RHAならではの音質＆デザイン！ 完全ワイヤレスイヤホン「TrueConnect」がさすがの完成度

■RHAらしい質感まで聞こえる高域と、豊かな中低域を兼備した新たなサウンド

サウンド面でも、RHAらしさのポイントは押さえつつ、少し新しい音作りにもチャレンジしてきた雰囲気がうかがえる。ボーカルやシンバルのシャープさなどはRHAらしく、それでいてベースやドラムスなど中低域を主に全体としては、ゴリッと硬質にはせず、心地良い厚みや太さを感じさせる。バンドサウンドではモータウン的な膨らみもある豊かな低音感、エレクトリックサウンドではざらついた質感もしっかりと伝える中高域が特に印象的だ。

試聴した星野源のアルバム「POP VIRUS」は、シングル曲「アイデア」が象徴的だが、バンドサウンドとエレクトリックサウンドの両方ともが欠かせない音楽要素となっている作品だ。まずバンドサウンドの面で、このイヤホンのポイントは「重すぎないどっしり感」だ。

いわゆる重低音の重みや沈みではなく、その上の帯域でのエレクトリックベースの太さや膨らみが好感触で、そこを土台としたバンドらしい程良い低重心となっている。ベースの膨らみ具合もしっかりとした大柄さは出しつつ、ボワボワしてしまう手前でまとめられており、他の楽器とのバランスも良好。

エレクトリックサウンドの面では、サンプラーのMPCで演奏されたと思われるビート、その音色の質感表現に注目してほしい。特にシンバルのロービット的な粗さのある鋭さ、それ故の抜けを、このイヤホンは実に良い具合に届けてくれる。

ボーカルでもそうだが、ワイヤレスイヤホンで高域の質感をしっかり出そうとすると、Bluetooth伝送時の圧縮ノイズも目立ってしまいやすく、その兼ね合いが難しい。だがこのイヤホンは「ノイズ感は目立たせずに質感は表現する」という難題をうまくクリアしていると言える。高域のこの感触は「RHAらしさ」のポイントでもあるので、「RHAとしてそこは外せない！」という意地を見せられた思いだ。

空間表現の部分では、左右の広がりというよりも、どちらかというと奥行き感の方が際立つ。ここはエレクトリックよりもバンドサウンドとの相性が良い部分だ。とはいえトータルでの空間表現に過不足はないので、主にポップス音源を楽しむには十二分の力を持っている。

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「TrueConnect」はサウンドの仕上がりも上々、そして美観と実用性を共に備えるデザイン、バッテリー周りの充実のスペックなど、総合力の高さも光る。完全ワイヤレスイヤホンというのは、従来型イヤホンに対して、まず使いやすさが圧倒的であってこそ“完全ワイヤレス”である意味がある。そこを理解しクリアした上で、RHA初の完全ワイヤレスイヤホンとして、デザインにもサウンドにも「RHAらしさ」を込めてきた。そこがTrueConnectの「さすが！」なところである。

（高橋 敦）