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まさに“生演奏の臨場感”。ジャパニーズ・ハイエンドの匠、TADが生み出す空間描写性に感激

2021/01/07 角田郁雄
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「オーディオ銘機賞2021」において、ハイエンド特別大賞を受賞したTAD(テクニカル オーディオ デバイセズ)の「TAD-CR1TX」。フラッグシップの技術を踏襲し、確かなユニット技術と、天童木工協力による伝統工芸品を思わせる高貴な佇まいで、国内外を問わず高い評価を獲得している。

今回、パイオニア創業者のかつての邸宅であった「松本記念音楽迎賓館」に、「TAD-CR1TX」を含むTADの主力ラインアップ4モデルが集結。それぞれのサウンドの魅力と高い評価を獲得している理由について、角田郁雄氏に存分に語っていただこう。




■世界的にも高く評価されるメイド・イン・ジャパンの匠

映えあるオーディオ銘機賞2021「ハイエンド特別大賞」を受賞したTADの「TAD-CR1TX」。フラグシップスピーカー「TAD-R1TX」の技術を踏襲したこのモデルの音質、搭載技術、そしてその芸術品をも思わせる佇まいに、私は心から感銘を受けてしまった。

外側から、フラッグシップラインとなるReference Oneシリーズ「TAD-R1TX」(ペア1000万円)、「TAD-CR1TX」(ペア560万円)、Evolutionシリーズとして「TAD-E1TX」(ペア220万円)、「TAD-ME1」(ペア100万円/すべて税別)

今回、僥倖にも東京世田谷区にあるパイオニア創業者の邸宅でもある「松本記念音楽迎賓館」で、過去に銘機賞を受賞したモデルも含めた4機種を聴き、あらためてその音楽再生の素晴らしさを体験することが叶ったのである。

TADが世界でも高く評価されるのは何故であろうか。それは、「開発の原点にある」と言えるであろう。

少し歴史を振り返ってみよう。1978年、パイオニアの中から「プロフェッショナル・オーディオ事業の頂点」を目指し、TADブランド製品が市場に投入された。今年で43年目を迎える。実際にTADのプロ用スピーカーユニットは世界で高く評価され、ハイエンド・スタジオはもちろんのこと、イーグルスなどの著名なコンサートで使用されるに至った。

その後、その技術を投入しホームユース・スピーカーへの展開を進めた。2003年には、世界のオーディオ業界で大きな話題となったハイエンドスピーカー「TAD-M1」を登場させたのである。主な開発方針は、Smooth Dispersion(自然な音の広がり)、そしてHigh Definition(滑らかな音)であった。録音に内包する情報をストレートに表し、スピーカーの存在を感じさせず、あたかも生演奏に臨席するかのような空間描写をすることがテーマになっていたのである。

TADのコンシューマー機デビュー作となる「TAD-M1」。広帯域をフォローするCSTドライバー、ベリリウム振動板など、TADの基本技術はすでに実現されている

この時初登場したのが、ベリリウム振動板のトゥイーターとミッドレンジを一体化させた同軸ユニット「CSTドライバー」である。理想的なフルレンジ構成であり、当時から250Hz〜100kHzという超広帯域特性、高解像度特性を実現していた。そして、低歪み、高リニアリティ、強靭なウーファーや振動の影響を受けないエンクロージャー技術などの搭載していた。

その後、初代TAD-M1には更なる技術が投入され、2007年にTAD-R1、2012年にTAD-R1MK2が登場した。さらにワイドレンジかつ高解像度な特性を身につけたことに、私は当時いたく感動した。特に中高域の透明度と低域の量感が向上し、空間にリアルな音像を描写、弱音の再現性が高まった印象を受けたのである。

そして2019年に最上位フラグシップモデル「TAD-R1TX」が登場し(オーディオ銘機賞2020 ハイエンド特別賞を受賞)、2020年には「TAD-CR1TX」が登場した。その音を今回、あらためてこの迎賓館で聴くと、完全にスピーカー再生であることを忘れさせる演奏のリアリティを感じることができたのである。

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