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【特別企画】Bluetooth送信機能付ケースが便利

驚きの高音質!完全ワイヤレスで“B&Wサウンド”、唯一無二の機能も備えた「PI7」レビュー

公開日 2021/06/22 11:00 折原 一也
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今回試聴に使ったXperia 1IIにはイヤホンジャックも搭載するので、イヤホンジャックからPI7のケースにアナログで接続してみた。再生機器とケースを繋げば自動的にBluetoothトランスミッターモードへ切り替わり、イヤホンからサウンドが流れ出す。

Bluetoothトランスミッターとして使う場合の接続方法はアプリからも確認できる

この手軽さにも惹かれたが、何より予想外に音質のクオリティが高く、PI7の音純度、レンジの広さ、音場感までも引き出している。低遅延が特徴のaptX Low Latencyだが、音質を重視する場合でも利用する価値があるのだ。

色々な使い方が考えられるが、B&WがHi-Fiオーディオ愛好家御用達のブランドであることを考えると、ふだん使っているHi-Fiオーディオのヘッドホン端子につないで、音楽CDやアナログ・レコード再生をワイヤレス化するのもよいだろう。

もう一つ試したのは、PS5によるゲームプレイ。PS5ではコントローラ部にPI7のケースを接続すると、セットアップ不要でPI7のイヤホンからサウンドが流れ出す。

実際に『Call of Duty:Black Ops Cold War』をプレイしてみると、そのゲーム体験もやはりPI7の音質の良さ、そして圧倒的な音場の再現性で、銃撃の音の位置の正確さだけでなく、BGMの演奏のスケール感まで、ヘッドホンプレイのように伝わってくる。なお、PI7のケースを利用した際の遅延は、遅延測定用ツールを利用して確認してみたところ、参考程度の数値とはなるが、50ms〜60ms程度だった。この数値であればゲーミング用途でも十分通用する。

3.5mmのイヤホン端子さえあれば、当然ながら他のデバイスでも利用できるので、高音質かつ低遅延で利用できる完全ワイヤレスイヤホンとしてPI7を導入すると、様々な活用法が実現しそうだ。

続いて、ケースのUSB-Cからデジタル音声を入力し、Bluetoothで飛ばすことも試してみた。同一条件で試せるAndroidで検証したところ、USB-Cとの接続では遅延が大きいことがわかった。アナログ接続の場合は上述のとおり50 - 60msなのに対し、USB-Cから入力した場合は120ms程度の遅延となった。遅延の小ささを重視するならイヤホン端子から接続するのがよいだろう。なお音質についても意外なことに、アナログ入力の方がデジタル入力よりまとまりが良く、好印象だった。

ケースへ音声を入力し、aptX Low Latencyを利用するのは、AndroidだけでなくiOSデバイス、つまりiPhoneやiPadなどでも可能だ。アナログで入力するには、最近のiPhoneに付属する、Lightning to 3.5mm端子(メス)アダプターを使えばよい。またUSB-Cへは、Lightning USB-Aのカメラキットと、USB A to Cケーブルを使えば音声入力できる。iPhoneでaptX Low Latencyを使えるということ自体、なかなか新鮮だ。ただしUSB-Cで接続した際は、Androidと同じく遅延がかなり大きいので、ゲーム用途にはあまり向いていない。

カメラコネクションキット等を用いれば、iOSデバイスでもケースのデジタル接続が可能だ

シングルダイナミック型「PI5」も負けず劣らずの高水準

B&Wから登場したもう1台の完全ワイヤレスイヤホンが「PI5」だ。仕様面ではフラッグシップのPI7に次ぐ存在となり、“True Wireless Stereo Plus”とaptXコーデック対応、ノイズキャンセル搭載、イヤホン本体で約4.5時間再生/ケース込みで約24.5時間再生と十分な機能を取り揃えている。なお、PI5のケースはBluetoothトランスミッターを搭載しない。

「PI5」は、PI7の弟分にあたるダイナミックドライバー1基のモデル

イヤホン本体の形状はPI7と共通で、アプリ“Bowers & Wilkins Headphones”も利用できる。ノイズキャンセルは、上位機種と異なり“オート”設定こそないが、自然に周囲の騒音レベルを落としてくれるバランス。効き目を検証したところ、エアコンや車の重低音の騒音の低減を確認できた。

PI7とPI5は、イヤホン本体のデザインはカラーリングを除きほぼ共通

Bluetoothトランスミッターを内蔵しないPI5のケース(左)には、ペアリングのためのボタンが無い

PI5が搭載するドライバーユニットは、PI7と共通の新開発9.2mmダイナミックドライバーが1基。実際にYOASOBI「夜に駆ける」から聴き込んでみると、歌声はクリアで低音の沈み込みも深い。PI7の伸びやかさと鮮やかさの代わりに、フルレンジドライバー1発らしい音の繋がりの良さ、そして聴き込むほど音を発見できるような素性の良さも感じ取れる。PI5のサウンドも、完全ワイヤレスイヤホンとして十分ハイエンドと呼べる水準だ。



B&W初の完全ワイヤレスイヤホンと聞いて、どんなサウンドで登場するかと楽しみにしていたが、バイアンプ駆動のハイブリッドドライバーを使いこなしB&Wの音にまとめ上げた、PI7のサウンドチューニングの手腕は見事と呼ぶほかない。PI5も今どきのポータブルオーディオらしいサウンドで、完成度が高い。

B&Wらしい音を見事に実現している完全ワイヤレスイヤホンだ

そしてPI7には、充電ケースをBluetoothトランスミッターにするという予想すらしなかった機能もあり、様々な活用法が考えられる。

「PI7」「PI5」はB&Wサウンドの系譜を受け継ぎ、そしてブランドを革新していくモデルとして、ブランドの歴史に刻まれる事になるだろう。

(協力:ディーアンドエムホールディングス)

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