HOME > レビュー > 従来の常識を覆す新世代のズームレンズ。パナソニック「LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.」レビュー

世界初、ズーム全域で開放F値1.7を実現!

従来の常識を覆す新世代のズームレンズ。パナソニック「LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.」レビュー

公開日 2020/03/27 06:30 桃井一至
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■周辺部まで均質で最新高級レンズらしい解像性能


フォトスタイル「L.モノクローム」で透過する光を写す。なお、本レンズの最短撮影距離はズーム全域で0.28m。最大撮影倍率は0.14倍(35mm判換算0.28倍)広角側でハガキ、望遠側でL版プリント程度まで接写可能だ。ワーキングディスタンスは9cm程度。(焦点距離25mmで撮影)

外装のライカフォントの文字に心躍らせながら、さっそくDC-G9に装着してみる。ボディ側からズームリング、フォーカスリング、絞りリングの順に並ぶが、ズームリングはトルク変動も感じさせず、極めてスムーズなもの。フォーカスリングは手前にスライドすれば、距離目盛が表示されると同時にマニュアルフォーカスへと切り替わるフォーカスクラッチ機構が採用されている。

そして先端に最も近い絞りリングは、電子ダイヤル設定用のA[AUTO]と動画ユーザーに向けたクリックレスで絞り設定を行う目盛りの二種から選ぶ仕様。動画撮影時に無段階で滑らかな絞り駆動が行えるのも一目置いていいだろう。そのほか鏡筒部にはスライドスイッチなど一切なく、すっきりと端正な外観。手ブレ補正機能はボディ側に委ねることになるが、多くの大口径レンズ同様にF1.7ものレンズへの搭載が難しく、割愛されたと思われる。


ボディ表面の細かな傷やメッキの質感など、リアルな描写に目を奪われる。屋内の人工光源にも関わらず、見た目に近い色再現も良く、高画質はレンズとボディから、結実しているのがよくわかる。(焦点距離21mmで撮影)


ヘッドライトにピントを合わせたが、拡大してみれば、金属の質感にゾクゾクするほど。自転車と背景のボケとのコンビネーションもよく、望遠のような大きなボケでない代わりに、自然な立ち上がりでスッと目に届く。(焦点距離25mmで撮影)

手から伝わる高級モデル独特の重厚さを感じつつ、ファインダーを覗くと明瞭なピントピークと大口径が織りなすボケが目に飛び込み、うっとりすると同時に、それに応えるようオートフォーカスが、極めて静かに被写体を迷わず捉えてくれる。

描写はファインダーでの期待を裏切らず、単焦点レンズで撮り下ろしたかと思うほどに惚れ惚れするもの。周辺部まで均質で最新高級レンズらしい解像性能で目を楽しませてくれる。歪曲は広角側、望遠側ともに良好。逆光も光源が画面内に入るシーンでは、わずかに小さなゴーストが見られることもあるが、コントラスト低下などのそぶりもなく優秀で実用に困ることは全くない。

次ページ従来の常識を覆したズームレンズのニュージェネレーション

前へ 1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE