HOME > レビュー > 【AEx2020「銀賞」受賞】世界のオーディオファンを熱狂させ続ける「XERXES」のいま

独創性溢れるアイデアとサウンド

【AEx2020「銀賞」受賞】世界のオーディオファンを熱狂させ続ける「XERXES」のいま

公開日 2020/03/16 12:21 小原由夫
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■現代のスタイルに合わせシステムを大幅アップデート

05年に誕生したXERXES 20は、今日まで細部のブラッシュアップを繰り返してきた。つまり、基本設計時点から優れていた初代機の特色と美点をそっくり継承しつつ、現代の要求に適合するようアップデートされてきたのである。

XERXESのメインプラッターを外したところ。サスペンション構造やアイソレーション構造など基本設計は継承しながらアップデートが施されている。回転がスタートすると、ベルトの張力により、自動的に回転軸がセンタリングされる独自技術が搭載されている。プラッターはアルミ削り出しで生成

美点といわれるのは、木製キャビネットを用いつつ、ラバー系素材でサスペンション構造を組み込んで、スプリング等のスティフネスで問題とされる垂直方向の弾性よりも水平方向のコンプライアンスを重視した設計と、アームベースとキャビネット、内蔵モーターのアイソレーション構造をそっくり継承している点だ。これが今日までザクシーズの真骨頂といわれている3層プリンス(ボード)構造による高S/Nにつながっているといって過言でない。

XERXES 20を横から見たところ。三層プリンス(ボード)構造によって、モーターの振動を一切プラッターに伝えない設計がなされている

強化スチールスピンドル(加工精度5ミクロン以下)と、直径2mmの超硬タングステンカーバイトボールベアリングによるプラッターの軸受け構造は、もはや伝説といえる仕様だ。専用の潤滑オイルが馴染んでプラッターが軸受け底部に落ちるまで半日以上を要すると伝えられるほど(これはいささか誇張された噂だが)、嵌合具合に遊びがないことの所以であり、リン青銅ハウジングを含めたその仕組みにも基本的に変更はない。

2ピースの中空構造アルミ削り出しインナープラッターも然り、再生時にスピンドルを外すキャップ構造も然りで、この辺りは基本設計の秀逸さの現れだ。

XERXESの実力を引き出す強化電源ユニット「RPM」。AC電源をDCに一度変換し、その後ACに戻すことで、家庭の電源環境によらない安定した電源供給が実現できるという。超低ノイズトランスを新たに採用。※今回の試聴にて使用

XERXESに基本搭載されるパワーユニットXPS8 。XPS7からさらにグレードアップされ、50ppmのクリスタルオシレーターを採用し、正確な回転を実現 ※「XERXES 20+「XPS8」の場合は¥750,000/税抜

今回組み合わせたパワーサプライ「RPM」は、ACシンクロナスモーターを正確かつ静粛に回転させるため、AC電源を一旦DCに変換した後、再びACに戻してクリーンな駆動力を供給する。回転数の切り換えは前面ボタンで行ない、速度調整機能も内蔵されている。

組み合わせたトーンアームはROKSANの最新モデルSARA(ザラ)。価格は¥350,000/税抜

トーンアーム「SARA」は、ブラック・アノダイズ仕上げのアルミ製ストレート一体型パイプで、タングステンカーバイドによる鋭いニードルピンのユニピボッド/人工ルビー台座支持構造。内部配線はOFC線で、DINソケットタイプなので簡単に軸受け部から取り外しでき、カートリッジの交換も比較的容易だ。吊り下げ式のアンチスケート機構もシンプルである。

ピボットはタングステンカーバイド・ピンと人工ルビー台座を採用したユニピボットデザインとなる

次ページ安定した重心の低さと音の密度や肌理が魅力

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE