公開日 2024/04/10 11:33

音元出版・新試聴室にB&W「802 D4」を導入。サウンドマスター澤田氏が語るセットアップのコツ

「わずかな違いを正確に再現」することが決め手
季刊Audio Accessory編集部
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PHILE WEBの運営母体である音元出版は、この4月、数十年ぶりに引っ越しを行います。それに伴い、新たな試聴室を施工しましたが、そのHiFiオーディオ専用の試聴室に、新たにイギリスのBowers&Wilkins(以下B&W)のスピーカー「802 D4」が導入されることになりました。これまでも当社では「803 D4」を使用していたので、そのワンランク上のモデルも加わったかたちになります。

「季刊・オーディオアクセサリー」編集長の伊佐山勝則(左)と、D&Mシニアサウンドマスターの澤田龍一さん(右)

今回の導入にあたり、B&Wの輸入元であるディーアンドエムホールディングスで、ブランド普及に大きく尽力してきた、D&Mシニアサウンドマスターの澤田龍一さんにご来社いただき、「802 D4」のセッティングをサポートいただきました。

届いたばかりの「802 D4」を開梱中!段ボールも非常に合理的に組み立てられており、ものの10分程度で開梱終了

試聴室の施工は、音楽ホールやスタジオ設計などで多くの実績を持つ日本環境アメニティさんにお願いしました。部屋は一般的なオフィスビルに作っていますから、床を浮かせて強固な構造体を作り、天井も吊式とするなど防音対策を万全に施しています。また、部屋の定在波を極力抑えるべく、壁と天井に並行面を作らない形状となっており、壁も吸音と反射をコントロールするために複数の素材を活用しています。

壁や天井に並行面を作らないよう複雑な形状の部屋になっています

小社刊行のHiFiオーディオ専門雑誌『季刊・オーディオアクセサリー』編集長の伊佐山勝則は、今回B&Wの「802 D4」を導入した理由について、「やはり、実際に使っている日本のユーザーが多いスピーカーであるということが重要でした」と語ります。「『季刊・オーディオアクセサリー』はアンプやプレーヤーといったコンポーネント機器はもちろん、ケーブル類や仮想アース、ラックといったさまざまなアクセサリー類の比較試聴を行い、その音質を正しくレポートすることを使命としています。そのためには『わずかな違いを正確に再現すること』がもっとも重要であり、『802 D4』はそういった用途にふさわしいスピーカーです」。

「季刊・オーディオアクセサリー」では、紹介するほとんどすべてのオーディオ機器・アクセサリーについて試聴を行い、音質をレポートしています

「季刊・analog」も音元出版にて刊行しています。こちらはアナログプレーヤーや真空管アンプなどに特化した雑誌で、美術やワインなどアナログにこだわった豊かな生活を提案しています

試聴室の広さはおおよそ22m2。澤田さんも、「この部屋のエアーボリュームならば、802 D4がもっとも適したサイズと言えるでしょう」と太鼓判を押してくれました。「エアーボリュームは単純に床の面積だけではなく、壁の向こうの空気を含んだスペースも計算に入れた上での判断となります。各種オーディオ製品の聴き比べをする、という意味ではベストチョイスでしょうね」。

澤田さんにセットアップについてアドバイスをいただきます

それでも澤田さんは、「(音が)簡単に落ち着くと思わないほうが良いでしょう」と釘を刺します。新オフィスには、まだ完成したばかりで、塗料などの匂いもわずかに残っています。「私はスピーカーが部屋に住み着く、という表現をしたりしますが、やはりある程度馴染んでこないと、しっかりとした良い音は出しきれません。そうですね、大体1年くらいはかかるんじゃないでしょうか」。

ミッドユニットの裏側でシリアルナンバーを確認できます

実際に、アキュフェーズのCDプレーヤー&アンプで「802 D4」を試し運転してみました。高域の伸びやかさには流石のダイヤモンドトゥイーターの美点も光りますし、低域はウーファーのマッシブな制動力でしっかり下支えしてくれています。とはいえ、楽曲によっては少しボワつき感や重さを感じるところも…。これからスピーカーと部屋がどう馴染んでいくか、その過程もしっかり楽しんでいきたいところです。

澤田さんには、具体的なセッティングについてもアドバイスをいただきました。「私が仕事として使うならば、という前提の上ですが、スピーカー間の横幅は大体2mくらい。そして奥行き方向については、スピーカーを壁から離し、試聴位置を一辺2mの正三角形の頂点に設けます。かぶりつきというか、少々ニアフィールドっぽい雰囲気ですね。そして、だんだん部屋とスピーカーが馴染んできたら、少しずつ距離を離して、よい塩梅を探っていきます。最初からルームチューニングをあれこれやると、わけがわからなくなりますから、まずは馴染ませることを大切にしてください」。

部屋の音響システムに悩むオーディオファンにとっても役に立つアドバイスをいただきました。「たとえば床と壁の境目、通常直角になっているところなどは特に効くので、対策すべきです。ここにちょっとしたものを置くといった工夫でも、かなり音質は変わります」。今回はまだ試聴室の本格始動前で、アクセサリー類が何もない状態でしたので、(暫定的に)スリッパを置いてみました。さらにスピーカーケーブル下にもスリッパを配置。すると、なんだかグッと音像が締まってきたような…。

まずは(暫定的ですが)セットアップ完了。次号の「季刊・オーディオアクセサリー」はこの部屋から試聴レポートをお届けします!

オーディオ用の試聴室をまったく新たに施工するのは30年以上ぶりのことで、編集部一同、不安と楽しみな気持ちでいっぱいです。4月15日より正式に新オフィスに移転となります。5月25日に発売となる次号の「季刊・オーディオアクセサリー」からは、この新試聴室からのレポートをお届けいたします。新たな音元出版の取り組みに、引き続きご期待ください!

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