【香港ショウ】アジア最大級のオーディオショウ開幕。世界のハイエンドブランドが集まり活気に溢れる
8月8日(金)より、香港にて「香港高級音響展」(以下・香港ショウ)が開催されている。今年も現地レポーターとして参加しているので、その模様を報告しよう。
記者も香港ショウには過去何度も足を運んでおり、アジアのハイファイオーディオ市場の“ハブ”として注目してきた。
香港がハイファイオーディオ市場のハブであることにはいくつかの理由がある。地理的にアジアの中心であること、歴史的な事情から英語が公用語であり、欧米のメーカーにとってコミュニケーションが取りやすいこと、富裕層が多く在住することといったことなどが挙げられる。
一方で昨今の政治的情勢の危うさから、「香港は厳しいのではないか」という声も聞こえてくる。今年はマレーシア・ペナンや中国・上海のオーディオショウにも足を運んでいるが、いずれも未来のハイファイオーディオ市場を見据えた、非常に活気に溢れたショウであった。
香港の先行きについて少々不安を覚えながらの1年ぶりの再訪となったわけだが、結論から言うと、「(将来的な不安は含みつつも)現時点ではやはりアジア最大級のオーディオショウ」であろう、ということだ。昨年の参加者は30,000人と発表されているが、初日を終えた体感としては、おそらく今年も同程度の人数が集まることだろう。
会場は昨年と同じ「香港コンベンション&エキシビションセンター」。新たに会場に直結した「コンベンションセンター駅」が完成しており、香港各地からのアクセスはさらに良くなった模様。主催するのは香港のオーディオ専門メディア『音響技術(AUDIOTECHNIQUE)』である。
日本のショウとの違いとしては入場料が必要となる点で、今年はシングルチケットが100香港ドル(日本円で約2,000円弱)。参加者にはオーディオファイル向けにセレクトされたSACDハイブリッド盤「原音精選2025」がプレゼントされる。
昨年はdCSの5筐体式フラグシップDAコンバーター「Varese」が発表されたことが大きな話題となったが、今年はスウェーデン・Martenのフラグシップスピーカー「Coltrane Supreme Extreme」の、初の音出しデモが大変な盛況となっていた。
ヨーロッパメーカーからの参加者も多く、“グローバルショウ”であり、メーカーと代理店による“商談の場”(BtoB)でもあるという位置づけは変わっていないようだ。
一通り見回ったところで昨年との大きな違いを指摘するなら、スーパーハイエンドオーディオのための大型ルームが新たに設けられていたことと、イヤホン関連ブースが大幅に増えていた、ということが挙げられる。
香港ショウの構成は、ハイエンド・オーディオを中心に取り扱う代理店による、21個の個室ブース(2Fと4F)と、幕張メッセのような大ホールを区切ってブースを設ける3Fの3フロアから構成される。3Fホールのイヤホン関連ブースは非常に増えており、見知らぬ名前のブランドも多く見かけた。一方でオーディオビジュアルのブースは片手で数えるほどしか見なかった。
新設された大型ルームはFUNG NING AUDIO EQUIPMENT ASIAというハイエンド・オーディオブランドのみを取り扱う代理店のブースで、先述のMartenが発表されたほか、GOLDMUNDやTechDASなど、世界のトップクラスのオーディオ製品が集結。若い世代も含めてとにかく人が多く、気軽(!)に1.6億円スピーカーとツーショットを撮る来場者も多い。
さらに、情家みえさんらがパフォーマンスを行うライブステージも用意されている。
オープニングイベントにおいて、主催の『音響技術』代表のレベッカ・チンさんは、「世界中のオーディオブランドがこの香港に集まってくださったことを大変うれしく思います」と挨拶。さらにアキュフェーズの齋藤相談役は、現地代理店HMGの社長とともに登壇し、香港ショウの重要性を強くアピールする。
続けて、銅鑼とクラッカーによるパフォーマンスで盛大に開幕を祝う。100人以上のメディアや関係者が集結し、ざっと見回した限りでも、イギリスや中国、マレーシア、シンガポール、台湾のメディアの顔も見かけた。
香港ショウへの関心はまだまだ高い。今年はどんな新製品やアイデアに出会えるのか、とても楽しみにしている。































