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DGP2021で「審査委員特別賞」「総合金賞」を受賞!

完成度の高さが際立つフルサイズ機、ニコン「Z 5」「D780」特別レビュー

公開日 2020/12/04 06:00 山田久美夫
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■「心地よさ」を生み出す、上位機譲りの基本性能


カメラとしての基本性能も抜かりなく、イメージセンサーには、裏面照射型ではないが、有効画素数2432万画素のフルサイズセンサーを採用。連写性能もAF/AE追従で最高秒間4.5コマと実用十分。そして、なにより高く評価したいのは、使っていて心地よく、安っぽさを感じさせないところである。

いくらスペックが充実していても、それだけで満足感が得られるわけではないのが、カメラの難しいところだが、本機は十分な基本性能に加え、モノとしての感性的な部分までもが、きちんと作り込まれている。

今回、改めて「Z 5」をじっくりと使ってみて再確認したのは、本機が実に心地よく撮影できるカメラであるということだ。やや誤解されがちなのだが、本機はフルサイズミラーレスのエントリーモデルではなく、“スタンダードモデル”である。エントリーモデルとの違いは基本性能の充実度であり、それがこの「心地よさ」を生み出しているのだ。


また、ひんやりとした金属ならでは感触の剛性感を感じさせるボディ。大きなレンズを装着しても安定感のあるグリップ形状。そして、視認性に優れた大きめの操作ダイアルや操作ボタンなど、手が触れる部分の質感の高さも見逃せないポイント。

心地よい撮影を支える重要な要素といえるEVFは、約369万ドットと高精細で周辺までクッキリ。実に自然で見やすく、気持ちよく軽快に被写体を捉え、撮影することができる。AFも十分に的確でスピーディー。AFエリアも広く、人物はもちろん、動物の瞳AF機能も搭載されており、撮影に不慣れな人でも安心して撮影できる。もちろん、ボディ内手ブレ補正も搭載されているので、手ぶれにも強く、暗いシーンも安心だ。

これらはいずれも、シリーズ上位機である「Z 6」、「Z 7」の流れを汲むものであり、本機と同価格帯のライバル機を凌駕している部分といえるだろう。

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