【上海ショウ】日本未導入!ハーマン・カードン with テスラのカーオーディオシステムを聴いた
自動車メーカーに純正として採用されることも多いJBLとハーマン・カードンのカーオーディオシステム。それゆえ目にすることも多い。いっぽうアフターマーケットに目を向けると、日本ではJBLの車載用ユニットは販売しているものの、ハーマン・カードンは販売されていない。
だが海外では状況が異なるようだ。7月11日から13日まで開催された、上海インターナショナルオーディオショウでJBLとハーマン・カードンのシステムを搭載した2台のデモカーを展示していたので、試聴と共に担当者から話を少し伺った。
用意されていたのはJBLのスピーカーを搭載したフォルクスワーゲン・Tクロスと、ハーマン・カードンのスピーカーを搭載したテスラ・モデルY。いずれも上海の街中で、高確率で見かけるブランドだ。
担当者に話を伺うと、ハーマン・インターナショナルは、“JBLを若年層向け、ハーマン・カードンをハイエンドブランド”として位置づけているという。それゆえか、高級ブランドの自動車にハーマン・カードンを純正採用する傾向がみられる。そしてこれらの車種が購入できる年齢を重ねた人は、音楽や音質への要求も高いと分析。中国のカーオーディオのアフターマーケット市場は年々増加傾向という追い風もあり、2019年に中国国内でハーマン・カードンの販売を始めたという。
ちなみにJBLを若者向けとするハーマンの方針は自動車に限ったものではないようで、上海インターナショナルオーディオショウの会場では、Summitシリーズの他にJBLブランドのワイヤレススピーカーやゲーミングデバイスなどを訴求していた。
気になる価格だが、最上位グレードで比較するとJBLが2万3000人民元(日本円で約46万円)であるのに対し、ハーマン・カードンはその倍以上となる5万6000人民元(日本円で110万円以上)とのこと。それでは聴いてみることにしよう。
まずフォルクスワーゲンに搭載するJBLシステムを試聴した。ダッシュボードの中央部に取り付けられたトゥイーターが目に飛び込んでくる。クッキリハッキリとした陽性のサウンドを聴きながら若者向けという言葉に納得。往年のJBLからイメージする音とは異なるが、現代JBLの音であることに違いはない。またシートにサウンドエキサイター(振動スピーカー)を埋め込んでいるようで、低域の度に体を揺らす。これもまた若者向けなのだろう。
ではハーマン・カードンはというと、テスラが電気自動車ということもあってか、S/Nの良さが印象的。OEM採用のハーマン・カードンとは全くことなるハイレゾリューションでややクールな音色だ。音場の広さも印象的で、特に上下方向の再現が見事。現在のハイエンドオーディオの潮流に沿っているようにも思える。
OEMブランドだと思っていたハーマン・カードンの本気に触れた気がした。例えば既にハーマン・カードンのシステムを搭載している車両のアップグレードキットとして、日本でも販売してはどうだろうか。その価値は十分にあると想う。































