公開日 2016/10/20 12:01

MrSpeakers、新形状ハウジング採用の平面駆動ヘッドホン最上位「ETHER Flow/ETHER C Flow」

流体力学に基づいてハウジングを設計
編集部:小澤貴信
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
エミライは、米MrSpeakersの平面駆動方式ヘッドホンのフラグシップモデル「ETHER Flow」「ETHER C Flow」を11月下旬より発売する。

ETHER Flow

>ETHER C Flow

・「ETHER Flow」(開放型モデル) ¥OPEN(予想実売価格23万円前後)
・「ETHER C Flow」(密閉型モデル) ¥OPEN(予想実売価格23万円前後)

なお、両モデルは今週末開催「秋のヘッドホン祭2016」に出展。21日にはMrSpeakersのFounder/CEOであるDan Clark氏が登場する新製品発表会も開催される(イベント詳細)。

ETHER/ETHER Cは、MrSpeakersの特許技術である「V-Planar振動板」(詳細はこちらの記事を参照)を採用したヘッドホン。ETHERが開放型モデル、ETHER Cが密閉型モデルとなる。2015年10月に発売され、2016年4月には両モデルが新たなチューニングパーツを採用した「ETHER 1.1」ETHER C 1.1」へと発展した(関連ニュース)。今回、この上位に新たに「ETHER Flow」「ETHER C Flow」が登場したかたちだ。

フラグシップモデルとして登場するTEHER Flow/ETHER C Flowは、それぞれ流体力学に基づいた新たなハウジング形状(特許技術True Flowテクノロジー)を新採用。両モデルで、オリジナルモデルと比べて中域の歪率を1/2以下に抑制したという。

ヘッドホンの振動板から放出された音は,ハウジング内で回折および反射を繰り返しながら進むが、現在開発中の静電型ETHERの研究課程において、同社はこの回折および反射が音の解像度を失わせる主たる要因ではないかと考えたとのこと。特許技術のTrue Flowテクノロジーにおいては、ハウジング内の音の回折・反射を低減する特殊な構造を採用。高い解像度を損なわずに耳元まで音を届けることを可能にしたという。

具体的な構造としては、一般的に平面駆動型ヘッドホンは、片側または両側の固定用部材(トレイ)に棒状の磁石を取り付けた構造となっている。トレイには空気(音)を通過させるための穴が空けられており、この穴を通じて空気が振動する。しかし、このトレイは平面の板で構成されており、かつ空気の流れに対して直角に交わる構造となっている。この構造的欠陥が、回折効果と反射効果を強調して歪率の増加と解像度の低下を招くとして、空気の流れを阻害しない構造のガイドパーツを開発。True Flowテクノロジーとして実用化に成功したという。なお、このパーツは3Dプリンターを用いて作られている。

両モデルがCFRP製のハウジング、アルミ合金削り出しバッフルを採用。高い強度と品位の高い質感も備えている。また、3Dプリンターにより成型された音質調整機構を内蔵。この調整機構は、開放型/密閉型に合わせてそれぞれ設計されている。

イヤーパッドについては、両モデルが「ETEHR C 1.1」と同じ形状のイヤーパッドを採用している。

なお、従来のETEHR1.1/ETEHR C 1.1では、前者がフラット形状で耳を密閉するつくりのもの、後者がアングルが着いた形状で装着時に耳の後ろに少し隙間ができるものが採用されていた。ETHER Flow/ETHER C Flowは両機とも、後者のイヤーパッドが用いられたことになる。

ヘッドバンドのワイヤーには、ニッケル・チタン合金(形状記憶合金)を採用。軽量性と快適な装着感を実現したという。ケーブル部は着脱可能で、バランス駆動にも対応する。

ヘッドバンド部にはイタリアン・レザーとマイクロスエード、イヤーパッド部:ラム・レザーを採用。高純度無酸素銅DUMヘッドホンケーブル、専用キャリングケース。クリーニングクロスが付属する。

また、従来のETHER C 1.1では周波数特性をアンプやユーザーの嗜好に合わせて調整するための吸音材(チューニングキット)が添付されていたが、ETHER C Flowではこのキットでの調整を廃止した。これは音質の向上によってチューニングで調整する必要がないと判断した結果と考えられる。

ETHER Flowは能率が96dB/mW、インピーダンスが23ohms、外形寸法は305W×229H×153Dmm、質量は390g。

ETHER C Flowは能率が92dB/mW、インピーダンスが23ohms、外形寸法は305W×229H×153Dmm、質量は470g。

なお、ETHER Flow/ETHER C Flowの両モデルにおいて、同梱されるケーブルが6.3mmフォーン端子ケーブル(1.8m)のパッケージと、4ピンXLR端子ケーブル (1.8m)のパッケージを用意。

また直販限定として、6.3mmフォーン端子ケーブル(3.0m)同梱パッケージ、4ピンXLR端子ケーブル(3.0m)同梱パッケージ、2.5mm4極端子ケーブル(1.8m)同梱パッケージ、3.5mmステレオミニ端子ケーブル(1.8m)同梱パッケージも各機で用意される。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX