• ブランド
    特設サイト
公開日 2015/05/26 21:54

<NHK技研公開>ハイブリッドキャストがさらに進化 − 放送とネットの融合深まる

ネットコンテンツの同期技術も
編集部:近藤 貴彦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
NHK放送技術研究所が各種研究成果を一般に披露する「技研公開2015」が、5月28日から5月31日まで開催される。これに先立ち、プレス向けプレビューが行われた。本稿ではインターネットを活用した新たな放送技術の展示についてレポートする。

MPEG-DASH視聴プレーヤーと動画配信技術

ハイブリッドキャスト受信機をはじめ、パソコンやモバイル端末のWebブラウザで共通に使えるコンテンツ視聴プレーヤー「MPEG-DASH(MPEG Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)視聴プレーヤー」を開発。MPEG-DASHは、ISOで国際標準化された動画配信技術で、回線状況に合わせたビットレートの動画を配信可能。

テレビ、パソコン、タブレットのMPEG-DASH視聴画面を展示

「MPEG-DASH視聴プレーヤー」ではインターネットの標準技術を使用しているため、現行のインターネットインフラを利用したサービスが可能なことが利点。上記のようにマルチデバイスで利用できる。

また、インターネットで大規模な動画配信を安定して行うことを目指して、視聴端末の受信状況を計測する技術と動画ストリーム生成技術を開発した。

ライブ配信受信状況計測画面

動画ストリーム生成状況の画面。技研方式は従来方式に比べ高速化している

ハイブリッドキャストに対応したネット動画サービス

新しいVOD規格に対応したハイブリッドキャストにより、放送とネット動画の連携がさらに進んでいくとし、携帯端末との連携や字幕サービスなどのデモが行われた。

ハイブリッドキャストで広がるVODサービスのイメージ

ハイブリッドキャスト端末連携機能により、操作は手元のタブレット端末上で行うことができる。また、タブレット端末上でサービスにログインしておけば、連携した端末間で動画の視聴権限を移譲し、テレビでの動画視聴が可能。

動画を見終わると見逃し配信の案内がテレビに表示され、テレビと連携したタブレット上には番組の一覧が表示される


視聴したい番組を購入後、連携したテレビに動画の視聴権限を移譲すればテレビでの動画視聴が可能

ネット動画の視聴中においても放送信号を受信し、放送と連携したサービスを行うことができる。例えば、地震発生などの緊急時にはネット動画の再生が中断され、緊急情報の放送へと移る。

緊急時にはネット動画の再生が中断され、緊急情報の放送へと移る

そして、ARIB-TTML(ARIB Timed Text Markup Language)形式の字幕に対応することで多彩な表現を実現した。ARIB-TTMLは、Webの標準技術であるTTMLを拡張した字幕記述方式。画像、外字の提示、アニメーション効果なども可能。例えばマンガの吹き出しのように登場人物のセリフを字幕表示するなどといったこともできる。

放送とネットのコンテンツ同期技術

ハイブリッドキャストのさらなる進化に向け、ネット経由で受信したコンテンツを放送番組に同期して提示する技術を研究しているという。ブースでは、スポーツ中継において、放送とは別カメラの映像や試合進行に応じた各種データをネットで提供して、番組をカスタマイズできることを紹介。

放送とは別カメラの映像をタブレットに表示

タブレットなどの携帯端末で、放送番組を映しているテレビと同期してネットストリーミングを再生する技術を開発。これによりネットで配信される複数のカメラ映像をタブレットで選択できるサービスなどが実現できる。本技術では、放送の基準クロックを受信機から携帯端末に配信することで、携帯端末上で放送と正確に同期したネット映像の再生を実現しているという。

右下に表示されている「A」「B」「C」「D」「コート全体」の中からカメラを指定できる。表示されているのは「コート全体」のカメラの映像

映像を拡大表示することも可能。表示されているのは「コート全体」のカメラの映像を拡大表示した画面

また、スポーツ中継などのライブの放送映像と、ネットでリアルタイムに配信するアプリデータを、テレビ上で正確に同期させる技術を開発。放送の基準時刻と実時刻の対応をクラウドサーバーから提供することで、放送との正確な同期を実現しているという。これにより、得点などのネット情報が放送よりも先行することを防いでいる。

画面上部にはボールに触った選手名が表示されている。その他、チームデータやサーブ着弾点などを表示

今後の予定は、実用化に向け、実際のインターネットを通した検証、配信や表示の低遅延化の検討とともに、市販受信機への機能搭載に向けた運用規定の策定に取り組んでいくとしている。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 Apple Musicも聴ける高コスパ ネットワークプレーヤーeversolo「DMP-A8」。音質と使いこなしを徹底検証
2 Amazon Prime Videoの人気8チャンネルが2ヶ月間99円に!GW期間中キャンペーン
3 「キャリブレーション」で4Kテレビの真価を引き出す!有機ELと液晶モデルで実践してみた結果
4 『鬼滅テレビ -柱稽古編放送直前SP-』5/4 13時25分から無料配信
5 オスカー受賞『ゴジラ-1.0』4K UHDをフラゲ!特典盛りだくさんのパッケージ開封の儀
6 Beats、ブランド史上最小の完全ワイヤレス「Solo Buds」。ケースにバッテリー非搭載
7 ソニー、4スピーカーで立体音響を実現するシアターシステム「HT-A9M2」。新スピーカーで高音質化
8 コンパクトでハイコスパ、そして音が良い! Kanto Audio「YU2」がデスクでのスピーカー再生を楽しくする
9 明るく低遅延な4Kプロジェクター「X300G」がゲームプレイに最適!映像モードもゲームジャンルに最適化
10 クリプトン、内部配線材と吸音材を強化したピアノ仕上げ・密閉型スピーカー「KX-0.5P II」。バイワイヤリングも対応
5/1 11:17 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー192号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.192
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX