公開日 2026/06/25 06:35

“史上最高音質”のサイバーナビに車内ドルビーアトモス体験。カロッツェリアが切り開くカーオーディオの未来

カロッツェリアは今年で40周年、懐かしプロダクトも展示

パイオニアは、6月12日〜13日の2日間、ベルサール秋葉原(東京都)にてカロッツェリアの最新カーオーディオシステムを体験できる「2026年夏 カロッツェリア新商品体験会」を開催した。

ベルサール秋葉原で「2026年夏 カロッツェリア新商品体験会」を開催

会場では、国内市販品としては初となるドルビーアトモスに対応したディスプレイオーディオ「DMH-SF1000」や、厳選した高音質パーツを投入してシリーズ史上最高音質を追求した4,000台限定の「サイバーナビ LIMITED EDITION」を中心に、様々なカロッツェリアブランドの商品を展示。デモカーで実際に試聴できることもあり、多くの耳目を惹いた。

車内でも手軽にドルビーアトモスを実現

10.1型ディスプレイオーディオのDMH-SF1000は、Appleとドルビー、パイオニアの3社の協業で実現した、既存の車種でもドルビーアトモスの空間オーディオが愉しめる1台だ。

ディスプレイオーディオの「DMH-SF1000」 

iOS+Apple Music経由で受信したドルビーアトモスの音源を、内部で4チャンネルにダウンミックス+バーチャライズ。その信号をもとにパイオニア独自の室内音場最適化機能「オートタイムアライメント&オートイコライザー」により、多くの車両で採用されている4チャンネルスピーカーで、空間オーディオを実現する。

ドルビーアトモス再生の概念図 

セットアップは専用のマイクをヘッドレストに取り付け5分ほどで完了する。「本当に4基のスピーカーだけで空間オーディオが実現できるのか?」と疑うのは当然だ。早速試聴することにした。

デモカーのひとつであるトヨタ・アルファードは、ディスプレイオーディオユニットのほか、フロントスピーカーをチェンジし、サブウーファーを運転席シート下に配置したというライトチューン。スライドドア下部に設置されているリアスピーカーはそのままだ。

空間オーディオシステムを組み込んだトヨタ・アルファード

これが不思議なのだが、リアの音が下側からではなく、運転シートのヘッドレストに近いところから聴こえてくるではないか。さすがに前後左右に音が回転するようなエフェクトは、スピーカーの個数がそもそも足りないこともあって、スピーカー間の音のつながり、シームレスさという面では満足しづらい部分は否めないが、天井にスピーカーを取り付けるようなことをせずとも空間オーディオ効果が得られるのは魅力だ。

アルファードに組み込まれた空間オーディオ再生システム。フロントスピーカーはパイオニア製にチェンジ、ロントのトゥイーターはダッシュボード内に納められている。サブウーファーは運転席シート下に配置

ドルビーアトモスはApple CarPlay+Apple Musicに限定されるが、Android Autoなどで再生されるステレオ音源も、独自の音場処理技術で立体的に拡張する「ステレオスペーシャルサウンド」により、空間オーディオのような広がりのあるサウンドで楽しむことができる。

昔懐かしBOXスピーカーが復活

会場で目を惹いた製品のひとつがBOXスピーカーの新製品「TS-X40」だ。BOXスピーカーは、音質はもちろん、イルミネーションが光ることから、1980年代に大流行したアイテムだ。

 BOXスピーカー「TS-X40」

だが自動車の主流がセダンタイプからSUVに変化したこと、ウインカーやブレーキランプと連動して点滅するような過度なイルミネーションが保安基準に抵触する可能性があり、そこから「車検が通らなくなる」という噂が流れ姿を消した。そんな昭和のアイテムが令和にまさかの復活である。もちろん車検の問題もない。

TS-X40は、どこか懐かしさを覚えるキュービックなエンクロージャーに、13cmウーファーと5.7cmコーン型ミッドレンジ、1.7cmドーム型トゥイーターをインストールした3ウェイ機。トゥイーターの近傍に2基のポートを有するバスレフ型だ。イルミネーションは青に光るほか、消灯時はシルバーで、近未来的な印象を与える。

TS-X40の構造図。セルロースファイバーコーンを用いた13cmウーファー、5.7cmセルロースファイバーコーンのミッドレンジとドームトゥイーター。トゥイーターの上下にスリット状のバスレフポートを配置する

早速聴いてみることにした。デモカーはスズキのコンパクトハッチであるスイフト。バックドアのガラス越しに見えるカロッツェリアのロゴをみて、なぜか甘酸っぱい気持ちが蘇ってきた。

スズキ・スイフト

オーディオシステムはDMH-SF1000を核としたもの。フロントスピーカーはTS-C1740Sに換装し、リアはドアスピーカーではなくTS-X40が受け持つ。サブウーファーは運転席の下側に置かれていた。

カロッツェリアのロゴがアクセントを与える

ここでも空間オーディオを体験したのだが、スピーカー位置が上に上がったこと、そして車内が小さいこともあってか、アルファードで聴いた時よりも、音のつながりがよい印象。なによりリアスピーカーのクオリティが高く、かなり愉しめる。これはアリだ!

スイフトの室内 

ピラーに取り付けられたトゥイーター

また会場には、TS-X40とDMH-SF1000などをインストールした初期のゴルフが用意されていた。これこそ昭和テイスト満載だ。フロントスピーカーは、ウーファーが純正でピラーにトゥイーターをアドオンしただけ。見た目懐かしいが、音はイマドキというギャップが楽しい。

初期のゴルフを用いたデモカー

バックドア越しに見えるTS-X40

ゴルフの車内。Aピラー付近にトゥイーターを配置

カロッツェリア40周年の懐かしモデルも

カロッツェリアブランドが40周年を迎えたということもあり、会場にはその歴史を刻んだモデルを展示。「懐かしい」という声の他にも、「初期のGPSは、こんなにも本当に大きかったんだ」「昔はDVDやCDにマップデータが入っていて……」と、思い出話に花が咲いていた。

往年のカロッツェリア製品

高音質モデルの走りとなったCDメインユニットのDEH-P01(2009年)

BOXスピーカーの元祖であるTS-X60

アフターマーケット向けとしては初となるGPSユニットAVIC-1(1990年)

HiFiのノウハウを生かした史上最高音質のサイバーナビ

そして、もうひとつの目玉商品が「サイバーナビ史上最高音質」と謳う「サイバーナビ LIMITED EDITION」である。

サイバーナビ「AVIC-CQ912W-DC」

ハイエンドオーディオなどにも用いられる高音質オペアンプや特注のトロイダルコイル、非磁性体抵抗や銅メッキビスなど、高音質パーツを投入した本機。開発者は「上質さをテーマに試行錯誤を繰り返しました」と語る。

高音質化パーツを投入した基板

MUSES製オペアンプやカスタムメイドのトロイダルコイルが奢られている

ラインアップは画面サイズはオプションの違いなどから全6種類を用意。合計で4000台の限定生産となる。一部モデルは受注を一旦停止するほどの人気があったとのことだ。

シリアルナンバー付き銘板プレート

百聞は一聴に如かず。早速聴いてみることにした。デモカーはストリートチューンで知られるブリッツとコラボレーションしたトヨタのGR86だ。サイバーナビ以外の部分だと、フロントスピーカーを換装したほか、ラゲッジスペースにサブウーファーをインストールした程度だという。

サイバーナビLIMITED EDITIONのデモカー(トヨタGR86)

まず驚いたのは静けさだ。S/Nが高く、弱音部の見通しがかなりよい。それゆえか、音の立ち上がりがよく、リズム隊が気持ちよく鳴る。ヴォーカルもパイオニアらしい、やや温かみを帯びた再現。この音にはかなり心惹かれるものがある。

ダッシュボードにトゥイーターをインストール。ドアにウーファー、ラゲッジにサブウーファーを設けている

続いてワンボックスのデリカD:5でも聴いてみた。基本的な音の傾向は同じだ。空間オーディオの再現性も魅力だが、ステレオ再生でもまだまだやれることは多いことを、改めて教えてくれた。聴きながら、この音で家族とロングドライブしたら楽しいだろうな、という夢を描いた。

三菱自動車・デリカD:5

トゥイーターはドアにカスタムブラケットを介して配置

カロッツェリアブランドは、カーナビやスピーカーに留まらず、ドライブレコーダーやデジタルルームミラーなど、カー用品全般に及びつつある。

デジタルルームミラー

そして最近ではバイク用のナビもリリースしている。そのラインアップは拡大し続けているが、個人的にはワイアレス Android AutoやApple CarPlayに対応するバイク用のディスプレイユニットを望みたい。バイクのナビは、スマホをマウンターに取り付けるのが一般的だが、常に滑落と雨の危険性があるほか、振動でスマホのカメラが壊れる可能性もある。ゆえにスマホはバッグの中に仕舞いたいのだ。

バイク用スマホナビ

40周年を迎えたカロッツェリア。その歴史は「新しい真に価値あるものを提供する」という一貫した思いから作られたプロダクトの歴史であった。新製品群を見ながら、カロッツェリアブランドの未来は明るいと確信した。

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