【特別企画】驚嘆するレベルの情熱

すべては音質のために。NUARL完全ワイヤレス「N6」「N6 Pro」が実現した “完全自社開発でしかできない音”

海上忍

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2019年12月23日

既存のユニットではできない完全ワイヤレスの新たな表現に、自社で一から開発したドライバー「NUARL DRIVER[N6]」で挑む。新モデル「N6シリーズ」で見せたNUARLの果敢なチャレンジに海上 忍が迫る。

ドライバーや基板、筐体まで自社開発した渾身の作

洗練された音と良好なコストパフォーマンスで人気のNUARL(ヌアール)から、完全ワイヤレスイヤホンの新モデル「N6」と「N6 Pro」が発表された。

NUARL「N6 Pro」¥18,000(税抜)レッドカッパー/マットブラック


NUARL「N6」¥14,500(税抜)シルバー/グロスブラック
築いた技術・ノウハウを継承しつつも、ドライバーや基板、筐体まで自社開発した渾身の作であり、そのこだわりぶりに注目が集まる。

NUARLといえば、2019年モデル「NT01AX」の高評価が記憶に新しいが、なぜ新モデルでは自社開発に踏み切ったのか、そこまで労力をかけ成し遂げたい音・機能とは何なのか。開発担当者の声を交えつつ、その実像に迫ってみたい。

N6、N6 Proに搭載されるドライバーは、基本デザインは今春発売の有線イヤホン「NX30A」「NX310A」に搭載の「NUARL DRIVER [N6]」を踏襲。完全ワイヤレスモデルへの搭載を意識しつつ、「ネオジム磁石の熱減磁による特性劣化という従来型ドライバーの問題点を解消すべく、磁気回路やマグネットの段階から設計した」(開発担当者、以下NUARL)という。

従来モデルから技術の継承も行われているが、ただ同じパーツを採用したわけではない。「振動板には前NXシリーズと同じチタン合金蒸着振動板を採用する予定でしたが、周波数特性に独特な癖があり、ワイヤレス製品に最適ではなかったので振動板の材料から選び直しました」(NUARL)というから、かけた労力という点ではかなりのものだ。

NUARLではこれまで、技術力が高くても生産能力が低いため必要な数を確保できなかったり、その逆に、多くを生産できても音質に納得ができなかったりなど、ドライバー工場探しには大変苦労してきたのだという。こういった経験から、音質に納得いくものを安定供給するため、自社開発に踏み切ったとのことだ。

徹底した音へのこだわり(1)<カーボンナノチューブを振動板に採用> 音質に納得のいくものを安定供給するため、「NUARL DRIVER」を開発。「N6 Pro」では、単層カーボンナノチューブとPEEKの2枚の振動膜を真空蒸着して貼り合わせた「SWCNT複合振動板」を使用した「NUARL DRIVER [N6]v5」を採用する。三次元構造を持つカーボンナノチューブは、分子構造が二次元のグラフェンよりも機械的強度が高くエネルギー変換効率に優れる


徹底した音へのこだわり(2)<ハイブリッドチューニング> ドライバーユニットを金属筐体に収めてイヤホン内に収めるというモジュラー構造を採用しているのもポイント。筐体内部のスペースが確保しにくい完全ワイヤレスイヤホンでは、デジタルでの音質調整に頼りがちだが、音量による音質の破綻が起きやすい。モジュール化することにより、通常の有線イヤホンと同じように音量に左右されず、自由度の高い緻密な音質チューニングを実現した

ドライバーのモジュール化でアナログライクなサウンドを可能に

N6、N6 Proの最大の注目点は、ドライバーのモジュール化だろう。物理的制約が厳しい完全ワイヤレスイヤホンでは、音響空間設計は困難を極めるが、「銅製の筐体に収めたうえでハウジングに内蔵することで、有線イヤホンと同様のアナログ音調を可能にした」(NUARL)という発想がユニーク。

しかも銅素材は他の部品からの影響を抑え、ドライバーの放熱にも高い効果を発揮するから、一石二鳥といえる。SoC組み込みのDSPによるデジタルイコライジングも活用はされているが、必要最小限のレベルに抑えたという点には合点がいく。

S/Nが良く、キレの良さが際立つサウンド

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