公開日 2016/03/07 10:00

「 20万円以下では圧倒的な駆動力」。パイオニアのプリメイン「A-70A」を岩井喬がレビュー

“フルバランス” が引き出すクラスDアンプの真価
クラスDアンプ&フルバランス構成で更なる進化を遂げた「A-70A」

パイオニアが手掛けるピュアオーディオ系のプリメインアンプとしては、久々の10万円オーバークラスとなるモデルとして2012年に登場した「A-70」。同社のAVアンプで磨きをかけたクラスDアンプを2ch仕様に落とし込むとともに、192kHz/32bit対応USB-DACを内蔵する物量投入モデルであり、非常にC/Pも高く、改めてピュアオーディオにかけるパイオニアの並々ならぬ意気込みの強さを感じ取れるものであった。

そして2015年、「A-70」の後継機として「A-70A」「A-70DA」が誕生した。前モデルから大きく変わったのが、クラスDアンプを積む出力段の直前までフルバランス構成を取り入れたことだ。

フルバランス構成を取り入れたクラスDアンプ「A-70A」

USB-DACを含む機能面も踏まえた進化という点では、11.2MHz・DSD入力にも対応したA-70DAが純粋なグレードアップ機となるが、アナログ入力しか持たないシンプルな構成の「A-70A」も用意された。こちらは、バランス出力搭載USB-DAC「U-05」やネットワークプレーヤー「N-70A」等とXLRバランス接続することで、更なるステップアップを図れることがポイントとなる。これ以上デジタル入力が加わる必要性がないと考える方にとって、A-70Aは最良の選択肢だ。


パイオニアがクラスDアンプを
ピュアオーディオコンポに採用する理由とは?


フルサイズコンポのプリメインアンプにおいて、クラスDアンプを採用したモデルはあまり多くはない。特に、アナログ入力しか持たないモデルで採用しているという点で、A-70Aはかなり異色の存在といえるかもしれない。

クラスDアンプながらアナログ入力に特化した理由は、パイオニアがブラッシュアップを重ねて着実に積み上げてきた技術の蓄積にある。だからこそ今このタイミングで、これまでに培った技術を生かし、2ch環境でも十分アナログアンプと渡り合えるクオリティを持つピュアオーディオ用クラスDアンプを世に送り出したのだといえるだろう。その可能性を愚直なまでに追い求めてきたパイオニアのスピリットが、このクラスDアンプには凝縮されているのである。

パイオニアはフラグシップAVアンプや2chアンプでサウンドを磨き上げてきた実績を持つ。クラスDアンプの性能を引き出すノウハウを蓄積している


クラスDアンプのメリットを最大限味わえるのは
「単体DAC+A-70A」の組み合わせ


クラスDアンプはデジタル入力と親和性が高く、DAC内蔵機はデジタル信号のままアンプまで回路設計できるシグナルショートパスのメリットもある。しかし、今回の「A-70A」のようにバランス入力を持つアナログ・プリ段を作り込んだ設計であれば、DAC内蔵機の持つ純度の高いダイレクト感よりも、アナログ出力に贅を尽くしたDAC単体機とのバランス接続の方が音色的にも良い影響を与えるケースが起こり得るだろう。

DAC内蔵機ではスペースの制約も当然あり、DAC段へのこだわりにも限界がある、応答性に優れるクラスDアンプによってその限界さえも明確に描き出してしまう。ゆえに最もクラスD方式の持つメリットを一層味わえるモデルは、USB-DACさえも省いた、バランス対応アナログ入力のみを持つ「A-70A」なのである。

今回はこのA-70Aにスポットを当て、前モデルA-70との比較を通して進化したサウンドについて検証してゆく。



次ページ 「A-70」と「A-70A」の違いを整理

1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ソニー「Xperia 10 VIII」、直販9.9万円で10月8日発売。「鬼滅の刃」などへの着せ替え新機能も
2 20万円以下!最新プリメインアンプ4機種一斉試聴。Cambridge Audio/ARCAM/マランツ/ソウルノート
3 レグザ、評論家・本田雅一氏宅への100V型RGB Mini LEDテレビ搬入に密着ロケ。第3回は大型クレーンが登場
4 劇場版『ボトムス』も無料テレビ初放送。『攻殻機動隊』などBS12「日曜アニメ劇場」11月作品
5 ソニー、スマホを“推し仕様”に変える新サービス「Fan Sync」。第1弾は『鬼滅の刃』とハローキティ
6 テクニクス、フリッツ・ハンセンとコラボしたダイレクトターンテーブル「SL-40CBTFH」。全世界300台限定
7 4K UHD BD『八つ墓村』、主演ショーケン、金田一は渥美清。昭和の名優が並び立つ傑作が4Kで復活
8 BS民放5社の4K無料配信サービスがスタート。「“知る”“観る”の先にある“体験”ができる!」内藤剛志が4Kの魅力を熱弁
9 audiolab、フラグシップ “9000シリーズ” にCDトランスポート「9000CDT」。音楽ファイル再生にも対応
10 新潟のオーディオ文化を盛り上げる!評論家と専門店による選りすぐりのシステムが集結、「新潟ショウ」を徹底レポート
10/2 10:28 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー 202号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.202
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
ケーブル大全2026
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.34 2026 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.34(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • AEX
  • AA AWARD
  • analog Grand Prix