<OTOTEN>新鋭国産ホーンスピーカーブランドM's factoryが初出展/台湾ルーカンオーディオも注目展示
国内最大級のオーディオイベント「OTOTEN2025」が、6月21日(土)と22日(日)、有楽町の東京国際フォーラムにて開催されている。ここでは、スピーカーブランドのニューカマー、ホーンスピーカーを展開するM's factoryと台湾のルーカンオーディオを紹介する。
現代の技術でホーンスピーカーを復活させる
M's factoryは日本で誕生したホーンスピーカーブランド。かつて日本には、ゴトウユニットやエール音響といった世界でも長く愛されたホーンスピーカーブランドが存在した。彼らのスピリットを引き継ぎ、現代の技術で改めて開発できないか、という思いで立ち上がったブランドとなる。
OTOTENには今回初出展となり、オリジナルの4ウェイスピーカー「MS10000」を披露。4ウェイすべてがホーンスピーカーで、ウーファー「MW380D」、ミッドウーファー「MM12」、ミッド「MH048」、トゥイーター「MT018」から成る巨大システムだ。価格は3000万円、受注生産で納期は約6ヶ月となっている。
「MRIにも匹敵する」という強力な磁束密度を持つマグネットを活用、大型のホーン部分はカーボン系素材による3Dプリンターで作成されているそうで、最新の技術をいかに活用しながら、ホーンスピーカーの旨味を引き出すかにこだわって開発されているそうだ。
オーディオ評論家の土方久明氏による講演も実施され、ホーンスピーカーならではの魅力をたっぷり解説。アナログ再生にはリトアニアのReed、プリアンプはDVASの「MODEL 3」、パワーアンプはDVASが今回のショウのために特別に作ったプロトタイプを活用。来場者もホーンスピーカー独特の形状に驚きつつも、その生々しい音色、声の魅力に耳を傾けていた。
グローバルに評価を高めるルーカンオーディオ
台湾のルーカンオーディオ(Lu Kang Audio)は昨年のOTOTENに続き2度目の出展。CEOのロックス氏はドイツのミュンヘン・ショウやアメリカ・アクスポナ、マレーシアのペナンショウにも足を運び、積極的にグローバル展開を仕掛けているが、「やはり日本市場でもルーカンオーディオのスピーカーをしっかり根付かせたい」とOTOTENへの参加にも非常に意欲的だ。
今回はブックシェルフ型の「Spoey 155」と、フロア型の「Spoey 230FS」の2モデルをメインに試聴ブースを用意。アキュフェーズのプリ&パワーアンプを活用していたが、これはホーム商会で組み合わせを試した際に非常に音質クオリティが高かったことから、この組み合わせでOTOTENデモを行うことにしたのだという。
取材時にはブックシェルフ型の「Spoey 155」が再生されていたが、低域の制動感や高域の伸びやかさなど、ずっと聴き入っていたくなる柔らかで豊かなサウンドに満ちる。ロックス氏も、「これだけ小さいスピーカーで、部屋全体を音楽で満たすことができることは私たちのスピーカーの大きな強みです」と胸を張る。
ラックは、同じく台湾のMYST[J](ミスタージェイ)を活用。棚板は極厚のバーチ合板、ステンレスと航空機グレードアルミニウムによる支柱で、高さに応じて支柱の長さを調整できるモジュール式となっている。グレードによってRXシリーズ、CMSシリーズなど複数を用意。
ルーカンオーディオとMYST[J]の代理店を担当するWAPANのマックス氏(台湾生まれだが日本語も闊達!)も、「OTOTENで多くの方に音を体験していただきたいですし、日本でも取り扱いいただける販売店をさらに増やしていきたいと考えています」と日本市場開拓に向けた意欲を語ってくれた。































