公開日 2018/08/11 11:05

重さ2.5kg、ソニー「DMP-Z1」は“運べる” 超弩級DAP。開発者に聞いた妥協なき音づくり

常識を超える巨大なプレーヤー
オーディオ編集部:筑井真奈
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
香港オーディオショウのソニーブースでは、香港時間の8月10日18時より、「DMP-Z1」の開発者による英語でのプレゼンテーションが行われた。

DMP-Z1は、香港で先行発売された「キャリアブル」な新しいデジタルミュージックプレーヤー(関連ニュース)。ウォークマンと同様のタッチディスプレイを上部に装備しており、サイズは約138W×68.1H×278.7Dmm、重さは約2.5kgと据置型並みのサイズと質量を誇る。価格は61,880香港ドル(日本円で約88万円)。

ソニー「DMP-Z1」

新しいコンセプトのデジタルミュージックプレーヤー

本製品の開発に携わったのは、ソニーでこれまでのハイレゾウォークマンシリーズを手掛けてきた佐藤朝明氏。既存のウォークマンの延長線上にありながらも、「音質に妥協しない」というコンセプトでこのモデルの開発をスタートさせたという。

佐藤朝明氏

これまでのウォークマンの延長線上にあるものとして開発したという

NW-WM1Zなどで培ったS Master HXというデジタル処理技術を生かしつつ、フルデジタルアンプではなく、アナログアンプを新たに搭載。こういった「妥協のない音作り」を追求していった結果、発表されたような、常識を超える巨大なプレーヤーに結実したという。

DMP-Z1とiPhone 7とのサイズ比較

これまでのウォークマンとの違い

DMP-Z1のキーワードは、「ポータブル」ではなく「キャリアブル」。バッテリーも搭載しており、4時間でフル充電可能、再生は9〜10時間程度可能だという。持ち運び用のケースも用意されている。

「ポータブル」ではなく「キャリアブル」なサイズ

これが専用キャリングケース

音質設計を担当したのは、同じくウォークマンの過去のシリーズも担当してきた佐藤浩朗氏。今回のサウンドクオリティのポイントとして、「ハイパフォーマンスなアナログアンプシステム」「デジタル・アナログの電源分離」「H型の強固なシャーシ」の3点を挙げている。

佐藤浩朗氏

今回の音づくりのポイントは写真の3点


アナログアンプシステムはボリュームにもこだわった

バッテリーの電源供給もデジタルとアナログで分離させている

アナログアンプにはTIの「TPA6120A2」を2基搭載。ロータリーボリュームには、世界最高峰のパフォーマンスを誇るというALPSのRK501を、DMP-Z1のために独自にカスタマイズ。銅でコーティングした上にさらに金メッキを施したという。DACはチャンネルセパレーションに有利なAKMの「AK4497EQ」を左右独立で2基採用、内部配線にはKIMBER KABLEを採用したという。

また電源に関しては、本体の上半分がデジタル部、下半分がアナログ部となっており、それぞれ独立した電源部を搭載している。それを実現するのが「H型」のアルミシャーシで、中央のパネルが上下を完全に分離している。

上部がデジタルブロック、下部がアナログブロック

「H型」のアルミシャーシを採用

実機を触ってみると、800x480ピクセル、3.1型のディスプレイがトップパネルに設置されており、UIの設計もウォークマンのそれをほぼ踏襲している。再生、停止などの物理ボタンも装備するが、基本的な機能はタッチパネルで行える。

ボリューム調整は手前のノブで行う。フロントには4.4mmのバランスと、3.5mmのアンバランスの2種類のヘッドフォン端子を搭載。また本体左面にはSDカードリーダーが搭載されている。256GBの本体ストレージに加えて、microSDXCカードスロット2基も備える。

800x480ピクセル、3.1型のディスプレイをトップパネルに装備

本体側面にmicroSDXCカードスロットを備える

背面は19.5Vの電源入力端子を備える。アンプの消費電力が大きいため、USB給電ではなくACアダプターを採用したという。また、USB typeC端子も搭載しており、音源の転送のほか、USB-DACとしても活用できるようになっているという。


背面端子部。電源とUSB端子が見える
最後に、既発売のウォークマンのファームウェアアップデートも紹介された。2018年秋をめどに、NW-WM1Z/WM1AにUSB-DAC機能が追加される。またNW-WM1Z/WM1A/ZX300の3機種を対象に、Bluetoothレシーバー機能と、アナログレコードの音をシミュレートする「Vinyl Processor」機能が追加される予定だ。


既存のウォークマンもアップデートする

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX