<OTOTEN>IMAX Enhanced対応ベンツでイマーシブ体験/パイオニア、十数年ぶりの旗艦カーオーディオシステムを初お披露目
オーディオ・ホームシアターの展示会イベント「OTOTEN2025」が、本日6月21日(土)、明日22日(日)の2日間にかけて東京国際フォーラム(有楽町)にて開催されている。本項ではガラス棟B1階のカーオーディオ系展示ブースについて紹介する。
IMAX Enhanced対応ベンツでDTS:Xを体験
Xperiは、立体音響コーデック「DTS:X」に対応したメルセデス・ベンツのEクラス「E200 AVANTGARDE」を用意し、本年1月に「CES 2025」で世界初披露された、ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントが提供する車載向け映像ストリーミングサービス「RIDEVU(ライドビュー)」による、IMAX Enhancedコンテンツのデモンストレーションを実施。

RIDEVUは昨年12月よりベンツ車への提供がスタートしており、フロントディスプレイはもちろん、オプションの後部座席用のディスプレイ、またスマホやタブレットでも利用することが可能。現時点で約800ほどのコンテンツが用意され、IMAXコンテンツの配信も行われている。
IMAX Enhanced対応作品はアスペクト比が16:9の独自比率になっているため、一般的なシネスコと比べて26%ほど情報量が多く、またDMR(Digital Media Remastering)プロセスで映像の最適化が行われる。さらにDTS:Xの立体音響を楽しめる点が魅力とのこと。
展示されたE200 AVANTGARDEにはブルメスターの「4Dサラウンドサウンドシステム」を搭載。総計730Wの17スピーカーと、サブウーファーのように振動する「エキサイター」をシートに埋め込んだ15chシステムで、3Dの立体音響+エキサイターの振動で “4次元の音響” を楽しめるという。


記者も試してみたが、クルマの中とは思えないほどにサウンドステージが広く、オブジェクトも前後左右、そして上下に大きく動くさまが分かる。さらにエキサイターの振動が背中からダイレクトに伝わってくるため迫力もたっぷり。ブルメスター謹製システムが素晴らしいことももちろん大きな要因ではあるが、ホームシアターに引けを取らない映像体験がクルマでできることに感心させられた。
IMAXへの対応は現在進めている最中であり、日本では年内の提供を目指しているとのこと。クルマのIoT化、自動運転の進化などで車内エンタメ環境の充実が大いに脚光を集める現在、DTSの動向にも注目していきたいところだ。
パイオニア「GRAND RESOLUTION」が初お披露目
東北パイオニアは、7月に発売を予定しているカーオーディオシステム「GRAND RESOLUTION」を搭載したトヨタ「GR86」を展示。ブランドとして実に15〜20年ぶりのフラグシップシステムということで、整理券の配布が一時ストップするほどの賑わいを見せていた。

TADのCSTドライバー技術などを用いつつ、「パイオニアとして改めてより良い音を追求した」と自信を見せる本システム。一般向けのお披露目は今回が初めてで、実際、「これを聴くために来た」という来場者もいたそうだ。
担当者も「(試聴した方は)みなさん満面の笑みで『すごかった』とおっしゃってくださった」としながらも、「我々はこれが完成形だとは全く思っていない。発売して、お客様がどう使われるかを参考にさせていただき、今後の開発に繋げていきたい」と意気込みを語ってくれた。
アウトランダーユーザーの6割が選ぶヤマハサウンドシステム
一方、今回が初出展となる三菱自動車は、ヤマハと共同開発した最上位オーディオシステム「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」搭載の「アウトランダーPHEV」によるデモを実施していた。

アウトランダーPHEVには4つのグレードがあり、うち最上位グレードモデルでDynamic Sound Yamaha Ultimateが標準装備されている。残りの3グレードでもオプションとして搭載は可能で、アウトランダー全体で見ると実に6割で同システムがインストールされているほどの人気を誇っているそうだ。
担当者は「クルマの中を快適に楽しく、気持ちよく過ごしてほしい、というところでオーディオはすごく貢献してくれると思う。なので決してマニア的な楽しみ方だけではなく、シンプルにドライブを楽しくするためにも、ぜひオーディオは良いものを使っていただきたい」とアピールする。
JBLのハイエンドサウンドをランドクルーザーで再現
ハーマンインターナショナルは、同社JBLブランドのプレミアムサウンドシステムが搭載されたトヨタ「ランドクルーザー 250」の展示を実施。14スピーカー+専用アンプを搭載し、同車で「JBLのサウンドを再現」すべく専用チューニングが施されているという。

担当者によると「アメリカなどはJBLブランドのネームバリューが強くオプションとして選択される方が多いのに対し、アジア圏だとイヤホン・ヘッドホンメーカーとして認知されているケースが多く、オプション選択率が低くなってくる。そのため、『JBLはハイエンドオーディオブランドである』という認知をアジア圏でしっかり広げていくことが大事だと考えている」とのことだ。



