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TCL、98型で超薄設計、B&Oサウンド搭載の最上位4K Mini LED液晶テレビ「X11K」
TCLジャパンエレクトロニクスは、2025年度のフラグシップ4K液晶テレビ “X11Kシリーズ” から98型モデル「98X11K」を5月20日に発売する。価格はオープンだが、市場では税込200万円前後での実売が予想される。
98X11Kは、2024年に発売された量子ドットMini LED搭載モデル “X955シリーズ” の後継にあたる同ブランドのフラグシップ4K液晶テレビ。独自の「CrystGlow HVAパネル」を搭載、「プレサイスローカルディミング」による14112分割のエリア制御によって、HDRピーク輝度は6500nits、ネイティブコントラスト比は7000:1を達成。明部の階調表現や、より自然なコントラスト描写を実現したとアピールする。
液晶パネルは自社開発の「HVAスクリーン技術」を用いたCrystGlow HVAパネルを採用。蝶の羽のように配列された液晶分子を電界に対して垂直に並べることで、光の遮断性能を向上させて高コントラスト比を実現した。加えてリフレッシュレート/応答速度の向上や、広視野角にも寄与するとしている。
また、バックライトをピクセルレベルで制御して、隣り合うバックライト同士の光の干渉を最小化する新技術「プレサイスローカルディミング」、ならびに後述する独自の高画質技術を多数組み合わせた「全領域ハロー制御テクノロジー」によって、映像内の明るい部分の周囲で光がにじんだように見える「ハロー減少」を抑制。これにより、従来のゾーン制御と比較してより自然なコントラストを実現するとしている。
発光モジュールは2024年モデルと比べて明るさが53.8%、エネルギー効率が10%増加した「高輝度ライトエミッティングチップ」を新採用。チップが発光する光は、34件の特許技術を活用して自社開発した「超高密度マイクロレンズ」によって成形することで、調光ゾーンの明るさを均一に保つことができる。
フラグシップモデルである98X11Kはさらにその効果を高める「スーパーマイクロOD」技術も投入する。レンズとパネル間の距離を短くすることで、光の拡散を防止してより鮮明な映像を実現するほか、本体の奥行きを29.9oまで薄型化することを実現した。
ほか、明暗のディテールを強化した新しい「DLBアルゴリズム」、応答速度を高めてゴーストを低減させる「トランジェントレスポンス」、10億段階以上の微細調光を行う「マルチモーダル16ビット精密制御」といった制御技術も搭載。明部周辺のにじみや残像感を低減して、より鮮明な映像の描写を可能にするという。
入力映像の画質と視聴環境の分析を行い映像を最適化するAI映像エンジン「AiPQプロセッサー」も最新版へと刷新。シーンごとに明瞭さやコントラストを最適化する「Ai-シーン」、SDRの映像もHDRにアップスケールできる「Ai-HDR」、画像と視聴環境の明るさに応じてコントラストを適切に調整する「Ai-コントラスト」、彩度と明度をきめ細かく調整して自然でリアルな色彩を再現する「Ai-カラー」、低画質の画像のノイズやノコギリ波を減らす「Ai-クラリティ」、物体や人物が高速移動する映像でも滑らかな動きを実現する「Ai-モーション」といった、6つの高画質化機能を備える。
HDRフォーマットはDolby Vision/HDR10/HLGに対応するほか、HDR10+/Dolby Vision IQ/IMAX Enhancedもサポート。映像モードは標準/スポーツ/FILMMAKER MODE/映画/インテリジェント/ダイナミックといった6モード、加えてHDMI入力時はゲーム/PCの2モードを装備する。
サウンド面では、テレビ製品への搭載は世界初となる、デンマークの高級オーディオブランドBang & Olufsenと共同開発のサウンドシステムを採用。スピーカーの設計からチューニングまでBang & Olufsenのエンジニアが担当しており、「低音域から高音域まで深みがあり、大音量でも音割れしない包みこまれるような音響空間が楽しめる」とアピールしている。サウンドフォーマットはDolby Atmos/DTS:Xに対応。
ほかゲーミング向けの要素として、144Hz VRR入力、最大288Hzのリフレッシュレートに対応。機能面ではプレイ時の専用補助メニュー「Game Bar」や、入力を感知して自動で低遅延モードへの切り替えを行う「オートゲームモード」を備える。
OSとしてGoogle TVを搭載しており、各種VODサービスへのアクセスも可能。音声コントロールのほか、AirPlay/Chromecastといった画面共有機能、独自の「Ai ART」にも対応する。
テレビ本体は、上述したスーパーマイクロOD技術による薄型化に加えて、背面は突起や曲線のない完全フラットデザインを採用することで、「大型モデルながら制限が少なく、部屋の自由度をアップする」と謳っている。
チューナーは、地上デジタル×2、BS・110度デジタル×2、BS4K・110度CS4K×2を搭載。接続端子は、HDMI入力×4基(入力1は4K 144HzおよびARC・eARCに対応、入力2は4K 144Hz対応、入力3・4は4K 60Hz対応、VRR ALLM対応は全入力が対応)、USB×3基、RCA入力×1基、光デジタル出力×1基、LAN×1基ほかを装備する。
本体の外形寸法は2177W×1320H×418Dmm、質量は70.3kg(いずれもスタンド含む)。
先日開催された本製品を含む新製品発表会にて、TCLジャパンエレクトロニクス代表取締役の蒋 賛氏は「TCLにとってスクリーン事業は非常に重要」であるとし、「世界に31拠点ある研究開発施設で、常に最新技術の開発に取り組んでいる」とアピールした。
特に量子ドットMini LED搭載の大型テレビにおいては、市場への参入が早かったこともあり、同社がパネルおよび制御技術において高い開発力を持っていることを強調。「2025年はオリンピックのトップパートナーシップの契約を通して、もっとハイエンドかつ国際的なプランドになれるよう努めていくと同時に、従来どおり日本の消費者にとって使いやすい製品を提供していけるよう尽力する」と締めくくった。































