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実践テクニックレポート

フルテック「NCF Booster-Signal」に新効果!ケーブルの“高さ調整”で音をチューニング

2019/05/14 鈴木 裕
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バーを2本足して4段目にセット
4段目は濃密で味わい深く、フワッとした空気感を出す
ニュアンスとしては中域重視の、やや濃密な感じを持っている。興味深いのは各楽器や声の音色の味わいのような感じが引き出されている点で、例えば竹内まりやでのストリングスの流麗な響きや、ライヴでのオーディエンスの拍手など、なかなか雰囲気がいい。フワッとした空気感が出るのだ。

オプションの延長用シャフトバー(エクステンションシャフトバー)を用意し、各々2本ずつを追加装着。合計シャフトバー4本分の高さとして、その最上のラインにケーブル受けを設定して聴く

興味深いのは音楽のテンポがゆったり聴こえるのと、音色感としてはやや暖色系になること。大太鼓の音像自体はひとつ前よりもさらに大きくなり、その定位も少し前に来るがエネルギー感自体はきちんと持っている。

浮かせるだけでない巧みな作り
優れた制振&静電効果が、魅力ある効果を生み出す
NCF Boosterシリーズは筆者の自宅でも使っていて、感じるのはクレイドル部自体の作りの良さだ。下側がオーディオグレードのABS樹脂、ケーブルと接する上側がNCF調合ナイロン樹脂という、ハイブリッドの素材の組み合わせ。内部を見ると、上側の裏にはダンピングマットを貼ってあり、上から下に適度に振動を伝える柱や共振を避ける壁も設置。なおかつ半密閉型にして、その空気圧を振動に対する抵抗として利用してもいる。

NCF Boosterシリーズの多彩なオプション

このクレイドル自体の振動コントロールの容量が大きい。それに対してベースユニットやシャフトは意外と柔構造というか、大きな振動などを “いなす” 役割を持たせているのではないかと感じてきた。というのも以前、筆者は根太などを支える建築用の部材を使ってケーブルを浮かしたこともあったが、これが何をやっても音が硬くて辟易したからだ。クレイドルという制振能力の高いものと、柔構造のベースユニットという組み合わせ。この良さが今回のテストでも確認できた。

【NCF Boosterシリーズの多彩なオプション】

(1)「TopClamp」(¥13,800、税別)。NCFBooster-Signalに追加し強化可能。ステンレスパウダーを基本材料とし、複数の特殊制振金属パウダーを調合、ナイロン樹脂と複合させ、質量は約295g
(2)「Cradle-Flat」(¥12,000、税別)。NCF Booster-Signalのケーブルホルダー部の単売品(固定リング2個付属)。追加で自在&複合的な応用ができる
(3)「Extension Shaft Bar」(¥3,000/10本セット、税別)。1本あたりの高さ59.5mm、手でねじ込むだけで連結可能
(4)「Shaft Bar Adjuster」(¥3,800/2個、税別)。クレイドル部の高さを微調整、最適化する中継具


【NCF Booster-Signalの仕様】

●クレイドル:フラットタイプ(一番低い位置での高さは44mm)●外部サイズ:約94.1×99.7mm●高さ設定:基本82.5mm、延長142mm(オプションで追加可能)●質量:基本約280g、延長約340g●構造:独自調合マルチマテリアルハイブリッド構造●ベースユニット素材:オーディオグレードABS樹脂、鉄製カウンターウェイト、シリコン注入・鉄製衝撃吸収プレート●クレイドル素材:オーディオグレードABS樹脂とNCF調合ナイロン樹脂(静電効果)●シャフトバー、シャフトバーキャップ、調節ネジ素材:ニッケルメッキ真鍮●付属品:エクステンションシャフトバー×2、固定リング×2


※NCF(ナノ・クリスタル・フォーミュラ)は、ナノ粒子化したイオン化する特性の強い鉱物を樹脂とハイブリッドさせた、2015年に開発した特殊素材

※本テーマは、秋葉原のAUDIO&VISUAL専門店テレオンとフルテック(株)が共同検証を重ね、その効果の確証を得てのレポート掲載である

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