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買って後悔なしの「ペア10万円以下スピーカー」はこれだ! 本命13機種を一斉レビュー(前編)

2019/04/18 生形三郎
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試聴を行った再生システムについて

今回テストするスピーカーの再生環境も少し触れたい。まずスピーカーを駆動するためのアンプには、ラックスマンのプリメインアンプ「L-507uXII」を用いた。同社のロングセラーモデル「507」の最新モデルで、数あるAB級のプリメインアンプの中でも、十分な駆動力と、規範的なサウンドバランスを持っている。そして情報量が多い現代的ソースにも対応できる性能を備えているため、リファレンスとして最適だと考えた。

今回試聴を行ったシステム

リファレンスに用いたラックスマンのプリメインアンプ「L-507uXII」

スピーカーとアンプとを繋ぐスピーカーケーブルには、ティグロン「MS-DF12SP-HSE」を使用。ディップフォーミング方式で製造された線材を使った、高音質と充実した聴き心地が得られるモデルで、筆者自身も自宅環境でリファレンスとして使っているモデルだ。

スピーカーケーブルには、ティグロン「MS-DF12SP-HSE」、スタンドには同じくティグロン「TIS-60」を使用した

また、スピーカーの性能を最大限発揮させるためのスピーカースタンドには、優れたコストパフォーマンスとすっきりとしたデザインが魅力的な、同じくティグロンの「TIS-60」を選んだ。鳴きが少ないマグネシウム製の心棒を用いて、高い強度とスマートな細身のシルエットを両立したスタンドだ。

それでは、各モデルのレポートを価格の安い順に、前後編に分けて紹介していく。


<試聴モデル1>
ヤマハ「NS-B330」 43,000円(税抜)

ヤマハ「NS-B330」

【主なスペック】 外形寸法:183W×320H×267Dmm、質量:6.1kg、ユニット:30mmアルミドーム型トゥイーター/130mmコーン型ウーファー、再生周波数帯域:55Hz-45kHz(-10dB)、能率:87dB、インピーダンス:6Ω、許容入力:40W(最大120W)、クロスオーバー周波数:2.8kHz、端子:シングルワイヤ/バナナプラグ対応

■どのようなジャンルの音楽も、心地よく爽快に楽しませる

言わずと知れた国内大手メーカーであるヤマハのスピーカーで、同社が展開するラインナップの中でも、ハイファイ再生専用のブックシェルフ・スピーカーという位置付け。ハイレゾ再生に対応したワイドバンドな周波数帯域をカバーするユニットを搭載する。

試聴室に設置した「NS-B330」(以降、サイズ感をわかりやすくするために各製品を定点で撮影している)

アルミ振動板によるトゥイーターには、ウェーブガイドホーンが取り付けられており、一般的な部屋環境でも明瞭な音が得られるように設計されていることがポイントだ。また、サイド部分をラウンド形状にして、本体内部で起きる音の濁りを抑えるなど、この価格ながらデザインや音質面にも入念な設計がなされている。

一聴して感じるのが、明瞭なエネルギーで演奏のが届いてくる、爽快感溢れるサウンドだ。音楽の鮮度感が高く、ハイレゾ音源のフレッシュな質感を十全に伝えてくれる。特に快いのが、充実した中低域や低域の表現。エレキギターのボトムや、エレキベースの存在感や密度が高く、程よい厚みがある。その上、低音楽器も音程の動きが明瞭で滲まない。

サランネットを装着したところ

背面端子部

まさにこれは、同社が1980年代に送り出した名作「NS-1 classics」譲りのPMD(Polymer-injected Mica Diaphragm)振動板を採用した、13cmコーン・ウーファーによるものだろう。振動板の動きが実に機敏で反応が良く、解像度が高く抜けの良い低域を実現しているのだ。明瞭で解像度が高くもバランス良い音色感を持っており、どのようなジャンルの音楽も、心地よく爽快に楽しませてくれる。

【相性のよかった音楽ジャンルとそのポイント】
まさにオールラウンダーだが、特にクラシックなどアコースティックソースの描写が素晴らしい。楽器の数が多いオーケストラも、細部を緻密かつ落ち着いた音で楽しませてくれる。

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