公開日 2016/09/03 17:24
<IFA>“ES”のこだわり満載。ソニーの据置ヘッドホンアンプ「TA-ZH1ES」開発者インタビュー
デジタル+アナログハイブリッド構成
■「FPGA」を使用、PCM 768kHz/32bit、DSD 22.4MHzに対応
内部の信号処理については、S-master HXによる音声信号とDSDマスタリングエンジンを理想的に信号処理する目的で、プログラム可能なデバイス「FPGA」を使って構成されている。
信号入力は最大768kHz/32bitのPCM、さらに22.4MHzのDSDに対応。またHDDオーディオプレイヤーのHAP-Z1ESでも搭載されていた「DSD Remasterring Engine」も搭載している。同エンジンはDSD11.2MHz対応に進化し、すべてのPCM信号をDSD11.2MHzに変換して再生することが可能となった。
ソニーのオーディオの本流として、筐体構造にも力が入っている。シャーシはソニーのオーディオ機器”ESシリーズ”でも培われた技術を用いて「FBシャーシ」を採用。アルミブロックから押し出した高剛性素材をベースに、天板に鉄とアルミを使い、共振ポイントを変えることで高音質化を図っている。
それにしても、ブラックの筐体と、フルサイズではない本体サイズは、”ESシリーズ”としては珍しい。
「お客様にヘッドホンアンプを使って頂くことを想像したとき、まずはじめにオーディオコンポとともに置かれるものか、PCの横に置いて使われるかを考えました。TA-ZH1ESの場合、PCの横に置いて使っていただくものと想定し、このデザインにたどり着きました」。現代的なヘッドホンユーザーにアプローチすることを最優先したようだ。
ヘッドホン関連端子は、アンバランスのヘッドホンが2系統(6.3mm、3.5mm)に加えて、バランスのヘッドホン出力を2系統搭載している。バランスについてはソニーのMDR-Z7などで採用されている3.5ミリ、JEITAの新規格である4.4ミリ(関連記事)、XLR4方式と3方式をサポートする。
信号入力はUSB入力のほかにコアキシャル、光デジタルの入力にも対応。なお背面にはアナログのプリアウトも搭載しており、可変ボリュームの設定も可能となっている。つまり本機をプリアンプとして使うこともできるということだ。アクティブスピーカーと直接つないだり、パワーアンプにそのまま送り出したり、といった使い方も可能となる。
同氏は「TA-ZH1ES」について、「ソニー社内、特にデジタルアンプとアナログアンプの技術者だけでなく、ヘッドホンを開発しているチームも密接に連携したうえで完成した製品」と強調していた。
IFA会場内で初披露された「TA-ZH1ES」だが、日本での発売も期待される。同時にIFAで披露されたフラグシップヘッドホン「MDR-Z1R」やウォークマン「NW-WM1Z」と共に、ソニーですべて完結するハイエンドヘッドホンの世界を構成していくことになるだろう。
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