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【特別企画】第3の聴覚経路のメリットを活かしたモデル

世界初“軟骨伝導サウンド”の実力は?オーディオテクニカ「ATH-CC500BT」は耳を塞がないイヤホン入門にベストな選択肢だ

公開日 2022/10/21 06:30 山本 敦
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スマホとタブレットなど、2台のBluetoothオーディオ機器との同時接続を維持するマルチポイントにも対応する。例えばノートPCでオンライン会議に参加中、スマホにかかってきた通話着信に応答することも可能だ。なお、Android OSを搭載する端末とはGoogle Fast Pair機能によるワンタッチ接続ができる。

メガネをつけたままでも、干渉による痛みなどもなく使用できる

オーディオテクニカ独自のモバイルアプリ「Connect」を使えば、アプリに内蔵するイコライザーによってサウンドを自由にカスタマイズできる。「Clear Voice」モードを選ぶと人の声が一段と聞こえやすくなった。ボーカルものの楽曲を聴く時だけでなく、本機を長い時間にわたってハンズフリー通話に使う際にはこのモードを選択してもいい。

内蔵バッテリーのスタミナはフル充電から最長約20時間の連続音楽再生に対応する。充電は一般に広く普及するUSB-Cケーブルを使用。約10分の充電で約2時間のリスニングぶんのバッテリーをまかなう急速充電を備えた。

ネックバンドスタイルのワイヤレスイヤホンは、スポーツシーンでサウンドコンテンツを “ながら聴き” するためのデバイスとしても人気だ。本機は雨や水しぶきに強いIPX4相当の防滴仕様なので、アウトドアシーンやキッチンなど水回りでの使用にも適している。

自然な声の温かみとふくよかさ、しっかりとした存在感のある低音を再現



ATH-CC500BTのサウンドをグーグルの最新スマートフォン「Google Pixiel 7」にペアリングして聴いた。BluetoothオーディオのコーデックはaptX HDを選択した。

本機の特徴はボーカル系の楽曲を聴くと強く発揮される。滑らかでシルキーなタッチ。自然な声の温かみとふくよかさが再現される。

ジャズのピアノトリオの演奏を “ながら聴き” しながら、仕事にも深く集中できた。ピアノの音色が濃厚で、ゆったりとした余韻を響かせる。ウッドベースの低音も欲張らず、芯のしなやかさを引き出すことにより、完全オープン型のイヤホンながらもしっかりとした存在感を楽しませる。リズムの粒立ち、立ち上がりのスピード感も鮮明。リズムの切れ味を楽しみたいダンスミュージックやロックの楽曲再生も冴え渡る。

そしてやはり、ハンズフリー通話の音声がとても明瞭だ。ある程度賑やかな場所で使っても人の声がすっと耳に馴染んでくる。期待通り、ワークアウトにも使いたくなるイヤホンだ。

YouTubeの動画音声も人の声のメリハリがしっかりと伝わってくる。開放型のイヤホンに比べると音もれが比較的少ないので、筆者はカフェで英会話の学習教材やオーディオブックを聴く用途にも使ってみた。とても充実した時間を過ごすことができて満足だ。

本体の右側面が電源ボタン、左側面が楽曲再生やハンズフリー通話の操作ボタンになっている。音量アップダウンのボタンは別途切り分けて配置した。シンプルで直感的なリモコン操作ができる。

L側のバンド下部に音量操作ボタンを搭載

イヤホンのロゴ部分がボタンになっており、再生/一時停止といった操作も行える

装着感も側圧の圧迫感が少なく、本体が振動することによる不快感もよく抑えられている。ただ、ヘッドバンドの長さ調節や曲げ調整には対応していないので、店頭で試す機会があればぜひ、音を鳴らしながら短くても楽曲1〜2曲ぶんに渡って装着感を吟味することを勧めたい。

サウンド、フィット感に満足ができれば、オーディオテクニカのATH-CC500BTは “耳を塞がないイヤホン” の入門機としてベストな選択肢になる。最新の「軟骨伝導」方式によるワイヤレスイヤホンの実力を多くの方々に体験してもらいたいと思う。

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