高橋慎一監督の新作映画『ハバナの奇跡』、制作支援クラファン開始。社会主義国でのジャズクラブ誕生を追う
キューバの首都ハバナに“ジャズクラブを作るまで”を記録した映画『ハバナの奇跡』の制作を支援するクラウドファンディングが、3月17日にMOTION GALLERYで始まった。
映画は2027年の完成を予定しており、映画本編の編集やサウンド制作、カラーグレーディング、そのほか映画のデザイン・グラフィックなど映画完成に必要な一部の資金調達を目的としている。
同作を手がけるのは、映画作家・写真家の高橋慎一監督。1995年に初めてキューバを訪れて以来、約30年にわたり同国に通い続け、音楽と人々の暮らしを記録してきた。現地ミュージシャンとの交流を背景に、キューバで録音された音楽作品の制作や写真集の刊行などを行い、日本にキューバ音楽を紹介。『季刊・オーディオアクセサリー』や『季刊・アナログ』では、カメラマンとしても活躍する。
2015年に発表した初監督作品『Cu-Bop』も、クラウドファンディングで制作された自主作品となっており、東京都内での上映が連日満席となるヒットを記録。米国の映画祭にも選出されるなど、国内外で評価を得た。
さらに2023年公開の『THE FOOLS 愚か者たちの歌』では、日本の伝説的なパンクバンドを長期にわたり記録し、1年以上のロングラン上映を達成。米国、カナダでも配信されるなど、音楽映画として一つの到達点を示した。
そして最新作『ハバナの奇跡』は、キューバを代表するサックス奏者セサル・ロペスと、日本人の妻である聖子が、首都ハバナにジャズクラブを建設する過程を追う音楽作品となっている。

ロペス夫妻は、音楽家を目指すキューバの若手音楽家が、国外に出ずともジャズを発表できる場を作ることを目的にジャズクラブの建設を決心するが、計画は難航。
経済危機による資材不足や資金難、関係者の国外流出などが重なり、幾度も停滞を余儀なくされる。
それでも多くの困難を抱えながら、ジャズクラブのオープンを目指してセサル夫妻は突き進んでゆく……。
クラウドファンディングでは、目標金額を100万円に設定。すでに撮影は完了しており、プロジェクトは目標未達でも実施される「All in方式」を採用し、資金不足分は自己負担で補い完成を保証するとしている。
支援者向けには、過去作『Cu-Bop』のオンライン視聴、劇場公開ポスター、書籍、エンドロールへの名前掲載などのリターンが用意されている。


また、映画界を代表するクリエイターの結集も見逃せない。日本最高峰のマスタリングエンジニア/音楽家であるオノセイゲン氏がサウンドを担当。さらに、ポスター・劇中デザインを担当するのは、日本のインディーズシネマに広く携わる千葉健太郎氏。
加えて本作は「アーツカウンシル東京」の助成対象にも採択されており、完成後は海外映画祭への参加・上映など国際展開を視野に入れている。
今回のプロジェクトについては、次のように呼びかけている。
「世界の分断と争いが激しさを増す今、カリブ海の小国キューバから発進されるジャズを、ミュージシャンたちの音楽に賭ける熱い情熱を、多くの観客と分かち合うことがこの映画の使命だと感じています。旧世界秩序の崩壊と新しい地政学の時代≠ニ言われる昨今の世界情勢の中、この映画が現在進行形で世界をどうとらえるかの一助になることを確信しています」
作中で描かれるのは、「なぜ社会主義国であるキューバにジャズクラブが誕生したのか」「なぜ敵対関係にあるアメリカ合衆国の音楽であるジャズが受け入れられてきたのか」という問いだ。
高橋監督は「その答えはすべて映画『ハバナの奇跡』の中に記録されています。この大切なメッセージを一人でも多くの人と共有するために、ぜひ力を貸してほしい」と支援を呼びかけている。




























