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【PR】音楽の核心をダイレクトに引き出す

CHORDアンプテクノロジーを凝縮、“卓上の小さな巨人”「ANNI」の実力を聴く

公開日 2021/10/19 07:00 岩井 喬
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オーケストラは潤い良く艶やかで、ローエンドはダンピング良く伸びも豊かに聴かせてくれる。余韻は豊潤で、木管系の響きは輪郭とボディのふくよかさのバランスが良い。11.2MHz音源のピアノは丁寧で落ち着き良く、ボーカルは音離れの良い流麗なサウンドだ。

口元の艶とウェットな表現はリアルさと色ノリの良さを両立し、実に耳馴染み良い。ジャズ音源は躍動的で空間性の豊かさが見事。S/Nの良い音場へしゃきっとした鮮やかなホーンセクションがクリアに定位し、ピアノやシンバルも分離良く輝きに満ちた表現で描かれる。

ロック音源では太く逞しいベースを量感豊かに描き出し、ANNIのようなコンパクトなアンプで鳴らしていることを一瞬忘れるほど余裕のある描写であった。ボーカルのハリ艶良く明瞭な浮き立ちと、ギターやシンセサイザーのフラッシーな描写も対比良くまとめている。

デスクトップでは音楽だけではなく、ストリーミングで映像作品を見る機会も多くあるはずだ。そこでPCからNetflixで映画を再生し、スピーカー環境でのサウンドも確認してみた。爆発音などのSEのきめ細やかさ、BGMのハリ良く浮き立つ旋律の滑らかさはPC内蔵スピーカーの比ではない。セリフの立体的な定位感はニアフィールドリスニングだからこそ実現できるものであり、より没入感のある世界を提示してくれた。

最後に、よりQutestレンジの持つ意図に沿ったデスクトップ環境でのリスニング状態を確認。10cmウーファー仕様の小型2ウェイスピーカー、フォステクス「GX100BJ」を繋いで至近距離で聴いてみた。

フォステクス「GX100BJ」を用い、よりデスクトップリスニングに近い環境でも試聴した

ロック音源も小気味良くドライブし、軽快かつパワフルなサウンドを聴かせてくれる。ボーカルもスムーズでスッキリとした描写で密度も十分。レンジも広く、音場のステージも横方向に広がり良い。

オーケストラは旋律のきめ細やかさがより鮮明に掴め、ローエンドの弾力、ふくよかさもバランス良く表現。音伸びの良さ、旋律の潤い感もナチュラルに描き出す。ホーンセクションの爽やかさ、11.2MHz音源のリアルな描写もより説得力が高まっている。緻密な音像が空間に浮かびつつ目前へ迫る表現は、ヘッドホンとは一味違うシームレスで立体的な世界観だ。



ANNIが放つサウンドはとてもそのサイズからは想像できない、ダイナミックさと緻密さを兼ね備えたものである。ヘッドホンアンプも鳴らし難いハイインピーダンス機を含め、様々なモデルを過不足なくドライブし、各々の個性を、そして音楽の核心をダイレクトに引き出してくれる印象を持った。

Qutestとの組み合わせは最小スペースで構築できる、CHORD初のヘッドホン環境におけるコンパクトなセパレートシステムだ。従来モデルよりも一際深い重心と自然で伸びやかなサウンドは、いつまでも聴いていたくなる素晴らしいクオリティだ。

緻密かつ明瞭、伸びやかなヘッドホン再生と、立体感際立つスピーカー再生、そのどちらもデスクトップ上で実現できるアンプだ

またスピーカー再生においてもULTIMAアンプテクノロジーを積む最小モデルとして、正確でありながら濃密で滑らかな耳馴染み良いサウンドを聴かせてくれる他にはない魅力を持つプリメインアンプとして仕上げられている。

ニアフィールド/デスクトップに置いたスピーカー再生はヘッドホンでは味わえない立体的な空間再生力が醍醐味だ。サウンドデバイスを肌から離して楽しむ再生音のストレスフリーな楽しみ方もぜひANNIで実践いただきたい。

試聴音源
〇飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013『プロコフィエフ:古典交響曲』〜第一楽章(96kHz/24bit)
〇オスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』〜ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
〇『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』〜届かない恋(2.8MHz・DSD)
〇TOTO『TAMBU』〜Gift of Faith、I Will Remember(192kHz/24bit)
〇デイヴ・メニケッティ『メニケッティ』〜メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
〇Suara「キミガタメ」11.2MHzレコーディング音源(ヘッドホン試聴ではDA-06の仕様に合わせて5.6MHzに変換)

(企画協力:タイムロード)

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