公開日 2014/04/09 12:01

米AUDEZEの最新平面駆動ヘッドホン「LCD-X」「LCD-XC」に迫る

【特別企画】Fazor Technology採用モデルの実力検証!
記事構成:ファイル・ウェブ編集部/レビュー:岩井喬
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■AUDEZEの平面磁界・全面駆動式ヘッドホン最新モデルに迫る!

AUDEZE(オーデジー)は、平面磁界・全面駆動式のヘッドホン製品を多数展開している米国のハイエンドヘッドホンブランドだ。デジタルメディアやオーディオ、材料科学、防音といった様々な分野において長年の経験を持つ専門家が携わり製品開発を行っている。


AUDEZEの平面磁界・全面駆動式とは、ヘッドホンを内部のダイヤフラムを囲む磁界によりピストンのような方法で駆動する方式。駆動する力を振動板の全面で発生させ、リニアなピストンモーションでの運動を可能とすることにより、分割振動を抑制し「究極に低歪な再生を全帯域にわたり達成できる」という。一般のコーン型のヘッドホンドライバーでは、構造上センターとエッジの駆動が均一には動作できないため位相差が発生するが、それを抑えられるメリットがある。

そんなAUDEZEブランドから登場した平面磁界・全面駆動式のヘッドホン最新モデルが、「LCD-X」「LCD-XC」の2機種だ。価格はLCD-Xが¥208,660(税抜)、LCD-XCが¥220,530(税抜)。同社フラグシップ「LCD-3」(¥249,000)と従来モデル「LCD-2 BAMBOO」(実売¥119,000前後)の間に位置する製品となる。

LCD-X

LCD-XC

2機種は同一の内部構造・技術を採用している。異なるのはハウジングの仕様で、LCD-Xは開放型、LCD-XCは密閉型のモデルとなる。

開放型LCD-Xは、アルマイト処理加工を施したアルミニウム製ハウジングを採用。筐体は音響バランスへの影響を考えた適切な傾斜を与えた形状としている。質量は600g。密閉型LCD-XCは、ブビンガ材を採用した木製ハウジングを搭載する。質量は650g。なお本機は、AUDEZEブランド初の密閉型モデルでもある。2機種とも、イヤーパッドには高品質ラムスキンレザーを採用している。

LCD-X(左)とLCD-XC(右)を並べたところ

LCD-Xの装着イメージ

ハウジング以外は2機種とも共通の構造を備えており、独自開発の平面磁気設計が特徴だ。新技術「Fazor Technology」や、効率を向上させた新しいトランスデューサーを採用している。

■独自開発の平面磁気設計に注目!− 特許出願中の新技術「Fazor Technology」など

まず注目したいのは、特許出願中という新技術「Fazor Technology(フェイザーテクノロジー)」。これはヘッドホン内部の音の流れをコントロールするもので、空気の流れを調整することによって帯域のバランスを整えるという新技術。これによって位相をより正確に再現し、より広範囲にフラットな周波数特性を確保するとしている。

筐体内部の構造

ダイヤフラムは、材料科学やフレキシブル回路の技術を活用した超薄型かつ軽量のものを開発。独自の磁気構造・設計を採用しており、出力を最大近くまで上げてもほとんど歪みが生まれないようにしているという。さらに、振動板全体に均一化した強力な磁場を生成し、これらをコントロールすることで高品位な再現性を実現するとしている。なお、従来の平面磁界型ヘッドホンに採用されているような強磁力性の材料を使用せずに構成しているため、高調波の歪みや重量を低減し、磁気干渉も抑えた。

さらに、内部には効率を向上させた新開発のトランスデューサーを採用しており、iPhoneなどのポータブルオーディオプレーヤーに直接接続しても充分に駆動できるような設計としている。

■ケーブルは交換可能で、XLRバランス接続にも対応

AUDEZEブランドの従来モデルと同様にケーブルは取り外し可能で、リケーブル対応。XLRバランス接続にも対応する。製品には、シングルエンドケーブル、4ピンXLRバランスケーブル、変換アダプター(1/4" → 1/8")が付属する。

リケーブル可能で、XLRバランス接続にも対応する

LCD-X/LCD-XC共通の同梱品。専用ケースのほか、シングルエンドケーブル、4ピンXLRバランスケーブル、変換アダプターが付属する

さて次頁からは、評論家・岩井喬氏が据え置き&ポータブル環境における各モデルの実力を徹底検証! 2機種を様々なデバイスと接続して駆動してみた。

次ページLCD-X/LCD-XCの実力を岩井喬が徹底検証!

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