ハイレゾストリーミングのある生活、始めよう!VGPでも高評価、ブルーサウンドによる“ミニマム”オーディオシステム
ハイレゾストリーミングのある生活、始めよう
ロスレス・ストリーミングサービスの浸透が著しい昨今、手軽かつシンプルにその醍醐味を味わえるアンプ内蔵ストリーマーが存在感を強めている。その筆頭と言えるのが、BLUESOUND(ブルーサウンド)のNODEシリーズであろう。
ブルーサウンドは、カナダのオーディオブランドで、高度なソフトウェア開発技術を有し、全ての製品にオリジナルOSである「BluOS」を搭載することが最大の特徴。アンプやスピーカーを内蔵した幅広いスタイルのストリーマー製品を数多くリリースしてきた。
ミニマルなデザインの外観、確かな音質、そして、手頃なプライスを実現させ、実質的にも小型ストリーマー市場を牽引する存在と言えるだろう。
そこで今回は、中核モデルとなるアンプ内蔵ストリーマー2機種をスピーカーと組み合わせて試聴し、その魅力を再検証してみた。
ストリーマーとスピーカーだけでシステムが完結
両機ともに本体1台とスピーカーだけで再生環境が整うことが最大の魅力である。本体もスタイリッシュなデザインで樹脂素材ながらもチープさがなく、そしてコンパクトで置き場を選ばずに、現代的なオーディオの姿を体現している。ネットワーク入力を中心に、USB-A入力、eARCに対応したHDMI入力を備えるほか、サブウーファー出力を備えているなど、コンパクトに使えながらも、テレビとの連携ができるなど汎用性が高い。
そして、何よりもの特徴がBluOSの存在だ。完全な独自OSとして、ストリーミングをはじめ、本体の入力切り替えやボリューム操作、各種の設定などが、コントロール・ソフトウェア「BluOS Controller」上で操作可能となっている。
対応するデバイスは、iPhoneやAndroidなどのスマートデバイスはもちろんのこと、Windows/Macなどパーソナルコンピュータ上からも全く同様にコントロール可能な点が秀逸だ。これによって、ネットワーク上の様々なデバイスから便利に扱うことができる。
また、細かな点だが、BluOSでは、接続した複数のミュージックサーバーを一元的に管理、すなわちひとつのミュージックサーバーとして横断的なファイル運用が可能な点も特徴的で、ストリーミングだけではなくリッピング音源やダウンロード音源など、多数のローカル・ファイルライブラリを便利に楽しみたい人にとって嬉しい仕様と言えるだろう。
音質レビュー1 - ハイコスパで攻める!POWERNODE EDGE
POWERNODE EDGEは、その名の通り、薄型でフロント部分が傾斜した、程よくエッジなデザインを持っている。同じくアンプを内蔵しているPOWERNODEと比べると、一層その薄さが際立っており、スリムでクールなスタイリングとなっている。
スピーカーには、カナダの人気ブランド・パラダイムのエントリーモデル「MONITOR SE ATOM」を組み合わせてみる。POWERNODE EDGEと併せても17万円ほどで、両ブランド製品の中でも最も手軽な部類の価格となる。
早速、両機を組み合わせてQobuzによるロスレスストリーミング再生を試聴した。すると、明瞭ながらも穏やかに音楽が描き出され、聴き手を温かく包み込んでくれる。MONITOR SE ATOMのメタル振動板トゥイーターによるクリアな輪郭が維持されつつも、低域のボリュームが程よく確保され、絶妙に聴き心地の良いバランスを実現している。
ソロピアノの音色は、煌めきを帯びた倍音表現で、打鍵の質感やサスティーンをしっかりと聴き手に伝えながらも、決して鋭角的な音にならない。バロックスタイルのバイオリンコンチェルトも、弦楽器は伸びやかなボウイングを聴かせるとともに、やはり通奏低音のチェロやチェンバロの低音に十全とした厚みがあり、甘みを感じる快さが魅力的だ。
ロックミュージックやポップスでも、低域のボリュームをしっかりと感じさせつつ、歌声や各楽器が前に出て居並ぶ、張り出し良いサウンドを楽しませてくれる。バスレフ型の低域が鳴りっぷりよく放たれる軽快な音の出方で、音楽が鈍重にならず朗らかな再生を楽しませてくれるのである。
POWERNODE EDGEとMONITOR SE ATOMの組み合わせは、心地よいサウンドバランスと清潔感ある出音で、オーディオ再生のエッセンスを確かに堪能させてくれた。両者ともに、音楽ソース本来の姿を掴みやすい規範的なサウンドを描きながらも、そこに留まらず、オーディオならではの快適な聴き心地や音楽の軽快さを味わわせてくれるのである。
音質レビュー2 - 演奏者同士の掛け合いも引き出すPOWERNODE
続いて、よりグレードアップした組み合わせとして、ブルーサウンド「POWERNODE」に、パラダイムのミドルエントリークラスとなるPremierシリーズの「PREMIER 200B」を組み合わせる。
POWERNODEは、先ほどPOWERNODE EDGEの横幅や奥行きはそのままに、高さだけ46mmから70mmと、ちょうど2倍弱のサイズとなっている。使い勝手に関しても、本体に配されたセンサー式のパネル部分以外は全く同様だ。アンプの出力は、EDGEの40W×2(8Ω)に対して、80W×2(8Ω)と2倍もの出力が確保されている。
先ほどの組み合わせと同じ音源をQobuzにて試聴してみると、より実体感に富んだ音で、ディテールが表現が深く、より品位の高い再生音であることがすぐに分かる。
ヴァイオリンの音色には、しなやかさやしっとりとした質感が描き出されるとともに、演奏会場のステージや響きなどの情報も明瞭に引き出され、録音会場の空気感までがスピーカーから伝わってくることを実感する。
単にエネルギーがバランスしているだけではなく、演奏の特徴はもちろん、楽器の特徴までも詳しく解像されるので、演奏者同士の掛け合いなど、音楽により一層踏み込んだ表現を楽しむことができるのだ。
ロックやポップスでも、低域は単に量感が豊かなだけでなく、実際の低音楽器から感じられるようなエネルギーの厚みや重量などが再現され、より実体感ある音を楽しませる。加えて、歌声やエレクトリックギターのリフ、スネアドラムは張り出しよく聴き手へと迫るプレゼンスも備わっている。それでいて、先ほどの組み合わせ同様に、やはり音楽が鈍重にならない軽快さも担保されており、演奏の一体感やグルーヴをしっかりと堪能することができる。
これらは、より充実したドライブ力を持ったアンプやDAC部を内蔵したPOWERNODEに加えて、PPAレンズ・テクノロジーやARTエッジなどパラダイムならではの技術が詰まったPREMIER 200Bの描写力によって実現している。とりわけ、ラウンド形状を持つ天板や非直線的なラインのサイドパネルなど、パラダイムスピーカーならではの優美なデザインも印象的である。
最小限のスペースで上質な音楽体験
心地よいサウンドバランスとオーディオならではの快適な聴き心地や音楽の軽快さを味わわせてくれるPOWERNODE EDGEとMONITOR SE ATOM、さらに一歩踏み込んだ描写力で音楽を実体感豊かに楽しませてくれるPOWERNODEとPREMIER 200B、いずれの組み合わせも、最小限のスペースで上質な音楽再生を実現させてくれる存在であると再確認できた。
POWERNODE EDGEとPOWERNODEは、サイズを抑えてロスレス・ストリーミングサービスの魅力を確かな音質で楽しませるだけでなく、eARC対応のHDMI入力を使用してTVの音声を高音質化したり、aptX HDにも対応するBluetooth接続で手軽に楽しんだりと、幅広い用途に活躍してくれる。
小型ながらも、独自OSによる安定した動作に加え、音質よしデザインよしと、実に頼もしいアンプ内蔵ストリーマーなのである。
(提供:PDN)
