• ブランド
    特設サイト
公開日 2015/10/22 14:00

SHURE、初のコンデンサー型イヤホン「KSE1500」。8年かけて開発

新方式を採用したニューフラグシップ
編集部:風間雄介/ 小澤麻実
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
シュア・ジャパンは、SHUREブランドより、コンデンサー型イヤホンシステム「KSE1500」を発売する。本日、都内で製品発表会が開催された。発売日は2015年12月末から2016年1月になる見込み。価格はオープンだが、36万円前後での販売が予想される。

SHURE「KSE1500」

製品の詳細

MicroDriver1基を搭載したコンデンサー型イヤホン(特許出願中)と、96kHz/24bitまで対応した専用USB-DAC内蔵アンプのシステム。開発には8年ほどかかったという。イヤホンとアンプ部はどちらも単体で使用することはできず、組み合わせて使用する。またイヤホンとDACアンプは6ピンLEMOコネクター接続となるが、他のLEMOコネクターデバイスとの接続もできない。なお、イヤホン部のケーブルは取り外せない仕様となっている。

KSE1500の実機

イヤホンとDACアンプは6ピンLEMOコネクター接続

ダイナミック型でもBA型でも、ハイブリッド型でもなく、コンデンサー型という新たな方式を採用。これはダイアフラムの両側を固定極板で挟み、直流電圧(200V)をかけると、音楽信号がある瞬間に片方の固定極板がプラス/もう片方がマイナスになる。するとダイヤフラムがこれに引かれ合ったり反発したりすることで振動が発生するというもの。

コンデンサー型ドライバーの内部構成

一般的なコンデンサー型製品との比較

コンデンサー型のポータブルイヤホンとしてはSTAXの「SRS-002」もあるが、「KSE1500」はSHUREとして初めてのコンデンサー型モデルであり、同社は「世界初の高遮音性コンデンサー型イヤホンシステム」と紹介。「これまでのドライバーは大型で、一般的にオープンバック型だったが、我々はこれを超小型にし、インイヤー型にした。これにより遮音性能も高めることができた」と紹介している。

イヤホン部


コンデンサー型イヤホンの振動板は質量がきわめて小さいため、精度が高く、高速に動かすことができるのが特徴。これにより、精緻な音の再現に求められる高速なトランジェントが得られるという。発表会では、マルチBA方式を使ったSE846とのグラフを見せながら、KSE1500が元の音源を正確かつ忠実に再現できることが紹介された。

SE846とKSE1500の特性を比較

コンデンサー型イヤホンの振動板は質量がきわめて小さいため、精度が高く、高速に動かすことができるのが特徴

再生周波数帯域は10Hz〜50kHzで、ハイレゾロゴマークも取得している。最大音圧レベル(1kHz@3% THD)は113dB。イヤホン部の質量は44.0g。



アンプ部にはD/Aコンバーター(シーラス・ロジック製「CS4272」)とA/Dコンバーターをともに搭載し、デジタル/アナログ入力に両対応する。アンプ部の外形寸法は59W×111H×21Dmm、質量は182g。筐体はアルマイトで、カラーはブラック。

KSE1500のアンプ部

底面にはmicroUSB端子を搭載。入力をライン/USBで切り替えるスイッチも用意


本体左側面には電源ボタンとホールドボタンを用意

背面。DAPと重ねて使える滑り止めも備えている
デジタル入力にはUSB Micro-B端子を備え、Micro-B Lightningケーブル、Micro-B OTGケーブルも付属。これによりPC/Macはもちろん、iOSデバイスやAndroidデバイスとも接続できる。対応サンプリングレートは96/88.2/48/44.1kHz、対応量子化ビット数は24/16bitとなる。たとえば192Hz/24bit音源を再生する場合は、再生機器側で96kHz/24bitにダウンコンバートして出力・再生するかたちとなる。

アンプの内部構成

なお、アンプ部のUSB-DAC機能が96kHz/24bitまでの対応なのは「どんな製品とでもつないだだけで再生できることを重視したので、96/24までの対応で良いと考えた。またKSE1500は持ち運びやすさを重視した製品だが、ネイティブ192/24対応スペックにするとバッテリーを食う。とは言え色々な製品がデフォルトで192/24対応になっていけば、SHUREも将来的に192/24対応製品をちゃんと出していく必要があると考えている」との考えを示した。

アナログ入力には3.5mmステレオミニ端子を装備。ハイレゾポータブルDAPから本機にアナログ出力し、再生することもできる。

アナログ入力には3.5mmステレオミニ端子を装備

ポータブルサイズの筐体のなかでノイズ源や干渉源を分離したり、高電圧部と低電圧部を分離するため、通常のPCB基板は4〜6層程度で構成されるところ、本機は10層で構成しているという。

そのほかアンプ部には、4バンドのパラメトリックイコライザーも装備している。プリセット5種のほか、カスタマイズ可能なユーザー設定も4つ記録できる。またアナログバイパスモードも装備し、アナログ入力したものを、デジタル回路を一切通さずに出力することも可能だ。


4バンドのPEQを搭載

また、内蔵のリチウムイオンバッテリーは、アナログ(バイパスイコライザーモード)で最大10時間、USB入力/アナログ入力(イコライザーモード)で最大7時間の連続駆動が可能。USBから充電する方式で、充電しながらリスニングを行うことも可能だ。

操作はボリューム兼用のノブで行い、ノブを上からダブルクリックすると、カラーの有機ELディスプレイにメニューが表示される。各項目間の移動はノブを回すことで行い、決定する際はノブを押す。またサイドに用意された電源ボタンを押すと「戻る」ボタンとして機能する。

有機ELディスプレイを搭載している

操作はボリューム兼用のノブで行う

ケーブルは、コンデンサー型ヘッドホンで一般的なフラット形状のリボンケーブルではなく、小型かつ丸型のイヤホンケーブルを開発し、採用した。耐久性にも配慮したとのことで、ケーブルの開発だけで3年ほどかかったという。

静電容量を抑えつつ丸型を実現できるよう、ケーブルの開発にも長い時間をかけたとのこと

同梱物はKSE1500コンデンサー型イヤホンシステム、USB電源アダプター、Micro-Bライトニングケーブル、Micro-B OTGケーブル、3.5mm ケーブル 2本(15.2cm, 96.4cm)、6.3mmアダプタ、レザーキャリングケース、航空機内用アダプター、アッテネーター、ケーブル クリップ、セキュリティバンド 2本、マイクロファイバー製クリーニング用クロス。2年間の製品保証が付いている。

同梱物一覧

また、機能はファームウェアアップデートで更新することが可能になっている。

次ページSHURE本社のキーマンが開発秘話を語る

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 Apple Musicも聴ける高コスパ ネットワークプレーヤーeversolo「DMP-A8」。音質と使いこなしを徹底検証
2 Amazon Prime Videoの人気8チャンネルが2ヶ月間99円に!GW期間中キャンペーン
3 アップル製品がAmazon/ヨド/ビックなどで最安値級セール。どこが一番安い?
4 コンパクトでハイコスパ、そして音が良い! Kanto Audio「YU2」がデスクでのスピーカー再生を楽しくする
5 ソニー、4スピーカーで立体音響を実現するシアターシステム「HT-A9M2」。新スピーカーで高音質化
6 Netflixで「ご利用世帯の登録」画面が表示された場合の対処法は?
7 クリプトン、内部配線材と吸音材を強化したピアノ仕上げ・密閉型スピーカー「KX-0.5P II」
8 『鬼滅テレビ -柱稽古編放送直前SP-』5/4 13時25分から無料配信。公開生放送の観覧受付開始
9 ソニー、新フラグシップサウンドバー「HT-A9000」。単体で独自立体音響に対応/約36%の小型化も
10 ネット動画も大画面で手軽に楽しめるREGZA「40V35N」が初登場1位 <AV製品売れ筋ランキング3月>
4/30 11:19 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー192号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.192
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX