【特別企画】クオリティ志向に使い勝手を両立

ワンランク上の映像体験、BenQ「HT5550」で叶う。“格の違う”4K/HDRプロジェクター登場

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鴻池賢三

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2019年05月29日
BenQから4K/HDRプロジェクター最新モデルにして、エントリーモデルとしての価格ではなくクオリティを追求した「HT5550」が登場。ホームシアターを “カジュアル” から “本格” へとランクアップする注目機の実力を、鴻池賢三氏がチェックする。


映像コンテンツは4K/HDRの時代に。登場以降、ますます盛り上がりを見せているのは、単なるスペック論に陥らず、実際にユーザーがその効果を体感しているからだろう。特にHDRの効用については、白黒からカラーへ、SDからHDへの変化と同じくらいインパクトが大きく、映像装置の歴史において大きな節目と言える。

プロジェクターにおいても、4K/HDR化は自然な流れといえるが、直視型のディスプレイに比べると絶対的な輝度は及ばず、また各社の初号機は高価格というハードルの高さもあり、初動は鈍かったといえる。

そのような状況下で昨年注目を浴びたのが、登場時点での実売価格が20万円弱、さらに現在は15万円前後と手ごろな価格を実現するBenQの「HT2550」で、改めてカジュアルホームシアターニーズの高さと、高画質への期待を感じさせられた。

そして本年、BenQは順当に「HT2550」の後継で進化版の「HT3550」をリリース(レビュー記事はこちら)。同時に、上位にあたる「HT5550」を発売日未定としながら発表し、ラインナップ拡充も大きな話題に。反響に好感触を得たのか、「HT5550」の正式リリースが決定した。

「HT5550」

実勢価格は34万円前後となる本機は、BenQプロジェクターのなかでもミドルレンジに位置づけられる。今回は、同社製品の強みであるフットワークに良さに、クオリティーをプラスした注目の「HT5550」がどのようなパフォーマンスを発揮するのか、実際の試写を通して検証した。

オールガラス製レンズの搭載などクオリティ志向、かつ設置自由度も高い

本機は0.47型フルHD解像度のDMDパネル1枚を用い、縦横それぞれ0.5画素の光学シフトを行うことで3,840×2,160解像度を実現する4Kモデル。HDRフォーマットはHDR10に加えてHLGにも対応し、日本で始まった4K/HDR放送とも相性が良い。

DMDパネルの解像度で考えるならば「HT3550」と近い雰囲気だが、オールガラス製で4K解像度に最適化された6群11枚レンズや、DCI-P3を100%達成した広色域性能を有するなど、より画質に注力した設計となっている。

4K映像の投写に最適化したオールガラス製の6群11枚レンズを採用

ほか、BenQが一貫して推し進める「正確な色」は、「CinematicColor」技術に基づき、高精度なカラーホールを採用したり、工場出荷時の個別キャリブレーションおよびテストレポートの添付で、デルタEが「3」以内(一般的な人の目で、色の違いが識別できない範囲)を担保している。この点、同社のハイエンドモデルと同様の安心感があり、ホームシアター上級ユーザーのみならず映像制作のプロフェッショナルのニーズをも満たす可能性がある。

ほか、機能面では、レンズシフトによる設置の柔軟性が新しい。シフト方向は縦だけではなく横にも対応していて、DLPプロジェクターを導入する上での障壁が一つ少なくなったのは嬉しい。「HT3550」と決定的に異なる部分でもある。

本体天面にレンズシフトのノブを備える

実際に設置すると、どちらかと言えば横長の形状で奥行寸法は349mmに抑えられている。これは、狭小なスペースで少しでも投射距離を稼きたいケースで有効だろう。また、質量は6.5kgと軽量で、楽々と持ち上げることができるのも驚き。移動が容易であるのはもちろん、DIY感覚で天吊り設置にもチャレンジできるだろう。この点もまた、4K/HDRプロジェクター導入の敷居を下げてくれるポイントになるだろう。

実際に触ってみると、質感のある見た目から受ける印象より軽い

本体背面に端子部を集中。操作ボタンも備える

レンズシフトはスペック表で、上下±60%、左右±23%の表記があり、横方向のシフト量が相対的に小さく見えるが、実際に設置してみると、この恩恵は大きく感じた。実のところ、縦方向は、天吊りやテーブルに設置し、壁の中央付近を狙うので、微調整ができれば事足りることが多い。一方、横方向は部屋のレイアウトに左右されやすく、±23%あれば、約3mの距離で100インチ映像投写時、画面を左右に約50cm移動させることができる。上下シフトを併用すると、左右のシフト量は減ってしまうが、DLPプロジェクターとしては歓迎したい機能美と言える。

付属リモコンから各種操作が行える

本体の脚部で角度調節も行える

部屋を暗転して気づくのは、プロジェクター本体からの漏れ光の少なさ。筐体内は通気を確保しつつ、容積を割いて光路を遮る配慮がなされている。もちろん光漏れはゼロではないが、コンパクトなDLPプロジェクターと大きく異なる点で、シアターファンには大きな魅力となるだろう。ちなみに本機は外観がマットブラックで迷光対策にも一役買っている。

ズームはレンズ部のリングを回転させて調整。またレンズの下には、天吊り設置した際に役立つ防塵レンズフードが用意されている

カジュアルシアターとは格の違う、ワンランク上の映像体験

さて、映像を投写すると、なぜかピントが合わせやすい。色収差が少なく、映像がシャープなのだ。この時点で、4K解像度に最適化されたというオールガラス6群11枚レンズの威力を感じる。

黒の沈み、解像感に大きなアドバンテージ

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