公開日 2014/08/22 16:10

本当はかんたんなAVアンプのセットアップ ー デノン「AVR-X2100W/1100W」で検証

使い勝手やセットアップの流れを山本敦が検証
■自動音場補正の強い味方「マイクスタンド」が付属した

アンプとスピーカーの接続が終わったら、次にリスニングルームの特性に合わせて音場を最適化するためのステップへと進む。デノンのX2100W/X1100Wには「Audyssey MultEQ XT」による自動音場補正機能が搭載されている。

AVR-X2100Wの音場補正画面。グラフィックもさらに洗練された

AVR-X1100Wの音場補正画面。上位機に比べてグラフィックやフォントが簡素化されているが、機能はほぼ同一だ

自動音場補正とは、スピーカーやリスニングルームの特性を測定して、ユーザーのリスニングポイントで最良のリスニングコンディションを設定するための機能だ。両モデルに採用されている「Audyssey MultEQ XT」も自動音場補正機能では、特に低域の改善と不要残響の低減が図れる。およそ15分ほどの自動プログラムを走らせることで、理想的なリスニング環境が簡単にセットアップできる。

まずは本体に同梱されている専用マイクをフロントパネルの端子に接続して、測定に進む。X2100W/X1100Wの世代からは、このマイクを置くためのペーパークラフトのマイクスタンドが新たに同梱された。ユーザーのリスニングポイントを最適化するためには、マイクの位置をユーザーが音を聴く時の耳の高さに合わせてから調整する必要がある。小さなマイクを、ソファなどに腰掛けた人の耳の高さまで持ってくるために、従来はカメラ用の三脚を使ったりあの手この手を使う必要があったが、そもそもアンプにマイクスタンドが同梱されてくるならこれほど使い勝手の良いアイテムはない。

紙製マイクスタンドを組み立ててみる。あっという間に完了だ

マイクスタンドを使って音場補正。手軽なだけでなく、より正確な補正も可能となる

紙製のマイクスタンドは数点のパーツを組み立てるだけで瞬く間に完成。トップの位置にマイクをカチッとはめ込んでしっかりと固定する。スタンドの高さが伸縮するので、ユーザーの耳の高さぴったりの位置にマイクを持ってくることができる。

補正が終わると、測定した距離など結果が画面に表示される

自動音場補正のトータルの測定時間は約15分。マイクの設置場所を少しずつ変えながら最低3箇所以上で測定を行えば補正が行えるが、最大で8か所の測定データを解析すれば、さらに高精度な音場補正ができてサウンドの定位感が高まり、音場感にも奥行きが増してくるはずだ。

結線と音場補正が完了した5.1chシステム

■Wi-FiやBluetoothなど便利な音楽再生機能

続いてセットアップアシスタントは本体のネットワーク設定へと進む。自宅のWi-Fiルーターに接続する場合は、画面上に表示されるアクセスポイントを選択してパスワードを入力する。無線の接続設定はWPS(Wi-Fi Protected Setup)でも行えるので対応ルーターと組み合わせればより簡単だ。本体には2本のロッドアンテナが付いていて、ダイバーシティアンテナの機能による高い通信の安定性も確保した。もちろんLANケーブルによる有線接続にも対応している。アシスタントに従ってスピーカーからインターネットラジオのストリーミングが聞こえたら接続は成功だ。

面倒なイメージのあるWi-Fi設定も、GUIが丁寧に方法を説明してくれる。iPhoneを使った手軽なセットアップにも対応

次のページでは、AVアンプをスマートフォンやタブレットから操作するための、デノンのオリジナルの操作アプリについて見ていこう。

次ページ■AVアンプをスマホやタブレットから操作できるアプリ

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