公開日 2006/09/21 18:47

<折原一也氏のA&V FESTA 2006レポート>この秋注目のプロジェクターの映像をチェック

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ホームシアター関連機器の集まるA&Vフェスタでは、この秋注目のプロジェクター新製品も数多く展示されており来場者の注目を集めていた。未発売の製品も実際に映像をチェックできたので簡単なインプレッションレポートをお届けしよう。

●パナソニック


TH-AE1000(左)を国内で初めてお披露目した
パナソニックのブースでは本日発表されたTH-AE1000を展示。フルハイビジョン液晶パネルに大口径ガラス非球面レンズ、低分散ガラスレンズを搭載した同社初のフルハイビジョンプロジェクター。165WのUHMランプ採用により輝度は1,100lm、コントラスト比は最大11,000対1のハイスペック。ブラックの精悍な筐体に2倍ズームと自由度の高いレンズシフトを備える。

同社のブース内に設けられた暗室で視聴したTH-AE1000の映像は、フルハイビジョンの精細感のある画質。液晶方式ながら画素の滑らかなフィルムライクな映像が印象的だ。ハリウッドのトップカラーリスト、デビッドバーンスタイン氏の調整による「シネマ1」の設定は黒色の締まりと暗部からの階調が豊かで映画の再生にマッチしていた。

本モデルのユニークな「波形モニター」機能も操作デモを見ることができた。これは投射している映像の輝度レベルを画面上にリアルタイムで表示する機能。投射している映像の最大の輝度を確認しながらレンジを使い切るようにピクチャー・黒レベルを調整する方法は、使い方の説明を受ければソースの持つクオリティを引き出すために役立つだろう。

このほかホームシアターゾーンには発表済みの720pモデル液晶プロジェクター、TH-AX100を展示。こちらはリビング程度の明るい部屋での上映だったが、照明下でもコントラストのしっかりと出た色鮮やかな映像を見ることができ幅広い用途に対応できる。映像はこちらもフィルムライクで滑らかな質感がある。

●ビクター


ビクターはD-ILAプロジェクターの新機種を展示した

デモルームで映像を確認することができる
ビクターは、自社デバイス「D-ILA」を採用したプロジェクタを参考出展として展示。「DLA-HD NEW」という名称でブース内に製品が展示され、0.7インチ D-ILAデバイスを3つ使用することで解像度は1,920×1,080を実現。明るさ800対1、コントラスト10,000対1の高コントラストも特徴となっている。実機はホームスペースで暗室を使ったデモが実施されており720pと並べて投射を行い、比較という形でデモが実施されていた。

DLA-HD NEWのデモでは、最初に潜水をテーマにした映画を上映。特に暗部の情報が多く、再現が難しい映像だが、船内の細かなディティールが滑らかな階調で映し出した。映像全体は人肌や衣服の色彩は色鮮やかで、薄暗い中にホコリの舞う空気感までもがリアルに再現される。ビデオソースのデモでは高コントラストと解像感の高さによって全方位に奥行きのある画質を楽しめる。価格は未定、発売は来年の早いうちにということだったが、フルハイビジョンプロジェクターの新たな注目モデルになりそうだ。

●ソニー


ソニーはSXRDプロジェクター「VPL-VW50」「VPL-VW100」を展示

VPL-VW50は出画デモを行った
ソニーの注目モデルは、この秋発表されたフルハイビジョンのパネルを採用したSXRDプロジェクターの低価格モデル「VPL-VW50」だ。光源には新たに200Wの高圧水銀ランプを組み合わせて輝度は最大900lmを実現。アドバンストアイリスによりセットコントラスト15,000対1を実現している。ブースで実機展示されていたことと合わせて専用のハイビジョンシアター視聴室にてデモを実施。この秋発売のAVアンプTA-DA3200ESを使った7.1chのマルチチャネルサラウンドで視聴できた。

ハイビジョンシアターのデモはサラウンドを合わせた広い視聴室を使ったデモで簡単なチェックとなったが、DVDの映画はしっとりと階調を出しながらフォーカスのしっかりとした映像。ブルーレイで視聴したCG映画ではフルハイビジョンらしい精細感が出る。黒色も沈み落ち着いた色合いだ。

●サンヨー


サンヨーはLP-Z5のデモルームを出展
サンヨーは、シアターゾーンを使って液晶プロジェクターの「LP-Z5」の実機映像を投射していた。プロジェクターのミドルレンジでは定番の、「LP-Z4」の後継にあたる720pモデルで、0.7型液晶パネルを採用。145WのUHPランプで明るさは1,100lmを実現している。

ブースは多少明るい程度の視聴環境でビデオソースの映像を上映。画質は鮮やかさを向上させて明るさへの適応を図っており全体に明るい映像が特徴的。細部の表現には液晶らしい精細感がある。レンズは最大2倍ズームと上下3画面、左右2画面のレンズシフトは強力でカジュアルな用途に活躍してくれるだろう。


この秋は各社からフルハイビジョンプロジェクターの発表が相次ぎ、さらにミドルレンジの製品もモデルチェンジが行われプロジェクター購入に迷っている人も多いだろう。A&Vフェスタ会場で見られたプロジェクターは発売前だけあって調整段階のものもあったが、急速な低価格化と同時に確実にクオリティアップが進んでいることを実感させてくれた。


(レポート・執筆:折原一也 >>プロフィール


avfesta2006

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX