公開日 2016/08/31 12:22

Q&A形式で解説!今注目の音楽再生ソフト「Roon」にまつわる“16のギモン”

今までの再生ソフトと何がちがう? 何ができる?
佐々木 喜洋
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Q10、Roonは必ずパソコンが必要なの?

Roonは基本的にはパソコンを使います。ただしパソコン以外でも、Raspberry Pi(ラズベリーパイ)やNASなど様々な形態のコンピューターにインストールすることができます。またディスプレイのないオーディオ専用PCなどにインストールすることもでき、その場合はタブレットを使って操作をすることになります。

Roonが、RoonServerを運用できるNASとして推奨するQNAP「TVS-471」

NASにおいては、RoonServerという形態でインストールすることが可能です。NASの場合にはQNAP TVS-471(Intel Core i3 または i5、メモリ 4GB RAM)などが推奨されています。

また、このTVS-471(4ベイ)の構成として、120GBのSSDにRoon本体とデータベースをインストールし、6TB×2のドライブをミラーリング(RAID1)してメインの楽曲格納に使い、さらに6TBのドライブを週1のバックアップ用に使うという方法が推奨されています。詳しくはこちらのリンクでも紹介されています(英文)。


Q11、Roonの使いやすさは?

Roonは他のPCオーディオ用ソフトウェアと比べて、操作性という意味では使いやすいのですが、単にそれだけではありません。

Roonの開発者たちは、Roonの開発の目標として「ユーザーエクスペリエンス(操作体験)」という言葉を重視しました。

これはつまり画面が見やすいとか、メニューが洗練されていると言うだけではなく、反応時間が短いとか、システムを切り替えても落ちにくいなどの総合的なユーザー体験を意味します。タブレットでも一貫した操作ができることにも注目してください。

アーティストページの一例(スクロール表示を、わかりやすく繋げて示した)。バイオグラフィー、メンバー、最新のライブ情報、メインアルバム、メンバーの参加した作品、シングル作品、傾向の似たアーティストのレコメンドまで、豊富な情報が表示。また、一覧表示される音源はローカルはもちろんTIDALも対象になっている

また使っていて楽しいという点にも配慮がなされています。たとえば豊富なアーティスト情報や楽曲間のリンクなどで、単にその曲を聴くだけではなく、音楽の世界を深めていくこともできます。単に使いやすいと言うだけではない、こうした操作体験の豊かさがRoonの魅力の1つだと言えます。


Q12、Roonはストリーミングに対応しているの?

Roonは、ロスレスのストリーミングサービスであるTIDALに対応しています。現状では、Roon上で聴くことのできるサービスはTIDALだけとなります。

TIDAL専用のページも用意。ライブラリに追加したTIDALの音源は、ローカルの音源と並列に表示され、横断的に管理できる

TIDALに登録されたアルバムは、ローカルライブラリの音源と同様に扱うことができ、基本的に44.1kHz/16bitでの配信ということもあって音質にも優れています。また、TIDALの音源についてはシンボルを表示させることができます。

TIDALがRoonの統一されたユーザーエクスペリエンスのもとで、ローカル音源と同様かつ並列に扱えるのは大きな魅力です。ただし日本では、TIDALはまだ正式にサービスインしていない点に注意してください。


Q13、RoonはDSDやMQAには対応しているの?

RoonはDSDのネイティブ再生に対応しています。またRoonをネットワークにシステム拡張したときにも、DSD再生が可能です(再生機器が対応している必要があります)。

MQAについては、MQA音源の認識はできます。この場合は画面上にMQA形式と表示がなされます。またMQA対応機器に出力して再生することもできます。しかし、Roon本体でMQA拡張部分の再生はできません。つまりMQA非対応機器に出力する場合には、あくまでCD品質となります。

MQA音源を再生しているところ

MQAの拡張部分をハイレゾとして再生するためには、MQAデコーダーというソフトウェアが必要です。これはMQA対応DACには内蔵されていますが、Roonでは用意されていません。これは技術的な問題ではなくMQA側のポリシーによるものなので、Roon以外でもいまのところMQAをデコードして再生できるソフトウェアはありません。将来的にどうなるかについてはいまのところ不明です。

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