公開日 2007/10/03 17:40

<ケースイのCEATEC2007レポート>デジタル放送の録画規格名が決定:これからは「ダビング10」でヨロシク!

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
コピー9、コピー10などと呼ばれていたデジタル放送の“新”録画ルールの正式名称が決定した。その名も「ダビング10(ダビングテン)」という。


アナウンスやリリースがあったわけではないが、JEITA(社団法人 電子情報技術産業協会)とNHKが出展するブース「デジタル放送わくわく生活館」に名称と規格の解説があり、これが事実上のお披露目になっているものと思う。


ムーブの1回分もダビングと捉えたということだろう。そもそもコピーワンスという表記が曖昧だった気がする。

これが「ダビング10」を解説するポップ。ちょっと長いので、筆者はこれを略して「ダビテン」とでも呼ぼうと考えているが、いかがだろうか?
ある関係者によると、この名称に決定するまでに紆余曲折があったようだ。当初はコピーワンスの延長線上にあると考え「コピー10」としようという案が強かった。しかし、実際は1回の「移動(ムーブ)」も含んでいるので、オリジナルが残る「複製(コピー)」は9回しかできない。そのまま運用すると「10回目はどうした?」とユーザーから苦情が来かねない。そこでコピー回数だけを強調した「コピー9」という案が出た。

筆者もデジタル放送のコピーに関する記事を書くときには、複製できる回数を強調したくて「コピー9」という名称を積極的に使ってきた。同じように考えた人が関係者にいたことを聞いて、少しうれしくなった。

コピー9だと回数がハンパなど、関係者からの受けはよくなかったのだろう。結局はムーブの1回も「ダビング」と考えて「ダビング10」という名称に落ち着いたようだ。


ダビング10の仕組みはこうだ。「9回もダビングしないだろう?」と思われるだろうが、録画番組を携帯電話やモバイルプレーヤーに転送することも1回とカウントされるので、9回は少なくないはずだ。
ダビング10といえどもすべてのデジタル放送が10回ダビングできるわけではない。WOWOWなどの有料コンテンツは従来どおり「コピーワンス」もしくは「コピーネバー(コピーもムーブも禁止)」なので注意したい。余談だがコピーワンスの番組を複数録画したいなら、ツインチューナー搭載のデジタルレコーダーを購入して、同一の番組を2つ録画することをオススメする。

CEATECには将来ダビング10に対応する「Dubbing 10 Ready」の製品(これもロゴを作って製品にシールなどで貼ってくれればいいのだが…)も出そろってきた。世代間コピーへの対応など問題は残るが、録画ファンを取り巻くもモヤモヤが少しは晴れそうだ。


▲こちらは「ダビング10」の詳細。注意すべきは2番目と4番目、そして6番目。まず今までのデジタルチューナー搭載機は「ダビング10」を原則として利用できない。次にHDDを搭載する製品しか対応しないので、BDやHD DVD単体機ではこの恩恵には預かれない。そして6番目が実に怪しい。たぶんBSデジタルでは別な回数規制が入るのかもしれない。う〜ん、まだ安心できないのか?

(レポート:鈴木桂水)

筆者プロフィール
元産業用ロボットメーカーの開発、設計担当を経て、現在はAV機器とパソコン周辺機器を主に扱うフリーライター。テレビ番組表を日夜分析している自称「テレビ番組表アナリスト」でもある。ユーザーの視点と元エンジニアの直感を頼りに、使いこなし系のコラムを得意とする。そのほかAV機器の情報雑誌などで執筆中。
>>鈴木桂水氏のブログはこちら

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX