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公開日 2004/05/31 18:45

エプソン“LIVINGSTATION”発表会詳報

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●セイコーエプソン(株)は、47V/57V型の液晶リアプロジェクションテレビ「LIVINGSTATION」を、直販会社エプソンダイレクト(株)を通じて販売開始した。

セイコーエプソン(株)代表取締役副社長 丹羽憲夫氏

本日行われた発表会では、まずセイコーエプソン(株)代表取締役副社長の丹羽憲夫氏が登壇し、同社の企業ビジョンについて説明した。同氏は「弊社の基本戦略は、<imaging on paper=プリンター><imaging on screen=プロジェクター><imaging on glass=ディスプレイ>の3i戦略。このうちプロジェクター事業では、すでにデータ用液晶プロジェクターや液晶デバイスなどで世界的に高いシェアを得ている。また、弊社には画像処理などコア技術の蓄積がある。これらの技術を融合し、今回リアプロ事業に参入した」と説明した。また同氏は「今後も製品の充実を図り、市場における存在感を増していく」とも述べ、継続的にリアプロ事業へ力を入れていくことを強調した。

続いて、同社映像機器事業部の内田健治氏から、市場環境や販売ターゲットなどの説明が行われた。同氏は、「マイクロデバイスを使ったプロジェクションテレビの世界市場は、03年度の67万台から06年度には330万台に伸びる」と予想した上で、「リアプロは日本で普及しないと良く言われるが、その原因を設置面積に求めるのは間違いだ。30型クラスのCRTテレビでは、重さは100kg近く、奥行きもリアプロより大きいが、それを日本家庭の多くが設置していた。リアプロが定着しない理由としては、かつてのCRT方式リアプロの画質が悪かったことにより、リアプロ全体のイメージが低くなっていることの方が大きい」と述べ、リアプロの大きさは普及の障害にならず、日本でも十分受け入れられる余地があるとした。

同社映像機器事業部の内田健治氏

PDP・液晶テレビとの比較

LIVINGSTATIONに搭載された光学テクノロジー

また同氏は、PDPや液晶テレビに対する「LIVINGSTATION」のアドバンテージとして、「液晶テレビやPDPでは、RGB3つのセルで1画素を構成し、人間の目でRGBを合成するが、液晶プロジェクションではあらかじめ色を重ね合わせ、そのままの色を再現する」こと、「消費電力も格段に低く、低コストである」ことを挙げた。

「LIVINGSTATION」の販売ターゲットとして内田氏は「AV機器やハイビジョン放送に関心が高い“アクティブシニア”層、30代のファミリー層を中心とする」とし、そのほか官公庁、民間企業にも販売を行うと説明した。

続いて、映像機器事業部の永嶋伸一氏が、商品の概要について説明を行った。同氏は「日本の家庭で大画面は必要ない、あるいは置くスペースがないという意見もあるが、ハイビジョンの最適視聴距離は画面高さの3倍。57V型で2.1mあればベストポジションとなり、8畳間でもじゅうぶん置ける」と述べ、大画面テレビを発売する必然性を強調した。また、「LIVINGSTATION」の特徴である静止画関連機能を「フォト・オン・デマンド」という名称で訴求し、そのコンセプトを「見る」「刷る」「貯める」の3つであると説明。それぞれ、「見る」はメモリーカードを挿入するとフォトインデックスを表示し、特定の画像の拡大やスライドショーを楽しめる機能、「貯める」はオプションのCD-R/RWドライブを用いて画像を保存する機能、「刷る」は内蔵フォトプリンターを使った印刷機能となる。

映像機器事業部の永嶋伸一氏

最後に、販売を行うエプソンダイレクト(株)取締役社長の山田明氏が販売戦略を説明。同氏は「直販ではデルさんがよく話題になるが、エプソンダイレクトは国内のメーカーPC直販サイトとしてナンバーワンの存在。これまで累計で146万台のPCを販売してきた」と述べ、同社の強みとして「サポート・サービスの良さ、コストパフォーマンスの高さ、受注生産による短納期の実現」を挙げた。今回の「LIVINGSTATION」の場合、納期は「注文確定後1週間程度が基本」とのことだ。

エプソンダイレクト(株)社長の山田明氏

以下、本発表会で行われた質疑応答をすべて掲載する。

Q:アメリカでは既に発売しているようだが、感触はどうか?
A:3月から販売を開始した。現地では「Speciality AV dealer」と言われる販売店を通して販売している。プリンターを内蔵したことによる便利さを理解してもらうにはもう少し時間がかかるな、というのが印象だが、これから大きなスポーツイベントを控え、さらに売れることを期待している。

Q:年間1万台が販売目標ということだが、シェア目標などは決定しているか。
A:正直に言って、リアプロ市場自体がどれだけ大きくなるか不明瞭だ。このため、将来的なシェア目標などについては言及できない。今年度は2万台規模の市場になると見ている。

Q:北海道に新設した、高温ポリシリコンTFT液晶工場の現状を教えて欲しい。
A:現在、月産で300mmウェハー2000枚というところだ。

Q:奥行きはかなり削減し、設置面積ではかなりPDPに迫ったと思うが、視野角についてはどうか?
A:たしかに、PDPやLCDテレビと比べ、視野角は充分でないかもしれない。ただ、部屋に置いたとき、真横から見るニーズがあるとは思えないので、実質上は大きな問題はない。これから改善すべき問題だとは考えている。

Q:1080p表示の液晶デバイスを既に発表していると思うが、これを使ったリアプロの発売時期は?
A:なるべく早く、低価格で発売したい。具体的には未定だ。

Q:現在リアプロが売れている国は?
A:圧倒的にアメリカで、03年度には世界市場の70%が米国だった。残りで一番大きいのが中国だ。

Q:ランプ交換に関するサポートはどういうふうに行う?
A:ランプ寿命は1万時間程度。ユーザーご自身で行っていただける設計になっている。エプソンダイレクト側からも、購入後一定の期間が過ぎたらランプ交換を促す連絡をするなど、きめ細かい対応を行いたい。

(Phile-web編集部)

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