てても様になるかもしれない。

本体底面部には、汎用タイプの三脚などと組み合わせが可能なスクリュー穴を備える

リビングのテーブルのど真ん中など、オープンなスペースに置いても音が伸びやかに広がってとても良いが、部屋のコーナーの壁際から20cm程度離れた位置に置いてみると、中低音がよりいっそうタイトに引き締まった。

MISIAのアルバム『星のライヴ SONG BOOK HISTORY OF HOSHIZORA LIVE』から「Everything」では、透き通ったボーカルのビブラートやブレスが鮮明に浮かび上がる。ピアノやドラムスは高域の音色にキツさがなく、ふわっとしたやわらかな余韻が空間に満たされる。広帯域でバランスがとても良い。

低音は量感を強調するタイプではなく、音を速く遠くに飛ばすスピード感を重視しているように感じられた。解像感も高く、ホールの空気感まで細やかに捉えたライブ音源との相性は格別だった。

置く場所や向きの制限が少ないため、様々な場所で音楽再生を楽しめる

なお筆者は自宅のリビングで仕事をするとき、ボーズの「SoundTouch 10(関連レビュー)」を使っている。厚みのある中低域とアタック感の充実した鳴りっぷりが気にいっているのだが、SoundTouch 10のストレートにぶつかってくるようなサウンドに対して、SoundLink Revolveの持ち味である豊かな広がり感は、SpotifyやAWAなどの配信サービスでBGM的に音楽を楽しみたいとき、よりフィットするように感じられた。

もし手もとにSoundLink Revolveが2台あれば、互いを連携させて「ステレオモード」と「パーティーモード」というマルチスピーカーリスニング機能が使えるようになる。操作はBose Connectアプリはもちろん、本体からもシンプルに行える。本体の電源を入れてすぐに、スピーカーの天面にあるBluetoothボタンと音量の「+」のボタンを同時に長押しする。音声ガイドに従いながら、続いてもう1台のスピーカーの電源を投入し、こちら側は電源ボタンとBluetoothの「-」ボタンを長押し。しばらくするとマルチスピーカーの連携設定が完了したことを音声ガイドが知らせてくれる。

「パーティーモード」と「ステレオモード」は、天面のボタン操作から設定が可能。Bluetoothボタンと+/−ボタンの同時押しで行う

Bose Connectアプリからもパーティーモードやステレオモードの設定が可能

「パーティーモード」は2台のSoundLink Revolveで同じ音楽ソースを鳴らすための機能。筆者の自宅はそれほど広くないマンションだが、リビングで聴いている音楽をキッチンでもシェアできる環境をセットアップすると、手もとで炊事をしているときにも近くから躍動感あふれる音楽が聴こえてきて心地よかった。

「ステレオモード」は、先にペアリングしたスピーカーを右チャンネル、後からペアリングした1台を左チャンネルに設定してステレオリスニングを楽しむためのモードだ。もともとの特徴であるワイドな音場感に加えて、音像の定位がより鮮明になって、重心が下がる。トッド・ラングレンのライブアルバム『An Evening with Todd Rundgren』のトラックから、骨太なロックサウンドを引き出してくれた。

ステレオモードでは、Bluetoothボタンと+ボタンの同時押しで設定した方が右チャンネル、あとに設定した方が左チャンネルとなる

さらに、ポータビリティに優れるSoundLink Revolveは、アウトドアユースでも活躍する。コンパクトな360度スピーカーというメリットは、置き場所が限定される屋外でのバーベキューやキャンプ、スポーツなど多くのシーンに適したものだ。

持ち運べるサイズ感と、360度に広がるサウンドはアウトドアでも使いやすい

近くの公園で試聴してみたが、本機の持ち味である音の広がり感は屋外環境でもいかんなく発揮される。濁りのないクリアな音楽に包まれながら溶け合うような気持ちの良いリスニング感だ。音の力強さについても申し分がなく、ある程度ボリュームを上げただけでもロックの力強いビートやジャズのウッドベースが刻むしなやかなリズムの質感を正確、かつストレートに伝えてくれる。

可能であればテーブルの上などに置くことで、よりいっそう引き締まった中低域が楽しめる。本体は防滴仕様なので、不意に天候が崩れた時も安心だ。本機が1台あれば、音楽が楽しい時間をさらに盛り上げてくれるだろう。

テーブルの上など、ある程度の高さと硬さを持つ場所に置くことで、さらに音質がアップ

スピーカーの背面には3.5mmの外部入力端子を搭載したほか、USBオーディオ入力にも対応している。薄型テレビの音を肉付けするスピーカーとして使ってもいいし、あるいはPCと組み合わせたデスクトップリスニング用のスピーカーとして、音楽やVODコンテンツの観賞などに大活躍してくれるだろう。楽しみ方のアイデアが広がるスピーカーだ。

(特別企画 協力:ボーズ)

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