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4K Mini LED液晶レグザ「Z9シリーズ」「Z8シリーズ」「Z7シリーズ」が対決!画質・音質を徹底比較
国内最大級の規模を誇るオーディオ・ビジュアルの総合アワード「VGP2025 SUMMER」にて、TVS REGZAの4K Mini LED液晶テレビのフラグシップモデル「Z9シリーズ」とスタンダードクラス「Z7シリーズ」が総合金賞を獲得。そして7月にはハイミドルクラス「Z8シリーズ」が発売された。
3シリーズという充実したラインナップを誇る4K Mini LED液晶だが、果たしてどのシリーズが”買いモデル”なのか気になるところ。そこで今回のレグザ公式YouTubeチャンネル「レグザチャンネル」ではシリーズを並べて画質・音質を徹底比較。「どれを買えばいいの?」という疑問に切り込んでいく。
今回の動画では、レグザブランド統括マネージャーの本村裕史氏、人気声優の小岩井ことりさん、そしてVGPアワードで審査員を務めるオーディオ&ビジュアルライター/AV評論家の折原一也氏が登場。画質パートにはTV映像マイスタの住吉 肇氏が、音質パートではテレビ音響マイスタの荒船 晃氏が登場し、詳しい解説を行っている。
画質・音質比較のため、65V型にサイズを揃え、「65Z770R」「65Z875R」「65Z970R」を用意した。
画質差が表れるポイントとして、本村氏は搭載するパネルの違いを強調。なかでも、表面コーティングの違いが画質に影響を与えると明かし、折原氏も「表面コーティングの違いによって画質にけっこう差がつくんですよね」と頷く。窓からの外光や照明の光が差すリビングにおいては、映り込みを抑制する表面処理が画質に差をつけるという。
「Z7シリーズ」は通常のMini LED液晶テレビの表面処理だが、「Z8シリーズ」には「低反射コート」を、「Z9シリーズ」にはさらに高性能な「低反射ARコート」を採用している。TV映像マイスタの住吉氏によると、実際の数値上において「Z9シリーズ」が1%、「Z8シリーズ」が2%、「Z7シリーズ」が5%の反射率を実現しているとのこと。
実際に夜景シーンを見比べて「黒の締まりが違う」と本村氏。小岩井さんも「低反射コート搭載の2モデルでは黒がしっかり締まって見えますね」と納得の様子。黒が締まることでコントラストが増し、映像のリアリティが向上するのだという。
続いて3シリーズの色域性能の違いを解説。「Z8シリーズ」「Z9シリーズ」のパネルには、バックライトの光を量子ドットで変換して高い色域表示を可能にするという「広色域量子ドットシート」を搭載。これの有無や性能差が、色の再現性の違いに影響するという。
住吉氏は「赤の発色に着目してほしい」と夜景シーンの赤い電灯を指差す。実際に見比べてみると、確かに発色に違いがあるようで、本村氏は「65Z875R」と「65Z970R」に対して、「この2つはすごいね」と量子ドットシートによる色彩表現を絶賛した。
ここで、同じ4K Mini LED液晶ながら「精細感が違って見えるのはなぜ?」と疑問符を浮かべる本村氏。これについて住吉は「パネルのネイティブコントラストが違うから」だと説明。同じADSパネルでも、「Z7シリーズ」はスタンダード、「Z8シリーズ」と「Z9シリーズ」にはよりネイティブコントラストの高い「ADSプロ」を採用している。
ネイティブコントラストが無限に近いという有機ELテレビが精細感に優れるように、Mini LED液晶テレビにおいてもパネルのネイティブコントラストが精細感に差を生むのだという。
次に視野角の違いに着目。3シリーズのいずれも正面から視聴すれば十分に高画質だが、「65Z770R」を横から見ると、画質がやや低減する現象が起こった。「黒が浮いて見えるし色も少し薄く見えるような…」と小岩井さん。しかし、「65Z970R」「65Z875R」は横から見てもそのような画質の低下は起きなかった。
住吉氏はこれについて「『Z8シリーズ』『Z9シリーズ』は『ワイドアングルシート』を採用することで広い視野角を獲得している」と解説。ここまでの検証ではセカンドクラスの「Z8シリーズ」が、フラグシップに迫るほどの性能を持っていることがわかってきた。
住吉氏は、3シリーズの画質差を生むもう一つの要素として、エリアコントロールの分割数をあげた。「Z7シリーズ」と「Z8シリーズ」が1000以上、「Z9シリーズ」が2000以上というスペックとなっている。「それもコントラストの違いに効いてますね」と本村氏。分割の数値が高いほど、コントラストに優れる映像を表示するのだという。
続いてテレビ音響マイスタの荒船 晃氏が登場し、音質の違いを検証。まずは実際に3シリーズそれぞれのスピーカーを鳴らし、一斉試聴を行った。
スタンダードクラスの「65Z770R」のサウンドを再生を開始するや否や、スタンダートクラスとは思えないほどの高音質に驚いた様子で本村氏は「いいね!」とコメント、折原氏も「低音の厚みがしっかりと出ている」と高く評価した。
「65Z875R」のスピーカー鳴らすとまた感嘆の声。折原氏は「音の分離感と立体感が出てきました」と「65Z770R」からグレードアップしているポイントを指摘した。本村氏と荒船氏は、セカンドクラスらしからぬ高音質に対し、本村氏と荒船氏は「数年前のフラグシップモデルの音質よりいいかも」とうなづきあった。
最後に「65Z970R」を試聴すると、小岩井さんが第一声「わあー! バランスがいいな」と絶賛。本村氏も「重低音が心地よく伸びて聞こえる」と頷く。フラグシップモデルにふさわしい、さすがのサウンド体験に一同驚嘆の様子だ。
荒船氏は「低音を再生できる限界までチューニングしました」と裏話を語る。また、機能面について「タイムアライメント」機能も音質に影響していると解説。タイムアライメントによって各スピーカーからの音の到着時間を補正することで、音の厚みを強化しているという。
次に3シリーズそれぞれのスピーカーシステム詳細も解説。まず「65Z770R」は「レグザ重低音立体音響システムZ」を搭載し、最大出力60Wのマルチアンプで2Wayメインスピーカー、重低音バズーカ、トップスピーカーを駆動する。さらに重低音バズーカのマグネットには、強力な磁力を持つネオジム磁石を採用するという、スタンダートとは思えない贅沢な仕様だ。
「65Z875R」も2Wayメインスピーカー2基、重低音バズーカ、トップスピーカー2基を駆動する「レグザ重低音立体音響システムZ」を採用するが、マルチアンプは最大出力70Wに向上。またメインスピーカーについて、「Z7シリーズ」においては下向きだったところ、「Z8シリーズ」では前向き変更。これによって「前向きに音が出るので、より素直なサウンドになる」と荒船氏。
「65Z970R」の場合は、2Wayメインスピーカー2基、重低音バズーカ、トップスピーカー2基に加え、センタースピーカー2基、2Wayサイドスピーカー2基を最大出力150Wのマルチアンプで駆動する「重低音立体音響システム ZIS」を搭載。
さらに、独自開発オーディオポストプロセッサーによって、5.1.2chのマルチチャンネル出力にも対応するというフラグシップにふさわしいシステムだ。これには本村氏も「それは迫力ある音が出るね」と納得した様子。
今回の「レグザチャンネル」では、4K Mini LED液晶テレビの3つのシリーズを同時比較し、画質・音質の違いに迫った。ユーザーはどういうポイントで選べばよいのだろうか。
画質・音質ともにどのシリーズも素晴らしいが、パネルやスピーカーのスペックの違いによってクオリティに差があることがわかった。これに対し本村氏は「それぞれ画質・音質に差はあるが、当然価格も違う。ご予算との関係でベストな1台を選んでください」とまとめた。
また重要なポイントとして、レグザ独自の全録機能「タイムシフトマシン」の有無も指摘。「Z9シリーズ」「Z8シリーズ」には搭載するが、「Z7シリーズ」には搭載していない。普段どのようなスタイルでテレビを視聴するかも選び方に影響しそうだ。
最後に折原氏は、画質・音質の観点から「『Z8シリーズ』がかなり健闘しているモデルだと思いました」とコメント。このシリーズは「VGP2025 SUMMER」のエントリーには間に合わなかったモデルだ。
そこで本村氏が「もしエントリーできていたら…」と尋ねたところ、折原氏は「実質金賞です。“裏VGP金賞”ですね!(笑)」と太鼓判を捺した。充実したラインナップを誇るレグザの4K Mini LED液晶テレビ。どのモデルを購入するか迷っている人は、ぜひこの動画を参考にしてほしい。































