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PRディスクメディア特化再生機の実力とは

REAVONの“映像哲学”がここに結実。4Kユニバーサルプレーヤー「UBR-X200」、圧巻の描画力

公開日 2022/07/21 06:30 大橋伸太郎
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高い描写力に圧倒。2Kソースを“進化させる”秀逸なアップスケーリング機能にも注目



音元出版視聴室で一日、そのあと筆者自宅視聴室に場所を移してUBR-X200を視聴した。わかりやすい性格描写をすると、代表的な4K再生専用機のoppo「UDP-205」、パナソニック「DP-UB9000」と比較して、映像が最もモニターライクなのが、UBR-X200である。それは薄味を意味しない。電気的な雑味、歪曲がないという意味である。目の前にあるのはビデオグラムの映像でなく映画そのもの、映像作品のありのまま。電気的なプロセスで纏わりついた澱や汚れが洗い流された、清新でみずみずしい映像である。

音元出版視聴室にて行った取材の様子。「8K空撮夜景 SKY WALK」ではマニュアルでフォーカスを追い込んだような描写力の高さを見せつけた

テストの定番ディスク「8K空撮夜景 SKY WALK」(8K撮影、4KBD)をまずチェック。再生機器によっては、電気的なエンハンスで高層建築の輪郭部の強調と、ざらつきが前面にでてしまう新横浜駅周辺の夕景も実景感覚を伴って描画がなされている。UBR-X200の映像はマニュアルでフォーカスを追い込んだレンズ越しに実景を目視するように細やかで目に優しい。

筆者長年の愛用ディスク「海街diary」(2KBD)は、UBR-X200の2K→4Kアップスケーラーの優秀性を印象付ける。本作はコダック35mm撮影、4Kデジタルスキャンだが、映画の序盤、三姉妹が四姉妹に変わる瞬間を被写界深度の浅い中望遠レンズのワンフレームでとらえた映像のみずみずしさと四人の繊細な距離感は悶絶もの。撮影の狙いがUBR-X200のアップスケール映像で開花、過去何十回も繰り返し見た中で最高の映像である。

再生中のメディア情報を詳細に表示させることも可能。入力ソースの解像度や、表示中のHDRフォーマットなどを確認することができる

「ハウス・オブ・グッチ」(2KBD)は近作中屈指の優秀画質で4Kブルーレイの発売がないのが残念に思われたが、UBR-X200のアップスケール映像はそれを忘れさせる。映画の序盤、希望と夢に満ちた若いふたりを象徴するようにミラノの青い空がすがすがしい透明感をたたえ、スクリーンに深い奥行きで現れるが、物語の進行につれて映画の主調色が他者を排除するようなエゴイスティックで強い原色中心に変わる。

UBR-X200の広色域が人間の悲喜劇と結び付いた映画の色彩設計を忠実にビビッドに伝える。アップスケールというより本物の4K映像へプログレス(進化)するのだ。

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