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小型なのに驚きの本格派! ティアック505シリーズで高CPなデスクトップ/メインシステム構築を試す

2020/12/25 生形三郎
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■AP-505を活用した、CD&ストリーミングの本格システムプラン

次に、パワーアンプAP-505の実力もチェックしよう。こちらも同じNcoreモジュールを搭載し、同じく130W+130W(4Ω)の出力を持つ。フロントパネルに配された大きな指針式レベルメーターが印象的だ。機能面では、ステレオモードに加え、バイアンプモードやBTLモードを搭載しており、ブリッジ接続によってモノラルで250W(8Ω)のパワーを発揮することができる。

TEACパワーアンプ「AP-505」。価格はオープンだが想実売価格は148,000円前後

構成としては、AX-505と同じく大型のトロイダルコアトランスやショットキーバリアダイオードの採用に加えて、左右の整流回路を電源トランスの出口から完全に分離するとともに、各チャンネルに大容量コンデンサを搭載した電源平滑回路を搭載。さらに、XLR入力では伝送ロスの低減を追求しカップリングコンデンサを排除したうえ、増幅回路構成は全てフルバランス設計として低ノイズ化を実施するなど、こだわり抜かれた設計となっている。

AP-505の背面。RCA、XLR入力を1系統ずつ搭載、切り替えスイッチも背面に搭載する

ソースの送り出しにマランツの最新のSACD/ネットワークプレーヤー「SACD 30n」を使用し、SACD 30n内蔵ボリュームを使用して、パワーアンプであるAP-505に直接接続してみる。より情報量に富んだ、上質なサウンドが飛び出してきた。もとい、これは、パワーアンプとしてスピーカー駆動に特化したAP-505の実力の高さ、そして、SACD 30nからの直結接続による信号伝送鮮度の高さがあってこそのサウンドであろう。

マランツのSACD30nは可変出力を搭載しており、パワーアンプと直結再生が可能! AP-505が1台の場合、この組み合わせでお値段50万円也

スピーカーから繰り出される音楽は、実に音離れよくリスニング空間へと描き出される。各楽器の姿は、緻密で詳細な輪郭でもって、分離感良く再現され、細密画のように浮かび上った。低域方向も、たっぷりとした量感を持ちつつも余韻が濁らない。演奏のフレージングが実に詳細で、音の強弱は勿論のこと、例えば、シンバルのように鋭いアタックや複雑な音の余韻変化も克明に再現され、コーラスのハーモニーであれば、その和音を構成するそれぞれの音がどのような強さで、どのような音の伸ばし方で構成されているのかなどが詳細に伝わってくる。奏者それぞれの距離感や、それらが渾然一体となって生まれ出る音楽の姿が、緊張感までを含んで伝わってくる印象だ。

ホール空間の残響は、余韻の長さやスケール感だけでなく、その響きの音色の質感までがイメージできるような情報量に富んでいる。音楽の臨場感や空気感がよくよく伝わってくるのである。CD再生や、ファイル再生に加えてAmazon music HDによるストリーミング再生も、やはり、ハイレゾならではのディテールの細やかさや臨場感のある、迫真の質感が楽しめた。

マランツのSACD30nをパワーアンプ直結で使用する場合、「可変オーディオ出力」をオンにする必要がある。また、ボリューム調整は専用アプリ「HEOS」から行う

さらに、AP-505が搭載するBTLモードを活用するため、AP-505を2台用いて、ブリッジ接続によるモノラルアンプとして左右スピーカーを駆動してみた。すると、実に立体的で余裕のある駆動が堪能できた。スピーカーの間に立ち現れる実体感が格段に向上し、より3次元的な立体感で音楽が描き出される。そして、ダイナミックレンジが大きく広がったようにクレッシェンドの幅が深まり、演奏表現のディティールがさらに切れ味のよさを獲得。演奏空間は、より広大で奥行きの深いものになった。

バイアンプやBTLによるモノラル駆動も可能。端子部にモノラルでの接続方法も記載されているので、指示の通り接続しよう

まるで、スピーカーの向こう側に実際の演奏空間が広がっているかのような自然さである。音楽がリアルなのだ。ここまで整ってくると、スピーカーの限界能力までが炙り出されるようで、スピーカーのさらなるグレードアップにも挑戦したくなるほどだ。

■オーディオ再生の喜びを十二分に味わわせてくれる

以上のように、AX-505及びAP-505は、サイズや価格を超えた驚きのパフォーマンスを楽しませてくれた。HYPEX製Ncoreモジュールを核としたこだわりのアンプ構成は、オーディオ的な音楽再生の喜びを、小規模なシステムで十二分に味わわせてくれるのである。

とりわけ印象的だったのは、AX-505とUD-505を組み合わせた際の、音楽的な充足度の高さだ。もちろん、オーディオ的な解像力や音数の多さなどは、より高価な価格帯の機器に譲るのだが、音楽の密度や躍動感が高く、音楽を快く快適に楽しませてくれた。

AX-505及びAP-505をはじめとするこのReference500シリーズは、デスクトップサイズで実に手軽に、充実した本格的な音楽再生を届けてくれる存在なのである。

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