音良しデザイン良し、デスクトップオーディオに最適。ruark audioで始めるいい音のある暮らし
コンパクトでデザイン良し、ruark audio
現代におけるアクティブスピーカーの可能性を広く紹介する本シリーズも今回で第5回。「価格帯を問わず」「デスクトップ利用に囚われず」という姿勢は、前回取り上げたAvantgarde「OPUS 1」でひとつのピークに達したものと思う。
そこで今回は基本に立ち返る意味もかねて、「コンパクトで扱いやすく、オーディオ初心者にもやさしい」モデルとして、ruark audio(ルアーク・オーディオ)「MR1mk3」を紹介する。
ruark audioは単体オーディオも手掛ける一方、ライフスタイルに寄り添ったオールインワンスピーカーをラインナップの中心としており、MR1mk3は同社の単体アクティブスピーカーの事実上の最上位モデルである。なお、組み合わせるサブウーファーとして「RS1」もラインナップされている。
PCやレコードプレーヤーとも接続可能
MR1mk3の仕上げはウォルナット木目とチャコール(マットブラック系)の二種類が用意されており、ブランドイメージとしては圧倒的に前者であり、今回のテストも前者で行っている。なお、フロントカバーはデザインとして組み込まれており、ユーザー側で取り外しはできなかった。
外形寸法は13.5W×20H×18.5Dcmで、連載で取り上げた中では断トツでコンパクト。柔らかなウォルナット仕上げもあいまってオーディオ的なメカメカしさ・仰々しさは可能な限り抑えられている。
小型ながら接続性はかなり充実しており、PCとの接続用のUSB、テレビとの接続を意識した光デジタル、昨今のレコードブームを反映したと思しきMM入力、アナログ機器との接続のための3.5mmステレオミニ入力のほか、Bluetooth接続も可能。アナログ入力がフルサイズのRCA端子ではないあたり、メーカーとして優先順位がはっきりつけられているように見える。
各種接続やコントロールを行うメインのスピーカーは右チャンネルであり、左側への接続として3メートルのケーブルが付属する。
ユニット構成は20mmシルクドーム・トゥイーターと85mmウーファーを搭載。先述の通り本機はフロントカバーを外せないので、実際のユニットがどうなっているかは確認できない。アンプは高域・低域それぞれに割り振られているバイアンプ仕様だ。
本機のバスレフポートは底面に設けられており、また底面四隅には樹脂製フットが取り付けられているため、設置はしやすい。バスレフポートを底面に設けることで奥行きを増やすことなく深い低域のチューニングを可能にし、ポートを塞がないためのフットの存在が設置のしやすさに寄与する。再生品質とユーザー志向を両立した優れた設計といえる。
【音質・使用感】
本連載のレギュレーション通り、MR1mk3もまた筆者の環境下(※)で、デスクトップユース・リビングユース双方のテストを行ったのだが、帯域バランスがいまひとつと感じられたので、公式のイメージ写真を参考に「より常識的な」デスクトップのセットアップを試したところ、これがうまくハマった。(※筆者の机のサイズは160×80cmで、それを目いっぱい使ってセットアップしているため、デスクトップであってもスピーカーユニット間の距離は120cmほどある)
ほどほどの規模感と音量で聴くMR1mk3は高域から低域までバランスの取れた見事な再生音となる。特に躍動感とじゅうぶんな量感を両立した低域は見事で、本機のコンパクトさを考えれば出色の体験だ。下向きのバスレフポートと、机やラックの天板に置くことを前提とした設計の賜物といったところか。
分解能も優秀で、音数が多い曲であってもどろどろと混濁することなく、箱庭的に精緻な空間が描かれる。やはり、スピーカー含めて100cmほどにおさまるくらいの規模感が本機の「スイートスポット」ということか。
MR1mk3をより大きな環境・音量で活用しようと思えば、その時こそ純正サブウーファーRS1の出番だろう。
インテリア的なセンスに欠ける筆者には、真の意味でMR1mk3の魅力を伝えることは難しいかもしれない。それでも、本機の「いい意味でオーディオらしくない」生活に溶け込むデザインは理解できるし、そのうえで、スピーカーとしての能力をしっかりと両立している点に価値を見出せる。
「ライフスタイルへの融合」というテーマは、別途アンプを必要とするパッシブスピーカーでは難しい面もあり、アクティブスピーカーの強みが生きる領域でもある。MR1mk3はまさにそのニーズを満たす、「アクティブスピーカーの可能性」の一面を体現するモデルといえる。
