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スピーカーや自動音場補正など進化

高音質にオーディオ評論家も驚愕。テクニクスの多機能コンポ“OTTAVA f”最新モデルを聴く

公開日 2021/03/12 06:30 生形 三郎
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オーディオ好きも納得の自然で心地よいサウンド

実機を前にしてみると、アルミトップパネルによる洗練されたデザインが美しい。天面に配置されたCDをセットするための回転式のトップカバーは、確かな質感があるとともに、あえてマニュアル式のところが、本機の意匠をより印象的なものにしている。加えてトップパネルはあえてボタンを増やさず、タッチキーを備えているところもそのデザインを引き立てている。

本体トップの操作ボタンもシンプルな構成となっており、エレガントなデザインをより引き立たせる

早速、その音質を試してみる。音を出して驚かされるのは、低音の豊かな張り出しと鳴りっぷりの良さだ。この筐体サイズからは想像を超える迫力に富んだ音が飛び出してくるのである。どのような音楽ジャンルを再生しても肉付きの良い音で、それでいて聴き疲れがない心地よい美音を楽しませてくれる。

バッハ・コレギウム・ジャパン(指揮:鈴木雅明)による「ミサ曲 ロ短調 BWV 232」のCDを再生する。楽器の音色は、あくまでもナチュラルで癖がなく、そして、スムーズかつ滑らか。ミサの合唱は豊かな低域に声が埋もれることなく、透明感ある歌声が浮かび上がる。本楽曲は合唱とオーケストラからなる編成で、数多くの楽器が混在するソースなのだが、音が濁らず、それぞれの楽器の存在を聴き取ることが出来るのである。

バッハ・コレギウム・ジャパン(指揮:鈴木雅明)「ミサ曲 ロ短調 BWV 232」

ホールに響く余韻も潰れずに見えてくるその実力は、一体型システムの中では間違いなくトップクラスの音質だろう。この辺りが、サブウーファーを備える2ウェイシステムの巧みさ、そして、JENO Engineをはじめとする、テクニクスが誇るデジタル処理技術の賜物なのだろう。

とりわけ、こういったシステムの場合、全体の音のバランスだけは良くても、電気的な処理でそのバランスを無理に作っていることが多く、音色に違和感があったり音が詰まったり、不自然な質感がどうしても出て来てしまう場合が多い。それだけに、先述のようなディテールに富んだ表現は期待できない。

しかしながら、本機ではそういった不自然さを感じさせずに、テクニクスブランドならではの美しい音の佇まいを持っていることが特筆に値する。それが、オーディオファンの方々をも楽しませてしまうと思った理由なのである。

フォノEQ内蔵のアナログプレーヤーであれば、SC-C70MK2と直接繋いで再生することも可能だ

続いて、スマートデバイスからの使用をテストするため、Android端末に「Google Home」をインストールしセットアップを実施。設定は実に簡単で、アプリの画面指示に従って数ステップを進めるだけで設定が完了した。これだけで、スマホの音声を全てSC-C70MK2から再生する事が出来る。YouTubeなど、あらゆるコンテンツを快適な音質で楽しませてくれた。

加えて、「Technics Audio Center」をインストールして、ネットワーク再生で「ミサ曲 ロ短調 BWV 232」のDSD2.8MHzのハイレゾ音源を再生すると、ハイレゾならではの立体感ある音が展開され、空間性や楽器の定位などがよりリアルな位置関係で楽しむことが出来た。

さらに、置き場所に応じて最適な音質が得られるSpace Tune機能を使用すると、周囲の壁や机などからの反射を抑え、よりスッキリとしたサウンドが得られた。こういった一体型システムは、手軽な反面、置き場所による音の影響が大きいため、実に効果的な機能だと言える。

前モデルはシルバー1色展開だったが、新たにブラックカラーもラインナップされる



一体型のオールインワンシステムとしてさらなるブラッシュアップを遂げたSC-C70MK2は、そのサイズや手軽さからは予想できないほどの高音質が楽しめるプロダクトとなっている。CDからハイレゾ、Bluetoothからストリーミングまでに対応する、テクニクスクオリティの質の良い音楽再生は、きっと貴方の生活に豊かな潤いをもたらしてくれるはずだ。



“OTTAVA f”「SC-C70MK2」レビュー記事 第一弾はこちら!
「音も機能も「即戦力」! テクニクスの人気一体型オーディオ “OTTAVA f” 第2世代機レビュー」

(協力:パナソニック)

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