公開日 2014/05/29 11:00

【レビュー】本日発売!5,000円のSHUREイヤホン「SE112」の実力をチェック

「SE215」との比較もアリ
SHUREのイヤホンラインナップに、その裾野を大きく広げるエントリーモデルが追加される。実売5,000円程度と予想される「SE112」だ。


「SE112」(実売5,000円前後)。VGP2014 SUMMER「インナーイヤー型ヘッドホン(5000円未満)」部門で金賞を受賞するなど、その実力は高く評価されている
ドライバーは「ダイナミック型MicroDriver」を搭載。同じくダイナミックドライバー搭載モデルである「SE215」のそれと全く同じものではないが、技術や音作りの方向性は共通しているという。

ハウジング部およびドライバーの構成。(B)部が断線防止アッセンブリーとなる。(C)部はドライバーを衝撃から保護するショック体制リング。(D)部がMicroDriver。(E)部はアコースティックシール。

装着性の面には特に大きなポイントがある。本機はケーブルを耳の上に回す「シュア掛け」を基本にしつつ、上下を逆にしてケーブルをそのまま下に垂らす装着方法も可能なのだ。ノズルの角度設定が絶妙で、どちらの装着方法でも違和感がない。ケーブルのタッチノイズを低減したい場面では前者、さっと着け外ししたい場面では後者と使い分けられる。

SE215(右)とはハウジングの形状が大きく異なる。容積も違うため、低音の聞こえ方などに違いが出てくる

SE215(右)との比較。ノズル角度が違うことが分かる。


最適化されたノズル角度により、「SHUREがけ」(写真左)はもちろん、通常のイヤホンのように装着することも可能になった。
ケーブルといえば、本機は他の現行SEシリーズとは異なり、着脱式ではなく直付け。ここは単にコスト等の問題だろう。一方でプラグ部分は、超ハイエンド機「SE846」とも同じものに見える。ケーブル交換をできない本機では特に気になる、断線しやすいその部分の耐久性を期待できそうだ。

ケーブルは着脱非対応。

しかしプラグ部は超ハイエンド機「SE846」とも同じものに見える。この部分の断線はしづらそう。

イヤーピースはシリコン製のソフト・フレックス・イヤパッドのみの付属だが、それでも総合的・実質的な遮音性はこの価格帯でトップ級。屋外ではまずは遮音性が確保されていないことには音質も何もあったもんじゃないという部分もあるわけだが、そこは万全だ。

なお保証はできないが僕が試した範囲では、イヤーピースは他のSEシリーズと互換性あり。ソフト・フォーム・イヤパッドを装着して遮音性をさらに高めることもできた。

気になるその音質は?

音質傾向は、「SE215」と共通する要素を持っている。「SE215」の厚みのある低音とウォームな感触に対して、こちらはもう少しすっきりとした音像と空間表現、スピード感といった要素が強まる。

例えばDaft Punk「Get Lucky」は、「SE215」で聴くとどっしりとした重量感のあるグルーヴが強まる。対して「SE112」だと低音がすっきりすることでギターのカッティングなどが埋もれずに際立ち、細かなリズムが立ってくれる印象だ。

なお「低音すっきり」は低音をかなりしっかり出す部類の「SE215」と比べての話。遮音性も含めて、本機の低音で十分満足できる方も多いだろう。

ボーカル等の描写の細やかさも、もちろんハイエンド機には及ばないまでも、倍近い価格の「SE215」に遜色のないレベルだ。

改めて価格を思い出すと、本機のコストパフォーマンスには驚きの一言しかない。この価格帯に求められる基準を一気に引き上げる新モデルと言えるだろう。この価格帯全体の底上げの呼び水となってくれそうだという意味からも、大いに期待したい。


(高橋 敦)



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